横浜FCのJ2優勝に想う

 大詰めを迎えている今年のJリーグですが、J2では、横浜FCが見事に初優勝を飾り、初のJ1への昇格を決めました。

 この横浜FCの優勝は色々な意味で意義深く、Jリーグ各クラブが大いに見習わなくてはならない点が多々あると思うのであります。

 まず、何と言っても昨季11位と下位に沈むチームを1年で優勝させたこと。次にカズ、城、
山口、小村といった他チームをお払い箱になったベテラン選手達を再生、かつスタメンで起用してチームを強化させたこと。そして施設面ではJ2最低レベル、そして運営予算でも決して恵まれない弱小チームを短期間で頂点にまで押し上げたことです。

 
 これらの現象はJリーグ史上でも類を見ない偉業であり、大いに賛嘆すべきですが、全ては高木監督のリーグ開幕早々の突然の就任から始まりました。

 当時は開幕戦直後に監督の首を切るというフロントの判断に疑問を抱いたものですが、それから約9ヶ月が経った今、高木コーチの監督昇格人事がまさに大英断であったことを思い知らされる次第です。

 あの高木氏が監督としてかくも才能豊かであったことは、正直私は全く予想し得なかったのですが、今回の横浜FCの快挙は、同氏の指導力によるところ大、大、大であると申し上げねばなりません。何故ならば、それ以外に躍進の理由が見当たらないからです。

 11月27日付けの日刊スポーツは、「魔法の265日」との見出しで高木采配を称えていましたが、なかなか粋な表現だとは思うものの実際には魔法でも奇跡でもないのであります。それはひとえに的確な分析力と采配、シンプルで解りやすい指導、そして勝利への飽くなき探究心といった高木監督の指導者としての才能が見事に開花したからに他なりません。

 その高木監督の卓越した指導力については、いつかまたじっくり論じせていただくとして、とにもかくにも横浜FCイレブンとそのスタッフ、敬愛なるオクこと奥寺社長、そして横浜フリューゲルス吸収合併事件の頃からクラブを支えてきたサポーターの皆様に心よりお祝いを申し上げます。本当におめでとうございました!!

 さて、一方J1ですが、浦和レッズがここへ来てもたついており、優勝の行方は最終節に持ち込まれることに相成りました。

 その浦和レッズですが、横浜FCとは対象的に圧倒的な資金力と本場と比較しても引けを取らない幾多の熱いサポーターを擁しながら、ここまでもたついているのは私からすると滑稽千万であります。巷では悲願の初優勝を見越して専門誌やスポーツ誌がこぞって浦和レッズの特集を組んでいますが、批判めいた内容の記事は一切見当たりません。レッズの関連本は熱心なサポーターのおかげである程度の部数が見込まれるから出すのは分かりますが、その何十万人、何百万人と言われるサポーターを敵に回すのが怖いのか、このクラブを的確に分析、評価した記事というものを私は、読んだことがありません。

 そこでこの際、次回のブログで私が「誰も書かなかった浦和レッズ」と銘打って、同クラブの分析、評価をさせていただきたいと存じます。サブタイトルはズバリ、「世界一熱いサポーターと世界一臆病なチーム」です。

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登録日:2006年 11月 29日 11:04:06

コメント

はじめまして。記事の内容と全然関係ないですが、こんな記事を発見しました。
僕は日本サッカーに足りないというか意識の面で的確に指摘していると思います。
ジャーナリストの方から見てはどういう風に思われるのか実に興味があります。

http://streetsoccer.seesaa.net/article/12447318.html

ぽぽぽ @ 2006年 12月 01日 18:00:22

はじめまして。記事の内容と全然関係ないですが、こんな記事を発見しました。
僕は日本サッカーに足りないというか意識の面で的確に指摘していると思います。
ジャーナリストの方から見てはどういう風に思われるのか実に興味があります。

http://streetsoccer.seesaa.net/article/12447318.html

ぽぽぽ @ 2006年 12月 01日 18:01:24

ぼぼぼさん

確かに一連の記事に貫かれている基本は大事であると言うコンセプトに異論はありません。賛成です。

基本的にフットボールはボールを止める、蹴る、運ぶ(ドリブルする)、そしてヘディングするという4つの動作しか行わないのですから、蹴るという作業はとてつもなく大切だと思います。

ご指摘の記事の中にも、ベルマーレ時代の中田選手が練習後に植木監督を捕まえて、キックとトラップの反復練習を熱心に行っていたことが紹介されており、中田英寿が世界で活躍出来たのはそういった半端ではない基礎練習と、筋トレの賜物であることは間違いありません。

中村俊輔の練習への取り組みにも同じことが言えると思いますが、一方で決してそれが全てではないとも私は考えます。

必要以上に昔はああだった、こうだったというのは、感心致しません。昔が優れていたのなら、何故ワールドカップに出られなかったのでしょう。何故オリンピックにすら出られなかったのでしょう。

私は記事に出てくる釜本、杉山、宮本、吉村の時代の日本代表を散々見てきましたが、トットナムやケルン、ボルシアMG,サザンプトン或いは東欧のウペシュティ・ドージャ、フェレンツ・バローシュといったクラブに全く勝てませんでした。

ましてや代表戦ともなるとまず韓国にすら勝てませんでしたし、旧ソ連代表などには手も足も出なかったのです。そもそも、本場の代表チームとは試合すら組ませてもらえませんでしたから。

何でもそうですが、基本は大事!当たり前のことです!!

それを論じなければならない日本の指導のありかたに問題があるのでしょう。私の経験から言わさせていただければ、今の日本選手に欠けているのはむしろハートと頭(グローバルな発想や知識を含む)だと思っています。

小谷 泰介 @ 2006年 12月 02日 16:53:28

僕は少年サッカーの指導にかかわっていますが、僕がプレーしていた10年ほど前より非常にいい資質を持った少年が増えてきていると感じています。その一方で戦術マニアで基礎を疎かにしていると感じる指導者が多いのもまた事実です。
コメントありがとうございました。非常に参考になりました。これからもよろしくお願いします。

ぼぼぼ @ 2006年 12月 02日 17:35:24

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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