中村俊輔選手の偉大さ
<サッカー 欧州チャンピオンズリーグ>セルティック ホームでミランと引き分ける - スコットランド
【グラスゴー/スコットランド 20日 AFP】サッカー、欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)・決勝トーナメント1回戦、セルティック(Celtic)vsACミラン(AC Milan)、第1戦。
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(c)AFP/ANDREW YATES
スコットランドのセルティックで活躍する中村俊輔選手が、今季のプレミアリーグ年間最優秀候補(4人)のひとりに選ばれました。
その他の候補者は同じセルティック所属のGKのボルツとDFのネイラー、そしてアバディーンのDFアンダーソンとなっており、中村選手が協会加盟の選手によって選ばれる確立は単純に言えば4分の1ということになります。
しかしながら、私としましては昨年の10月24日付けのブログで、中村選手には是非ともMVPを獲得してもらいたいとエールを送っていただけに、何とか現実のものとして欲しいと祈らずにはいられません。
冷静に分析すれば、最大のライバルは同僚のボルツ選手だと思うのですが、インパクトの度合いからすれば断然中村選手に分があるでしょう。一方、ハンディがあるとすれば、同選手がスコットランド人でも西洋人でもないという点でしょう。
いずれにしましても今月の22日にはその結果がわかるので、指折り数えながら楽しみに待ちたいと思います。
しかし、それにつけても時代は大きく変わったもので、私がフットボールにのめりこみ始めた1970年代には、日本人選手が欧州の名の知れたクラブでレギュラーポジションを獲得したり、そのクラブの得点王になったりすることなど想像すら出来ませんでした。何しろ自分が生きている間に、日本がワールドカップの本大会に出場することなどないだろうと思っていたくらいなのですから。
それなのに、今、日本人選手がスコッティシュリーグのMVP候補にノミネートされたわけで、これはもう快挙と言わずして何と言えば良いのでしょう。
多くの日本人にとってスコットランドのフットボールが身近になったのは中村選手の移籍以後の事だと思うのですが、私にとってスコットランドはイングランドとともにフットボールの聖地ともいえる場所なのです。デニス・ローやジミー・ジョンストンに憧れ、1974年のスコットランド代表チームをこよなく愛する私にとって、中村選手の活躍は万感胸に迫るものがあるのです!
多少感傷的になって恐縮ではございますが、1975年にグラスゴーで観戦したレンジャーズ対ハーツの1戦は今でも鮮烈に私の記憶に残っており、その試合の前に地下鉄の中でレンジャーズのサポーターが大合唱をしながらスタジアムに向かう光景に触れて、強烈なカルチャー・ショックを受けたものです。
フットボールがかくも人々の生活の中に根付いている国、スコットランド!人口500万ちょっとにも拘らず、クラブ・レベルで3度も欧州王者を輩出した国、スコットランド!ビル・シャンクリー、ジョック・ステイン、アレックス・ファーガソンといった明白楽を数多く生んだ国、スコットランド!!
そのスコットランドのトップリーグで、日本人選手がMVPに輝くかも知れないなんて、私のような昔を知るおじさんにとっては本当に信じられないことであります。
中村俊輔選手の偉大なところは、そのテクニックや戦術眼、展開力のみならず、常に向上しようとする飽くなき探求心と、人気に浮かれない謙虚さを兼ね備えている点だと思います。
実は、去年のワールドカップ直前の練習試合でドイツと対戦した際に、国内のある強豪クラブが中村選手をチェックするためにスカウトを現場に送っていたのです。勿論、クラブの中盤の要として、その役割を果たせるかどうかをチェックするためですが、残念ながら結果は不可でした。
フィジカルに問題があり、欧州のトップチームを相手にした時に一人で局面を打開するような力強さを感じないと言うのがその理由です。
確かに、中村選手は俊足ではないし、フィジカルに優れているわけではありません。しかし、持ち前の謙虚さと向上心があるので、常に進化し続けることが出来るのが最大の強み。現に中村選手は心身両面で去年の5月とは比べられない程たくましくなっており、今なら前述の強豪クラブの背番号10のシャツを切ることが出来ると私は思っています。
いずれにしましても、中田英寿選手が引退した今、中村選手が日本の顔であることは間違いありません。願わくば、もっともっと進化し続けて、2010年に日本代表の中心選手として世界をアッと言わせて欲しいのであります。そして、それはMVPの受賞同様に決して不可能ではない、手に届く位置にある夢、或いは目標だと確信する次第です。
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登録日:2007年 04月 14日 15:15:47
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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