「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」

仁川上陸作戦56周年の記念式典開催 - 韓国

【仁川/韓国 15日 AFP】ソウル西方の仁川(Incheon)市で15日、朝鮮戦争仁川上陸作戦56周年の記念式典が行われた。式典には、韓国および米国の退役軍人らが参加した。1950年から53年まで続いた朝鮮戦争では、国連の旗の下、米国および15か国の連合軍が韓国軍とともに北朝鮮軍と戦った。仁川は、ダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur)元帥率いる米軍主導の国連軍が上陸し、北朝鮮軍を退却に追い込んだ場所である。写真は、仁川の記念式典会場に立つマッカーサーの銅像。(c)AFP/JUNG YEON-JE

AFPBB News


 最近、京都大学大学院教授中西輝政氏の書かれた「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」という本(PHP新書)を読みました。

 副題として帯に「なぜ戦前を否定するのか?」と言う文字が大きく踊っているのですが、敗戦による進駐軍の占領政策によって自国を大局的な見地や、正しい歴史観で分析することが出来なくなり、そのアイデンティティーを見失いつつある戦後の日本人への警鐘の書です。

 著者が、その道の大家としてどうしても著しておかなければならなかった全ての日本人への遺言とも受け取れる渾身の書であり、是非ご一読をお勧めします。

 終戦から62年が過ぎ去り、第2次世界大戦の記憶がどんどんと風化しつつある昨今ですが、同書では日本人が、戦後暫く戦勝国(主として米国)の支配下に置かれ、お国のためなら特攻隊をも組織して命を投げ出すような国民を今後二度と出さないような国づくりのプログラムを施されてきた事実に背を向けていると説いています。

 端的に言えば、日本人をどのように骨抜きにするかを念頭に置いた憲法や教育政策の下で我々が育ったことをもっと認識し、2千年の間、連綿と受け継がれてきた日本独自の文化と精神性を取り戻そうという内容です。

 戦後数年間続いた占領政策を「マッカーサー・ポイズン」と呼び、その毒が戦後60年以上経過してすっかり全身に回ってしまったと分析する知識人もいますが、なるほど安部政権が「美しい国づくり」などというスローガン掲げるのは、人間の持つ防衛本能や自家解毒作用の表れかも知れません。

 私自身、日本人は敗戦によりその独自の精神性や、世界に類を見ない君主制からなるアイデンティティーを歪められ、拝金主義に走ってしまったツケが今この国を蝕んでいると考えていますが、いずれにしましても同書の言わんとする内容が、日本のフットボールを分析する上でも大いに役立つのです。

 ご存知のように、フットボールは世界中のあらゆる国々のあらゆる民族が楽しんでいる世界最大のスポーツですが、これほど国民性がプレースタイルにそのまま反映される競技も珍しいと言えます。

 ブラジルとイタリアとドイツのフットボールは明らかにスタイルが違いますが、長いワールドカップの歴史でそれぞれが多くの白星を重ね、それぞれが3回以上の優勝を飾っています。ブラジルはブラジルのやり方で、イタリアはイタリアのやり方で、そしてドイツはドイツのやり方で、それぞれ世界に君臨しているのです。

 翻って日本はまだワールドカップ出場3回目の新参者ではありますが、その僅か3回の戦いぶりを分析するだけで、日本人の特性がプレースタイルに反映されていることが分かります。

1.手先が器用、繊細と言われるだけあって足技に優れ、中村俊輔選手に代表される世界的なテクニシャンも輩出している。

2.和を重んじる国民性から団結力が強く、組織プレーに優れている。

3.伝統的に目上の人間を尊び、立てるという慣習から、コーチの言う事に真剣に耳を傾けるので、良いコーチの下ではメキメキとチーム力が向上する。

4.長い稲作の歴史が忍耐力を養い、切れるプレーヤーが少ない。また持久力(スタミナ)でも、優位性を保てる。

5.勤勉と言われる国民性だけあって、プロ選手の中で大卒の割合が飛び抜けて高く、インテリジェンスとリーダーシップの面で各クラブに大きな効果をもたらしている。

以上がプラス面ですが、逆にマイナス面では次のような点が挙げられるでしょう。

1. 肉食中心の欧米人と比較して、体格、骨格が華奢である。また、跳躍力、スピードにおいてもやや劣る。

2. 平原を駆け巡る狩猟民族、或いは騎馬民族ではなく、基本的には日本人の多くが農耕民族であったため、シュート力を含めた得点感覚に難がある。

3. 自己主張を美徳としないお国柄から、ここぞという1対1の局面に弱い。

4. 島国であり、基本的に他国を侵略して領土を拡大してきた歴史が無いため、特に攻撃面での力強さや迫力に欠ける。

5. 出る杭は打たれ、個性を尊重する教育を実施していないため、独立独歩や我が道を行く人材に乏しいため、判断のスピードが鈍くなり、展開が遅い。

とまあ、ざっとこんなところでしょうか。

 このような分析の他に、特に明治維新以降の日本の歴史と文化スポーツの関わりや、発展の仕方、政治との結び付きなどを把握すれば、日本のフットボールの正しい姿を摑むことが出来るのだと思います。

 何をするにも自己分析や自分の立ち位置を把握することや、第三者的自分を見つめるスタンスは重要なことで、中西氏の著書はその点を良く分からせてくれる内容となっています。

PHP新書の回し者ではございませんが、末尾にもう一度、是非ご一読をお勧めします。

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登録日:2007年 05月 18日 19:41:57

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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