フットボールとミュージック(Ⅳ)

 まず、始めに日本チームを率いてロシアのソチで開催された“ARTFOOTBALL 2007”に参加していたため、同ブログが2週間の長期にわたって更新できませんでしたことをお詫び申し上げます。本日以降は、豊富な写真と共に興味深い大会のレポートを連日お届けいたしますので、ご期待ください。

 さて、ロシアの友人であるミュージシャンのユーリ・ダビドフの招待状ですが、実は日本フットボール協会(JFA)の広報部から私のところへ転送されてきたのであります。

 といいますのも、諸事情により私の以前の連絡先が全て変更されてしまっていて、ユーリは致し方なく協会に招待状を送らざるを得なかったのです。しかし、虫の知らせとでも言うのでしょうか、私がその何週間か前に協会の機関紙であるJFA NEWSの送付先変更のお願いを協会広報に送っていたため、無事招待状が手元に届いたというわけです。

 もし、私がその変更届を送っていなかったら、日本チームの“ARTFOOTBALL2007”への参加はなかったでしょうし、何よりも私の住所変更をしっかりと把握、管理され、私の手元にその招待状を転送してくださった協会広報部の方々に最大限の感謝を申し上げたいと思います。JFAの事務処理能力は素晴らしい!!

 ところで、招待状は3月7日付けで発送されており、この度“ARTFOOTBALL2007”を開催することになったので、日本チームを是非招待したい旨が記されていました。署名欄にはユーリ・ダビドフ氏と、ソチ2014冬季五輪招致委員会委員長のチェルニシェンコ氏、そしてロシア連邦共和国副首相であるジューコフ氏の名前とサインがありました。

 時間的な問題から、すぐさま返答をせねばならない状況だったのですが、これまた運よくロシアの友人で日本語の堪能なナターシャさんがモスクワより来日していたので、彼女に直接ユーリと話をしてもらい、その詳細を知ることが出来ました。

 そしてその内容ですが、大会概要は2001年のそれに準じるが、開催地はモスクワではなく、2014年の冬季五輪を招致しようとしている黒海沿岸のソチ市で、五輪招致委員会とロシア政府の支援が受けられるので間違いなく開催されるとのことでした。
特に日本は、前回ドタキャンがあったにも拘らず、その対応が寛大かつ紳士的であったので、是非とも参加して欲しいとのことでした。
また、アーティストで編成された選手20名を含む、30名の交通費、そして12日間に及ぶ滞在費、食費は全て主催者持ちで、試合とコンサートの売り上げは全て高額医療費の支払いに困窮しているロシアの子供達に寄付される旨も伝えられました。

 参加国は主催側のロシアを含む16カ国といいますから、選手団だけでも500人近くになる壮大なスケールの大会となります。正直に申し上げてその段階、つまり4月中旬の段階では私の気持ちは揺れていました。またドタキャンされるのではないのか、チームを編成する時に果たして2週間近くもノーギャラでスケジュールを割いてくださるアーティストが日本にいるのか等々、悲観的に考えれば不安材料はゴロゴロ転がっていました。

 しかし、招待状が届いた経緯や、ナターシャさんを通して伝えられたユーリの言葉を自分なりに吟味した結果、現在漂っている支流が大河に繋がる予感もあって、このプロジェクトをスタートさせることを決意しました。

 やらないのは簡単、放り投げることも簡単。でも、止めてしまえば、それっきりです。

 江戸時代の話で恐縮ですが、都に行ってみたいと願わなければ、決して江戸の町を拝むことはありません。また、例え大阪から江戸を目指して東海道を旅したとしても、箱根越えがきつくてその歩みを止めてしまえば、決して江戸の地を踏むことはありません。

 大事を成し遂げるには絶対に諦めない強い意志と勇気が必要なのだと自分に言い聞かせ、私は“Road to ARTFOOTBALL 2007”の第1歩を踏み出すことにしたのです。 

(明日へつづく)  

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登録日:2007年 07月 09日 17:51:34

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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