Road to ARTFOOTBALL 2007(Ⅱ)

川村カオリさんが、SORROWを引き連れてARTFOOTBALLへの参加を表明してくださったことは、涙がこぼれるほど嬉しいことでしたが、日本チームのチャリティー・コンサートを大成功に終わらせるには更なる協力者が必要でした。
実は川村さん以外にも、ひょっとしてこの方々ならばARTFOOTBALLに参加してくださるのではと私なりに期待できるグループがあったのです。
それは何を隠そう「電撃ネットワーク」の皆さんで、彼らはミュージシャンではありませんが、そのパフォーマンスがソチ市民の度肝を抜くであろうということだけは確信できました。そして何よりフットボールが大好きな面々であることと、海外公演を最も多くこなしている日本人エンターテイナーであることが心強かった次第です。
また、リーダー格の南部虎弾さんとは私が太田プロにお世話になっていた20年前からお付き合いがあり、驚くなかれ、当時南部さんはダチョウ倶楽部の一員として注目を浴び始めていたのです。
太田プロでは同期の誼みということで、以後何かにつけて南部さんにはお世話になっていたのですが、今回の件を思い切って南部さんに相談してみることにしました。
大会の主旨を伝え、参加のお願いをすると、嬉しいことに南部さんは「いいねー!ロシアいいねー!行きたいねー!!」と大乗り気。早速、所属事務所に掛け合ってくださり、話をまとめてくださいました。
電撃ネットワークのパフォーマンスといえば、日本はもとより海外で高い評価を受け、これまでにラスベガス、モントリオール、ニューヨーク、ソウル、シドニー、パース、メルボルン、アデレード、オークランド、香港、台湾、コペンハーゲン、エジンバラ、マヨルカ等々、世界各地で公演を行ってきました。
特にオーストラリアではTVコマーシャルに出演するほどの人気者となり、TOKYO
SHOCK BOYS(電撃ネットワークの海外での呼称)の名はオーストラリア全土に轟いています。
しかし、さすがの電撃ネットワークもロシアには足を踏み入れたことがなく、広大なロシアの大地で暴れてみたいという動機が彼らを突き動かしたようです。
また、フットボールに関しても南部さんはワールドカップをよく観戦なさっていますし、ギュウゾウさんは「THE ミイラ」のメンバーとして活躍してくださったこともあり、勿論フットボールを愛する心がありきで、ノーギャラの出演を快諾してくださったのでした。
川村カオリさんがジャンヌ・ダルクならば、電撃ネットワークの皆さんは差し詰めダルタニアンと三銃士といったところでしょうか。逆境の中、何とかARTFOOTBALLに参加し、大会を成功裏に導きたいと考えていた私にとっては、それはそれは逞しく、かつありがたい存在でありました。
これで川村カオリさんと電撃ネットワークの二枚看板が揃い、何とかコンサートは実現の目処が立ったのですが、あとは競技要員の確保です。
競技要員といっても純粋なミュージシャンでなければならず、しかも大会規則にはそれを証明するために、自身のDVDやCDを持参することとあります。
ただでさえ拘束期間が長い上に、この条件はかなり厳しかったのですが、泣き言は言っていられません。やるからには優勝を狙いたいし、またもあれやこれやと無い知恵を絞ることにしました。
幸いなことに長年「THE ミイラ」の庶務として活動してきたことや、フットボールコメンテーターとしてTVラジオ界と関わってきたことで、バリバリの芸能人でありながらフットボールもかなり出来る人材を知っており、片っ端からそれらの方々に声を掛けることにしました。
その呼掛けに意の一番で応えてくださったのが、マイケルとイゴールの二人でした。
マイケルはヴィッセル神戸、水戸ホーリーホック、サガン鳥栖を渡り歩いたバリバリの元Jリーガーですし、イゴールも横浜フリューゲルスのユース出身という実力の持ち主で、2人は“BLENDZ”というヒップホップバンドのメンバーとして活動しているので、条件的には申し分ありません。
しかも、彼らのリリースした“161k”という曲は、横浜ベイスターズのクルーンのテーマソングとして採用されており、まもなく発売される“BAY YO FANK”もかなりご機嫌なノリの曲です。
二人は、是非とも参加させて欲しいと二つ返事でOKをくださり、これまた大変にありがたかった次第です。
コンサート部門で2本の柱が立ってくださり、競技部門でも元Jリーガーでありながら今はバリバリのミュージシャンという人材を得て、ソチまでの暗く長いトンネルの出口から薄ぼんやりと光が洩れてくるのが見えた気がしました。 (つづく)
写真は、フットボールは大好きだし、ロシアの広大な大地で暴れてみたいという動機で参加を快諾してくださった電撃ネットワークの皆さん(左よりギュウゾウさん、南部虎弾さん、三五十五さん、ダンナ小柳さん)
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登録日:2007年 07月 11日 17:16:34
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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