オシム・ジャパン、豪州を下してベスト4進出!しかし、それでも雲散霧消せぬ私の憂鬱・・・

日本 PK戦を制して3大会連続の準決勝進出

【7月21日 AFP】サッカー、第14回アジアカップ(Asian Cup)・準々決勝、日本vsオーストラリア。
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(c)AFP

AFPBB News


 事実上の決勝戦とまで謳われたアジア杯準々決勝の大一番ですが、私は延長戦かPK戦の末に日本が敗退すると予想していました。しかし、幸い悪い予感は外れ、日本は見事に強敵豪州を下してベスト4へ進出! 選手、監督、スタッフの皆様に対しては、まずは御苦労様でしたとその労をねぎらい、勝利を祝福したいと思います。

 また、オシム監督が就任1年間で、監督によってチームが大きく左右されることを示してくださったのは良い傾向だとも思った次第です。

 しかし、一方で心からよくやったと最大級の賛辞を贈れない自分がいることも否定出来ません。

 それは多くのマスコミも指摘しているように、後半途中から相手に退場者が出て、圧倒的な支配率を確保していたにも拘らず、決勝点を挙げられなかったからです。

 その疑問(と言うより不満)に対して、オシム監督は試合後の記者会見で次のように答えています。

 「私達のフットボールが完成の域に達していないからだ。ハンドボールや水球では、退場者がいる間に点が入るが、フットボールはそうではない。フットボールは足でやるスポーツなので、それよりボール扱いが難しい。より正確なパスが出せるなら、もっと楽に勝てるのだが・・・。またフットボールはビリヤードと違って、狭いスペースにボールが上手く転がるわけでもない。

 それよりも、我々の内容が良かったことをもっと見て欲しい。いつも心がけているサイド攻撃は機能していた。もうひとつ言えば、オーストラリアに優秀なGKと4~5人のDFがいたことはこちらの責任ではない。それに疲れという要素もある。(中略)

 それにオーストラリアはキューエルが途中から入ってきたし、1対1で勝負できる選手もいた。個人的には、日本がこの試合でやったこと以上に一体何が出来たのか教えて欲しい。退場者が出る前も、出た後も、日本の方がいいプレーをしていたことは事実なのだから。ひょっとすると別の見方が出来るのかもしれないが・・・」

 私はこのコメントを読んで、オシム監督らしからぬ歯切れの悪いコメントだなあと感じました。

 まあ、冒頭の「私達のフットボールが完成の域に達していないから」という回答は簡潔明瞭であり、その通りなのだろうと思うので納得が出来ます。しかし、それ以降の件は良いフットボールが出来なかったことに対する言い訳にしか聞こえないのです。あのような酷暑の中で目指すべき理想のフットボールはどのようなものなのか、或いは完成の域に達したフットボールはどういうものなのかをもっと語っても良かったのではないでしょうか。

 なお、恐らく記者陣に対して発した言葉なのでしょうが、「個人的には、日本がこの試合でやったこと以上に一体何ができたのかを教えて欲しい。」というコメントに対しては、延長戦では両中村、遠藤の3選手のうち最低でも1人を水野選手か羽生選手に代えるべきだったと声を大にして申し上げたいと思います。

 なぜなら、個々の選手の活躍は別として、選手交代も含めた日本代表の戦術自体には胸打つものがなかったからです。

 確かに、相手のミスを逃さなかった高原の心憎いまでのゴール、中沢選手の気迫を全面に押し出したプレー、そして職人芸の極みとも言うべき川口のゴールキーピング等々、個々には感動するパフォーマンスが幾つもありました。しかし、繰り返しますが日本チームのとった戦術自体は臆病であり、決して誉められたものではありません。

 むしろ、不運なジャッジで退場者を出してしまったオーストラリアの戦術の方が、分かりやすいばかりでなく、ひたむきで共感を覚えた次第です。

 勿論、リーグ戦ではありませんし、あの暑さと湿気の中での戦いですから、無理、無謀な戦法を用いる必要性はないでしょう。しかし、一方で後のない決勝戦のつもりで臨んでいる試合でもあるのですから、行くべきところは行かないと取り返しのつかないことになりかねません。

 現に圧倒的に優勢だった試合をPK戦にまで持っていかれてしまったわけで、もしもそれで負けてしまったら、悔やんでも悔やみきれない試合となっていたに違いないのです。

 そう、もしPK戦で負けてしまっていたら、どうしてあの時にもっと相手に突っかかって行く選手を投入しなかったのか、膠着状態を打破すべくドリブルで切り裂いて得点機を生み出す元気な中盤の選手を投入しなかったのかと、私は地団駄を踏んで悔しがったでしょう。後味が悪過ぎてなかなか寝付けなかったとも思うのです。「サイド攻撃も結構だけど、あれだけ中を固められたら、たまにはアルゼンチンのようにドリブルによる中央突破があっても良かったのでは!?」と・・・。

 とにもかくにも、はっきりしたことがひとつあります。それは、今大会に於けるオシム監督の両中村選手と遠藤選手への信頼が絶大であるということであります。そして、ひょっとすると今大会に限らず、オシム監督の目指すフットボールにはこの3選手の同時起用が理想と考えている可能性があると言うことであります。そしてそのことは、最近のオシム采配に対する大いなる疑問でもあるのです。

 今大会に於けるオシム監督の中盤の構成に対し、私は非常に危機感を覚える次第ですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。断っておきますが、私はこの3選手が大好きです。リーグ戦では惚れ惚れするくらい良いミッドフィルダーだといつも感心しています。しかし、いくら彼らがアジア屈指のミッドフィルダーだからといっても、ブラジルのそれと比較されれば霞んで当然。しかし、そのブラジルでさえ、1982年ワールドカップのスペイン大会では、ファンタジスタを同時起用することの危うさを露呈したのです。

 その歴史的教訓をオシム監督が知らないはずがなく、現にオシム監督自身が1990年のワールドカップ・イタリア大会でユーゴスラビアの指揮を取った際に、身をもって示したことであったはずです。

 勿論、チームは生き物であり、同じチームなどどこにも存在しないわけですから、単純な比較は出来ません。しかし、今大会の中盤は、膠着状態に陥った際に必要なアクセントをつける攻撃、スピードに乗った攻撃、或いは相手をドリブルで切り裂く攻撃、そして何よりも労を惜しまぬスペースを生み出すランニングプレーに於いて明らかに難があります。

 オシム・ジャパンの目指す日本人の特徴を活かしたフットボールは、やはりボールのみならず、人も動くフットボール、もっと言うと人が献身的に動くフットボールでなくてはならないはずです! 状況によってはリスクを犯してでも攻撃的スタイルを貫かねばならないはずです!! 見ていて感動を覚えるフットボールでなくてはならないはずです!!!オシム時代のジェフ市原のように!少なくとも、私はそう考えます。

 決勝戦までの残り2試合(1試合だけかもしれませんが・・・)で、それらの疑問点に関するオシム監督の考え方がもう少し分かるようになると良いのですが、果たしてどうなることやら。私の憂鬱は当分消えそうにありません。

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登録日:2007年 07月 23日 17:42:33

コメント

オーストラリア戦は本当にやきもきさせられました。

PKになった瞬間、小谷さんの嫌な予感が的中だと思ったものです。

あの選手交代策に関しては疑問大ですよね。

後半途中までは前回私がこのコラムに書かせていただいた『ポジティブ案』
通りに展開して、よしここからスピードのある選手の投入だ!と内心ほくそ笑んでいた
ところ、待てど暮らせどカードを切らないのですから。

どう考えてもへばりきっている相手DFにとって延長戦で一度見せた佐藤選手の
縦への突破のようなプレーはたまらなく嫌だったはずです。

もしこの試合に負けていれば、ベンチワークの
ミスと言われても仕方のないものだと思います。
もちろん、我々の知らない何らかの出来事が起きていて、カードを切りたくても
切れなかった可能性もありますが・・・

ただ攻撃面に関しては不満が残るものの、両センターバックが相手の
高さを封じ込めていたこと、鈴木選手の献身的なカバーリング、数人で囲んでボールを
奪いに行くタイミングなど組織的なディフェンスという面では、非常に評価できるものであ
ったと思います。

小谷さんは絶望したようですが、私は

『今回の布陣にはこういう意図があったんだよ、でも本当にやりたいのはこうなんだ』

というオシム監督の大会終了後のコメントを期待しつつ、残る2戦を応援したいと
思います

クライフターン @ 2007年 07月 23日 19:05:08

クライフターンさん

いえいえ、決して絶望はしていません。ただ、中盤の起用法と選手交代の意図がどうしても読めないのです! アジア杯までのオシム監督の戦術、采配については合点ガいっていただけに、 消化不良とデモ申しましょうか、気分が晴れないのです。憂鬱なのです。

まあ、取り敢えず次ぎのサウジ戦を貴殿共々に見守ることにいたしましょう。

今回もコメントを有難うございました!

小谷泰介 @ 2007年 07月 23日 19:35:13

オーストラリア戦はビドゥカを代表とする攻撃陣を完全に封じ込め、
交代に追いやったディフェンスの阿部、中澤の好プレーが印象的でした。

確かに、引いて大勢で守っている相手になかなか切り込めない中盤のパスまわしには
うんざりで、ロングシュートかドリブル突破で攻めて欲しかった。
駒野もおもいきりのいいロングシュートはいいんだけど、枠にいれてほしい。
パス回しも少し距離が長くなると、不正確で敵に取られたり、受けての足元からかなりずれてたりで、つい、へたくそ!と怒鳴りたくなる。

遠藤も阿部や中沢の頭とかに正確にあててほしい。そして、フリーキックは阿部に蹴って欲しいのです。

ももこ @ 2007年 07月 24日 00:52:12

まずオーストラリア戦ですが、4試合とも同じ傾向でしたが、よりオシムの意図が鮮明になったと思います。クライフターンさんの言うとおり省エネサッカーだったようです。私の意見は的はずれだったようです。
その上で、私は羽生選手や水野選手を入れなかったからこそ勝てたと思っています。
オシムのサッカー(日本のサッカー)の欠点はリスクを冒すところにあります。
日本代表の負けた試合を思い出してみてください。内容が良くても点を入れられて負けた試合が多いと思います。これはリスクを冒さなければならない日本代表の宿命だと思います。
さらにオシムの最近のコメントをみると勝利や優勝に一番こだわっているのは選手やマスコミではなくオシム自身だと思っています。こだわっていなければあのようなコメントはしないと思います。
つまり、オシムは確実に勝つために、勝つサッカーではなく負けないサッカー、低リスクサッカーをやったということです。これは両中村、遠藤がいたからできたことです。
そしてこのバランスを崩して羽生選手や水野選手を入れた時は勝つ可能性は高くなりますが、負ける可能性も高くなると思います。バランスを崩さず選手交代をするには佐藤選手しかなかったと思います。
オシムは低リスクサッカーとPK戦の準備をすることにより、負ける確立を極限まで下げました。サッカーファンとしては不満もあると思いますが、低リスクサッカーによってオーストラリアより多くのチャンスをつくったのも事実ですし、いつ点が入ってもおかしくなかったと思います。

この低リスクサッカーはおそらくオシム自身やりたくないサッカーだったのではないかと思います。オシムが今までやっていたサッカーとは違うからです。
しかし、オシムが監督をしてから1年しかたっていないこともあり、おそらく描いている日本代表と大きく違っていることもあり、勝つためにはしかたがなかったのではないかと思います。


多忙なため続きはまたこの次に書きたいと思います。

はるるの夫 @ 2007年 07月 24日 05:50:07

ももこさん

コメントをありがとうございました。
延長戦は本当にイライラしましたね。U-20の梅崎選手のようなドリブルで切り裂いてからのシュート、或いはドリブルで相手を引き付けておいてからのラストパスといったプレーをもっと試みて欲しかったと思います。


はるるの夫さん

コメントをありがとうございました。

羽生選手や水野選手を入れなかったからこそ勝てたとおっしゃいますが、試合は引き分けに終わっています。たまたまPKで勝てただけに過ぎません。オシム自身が言っているようにPK戦は運に大きく作用されるものです。(運も実力のうちではありますが・・・。)

とにかく、ベトナム戦のようにあそこで素早いパス回しから正確なピンポイントパスをいれて、誰かが決勝点でも入れていれば、私も文句は言いません。

オーストラリアのような強敵に対して、あのフットボールでは決して勝ちきれないのです。また、貴殿のおっしゃるように今がまだ準備段階であるのなら、なおさら目指すフットボールを追求するのが良い監督なのではないでしょうか。延長戦で羽生や水野を投入して負けたとしても、私はオシム監督を非難致しません。

UAEやカタール戦で日本が苦しみ、失点に繋がったプレーは、強引とも言える中央突破、つまりドリブルから生まれています。高温多湿でピッチの状態が良くないからこそ、
特に終盤にドリブルで突っかけるプレーが有効なのです。攻撃に於いては相手の嫌がるプレーをするのが鉄則です。

いかなる理由があるにせよ、臆病なフットボールをするオシム監督など、見たくもありません。

とはいうものの、今はああだこうだと結論付ける時期でもないし、オシムの真意を知っている人は彼以外にはいないような気もしますので、取り敢えず見守るしかないのだと思います。

小谷泰介 @ 2007年 07月 24日 11:00:22

U-20の試合は積極的ですがすがしく、すばらしい試合だったと思います。小谷さんはこのような次につながる試合を望んだのでしょう。微妙な判定でしたが、負けは負けです。そしてオシムはそのような試合を拒否したのです。あくまでも勝ち残ることを選択したのです。これは正しいとか間違っているという問題ではないと思います。
PK戦は確かに運ですが、オシムはおそらくメンタル面に於いてPK戦に最大の準備をしたと思います。また有力なキーパーやキッカーを交代させないなどPK戦を意識した交代だったと思います。ここまでやっても100%運でしょうか?

オシムジャパンはまだ準備段階です。その段階で結果を第一にオシムが求めているためこのような矛盾が生まれるのです。おっしゃるとうり、オシムの賭けを見守るしかないと思います。

はるるの夫 @ 2007年 07月 24日 13:16:06

はじめまして。

>今大会に於けるオシム監督の両中村選手と遠藤選手への信頼が絶大であるということであります。

おそらくですがオシムは、日本の武器は俊輔だとわかってるんだと思います。
試合が決まらないまで俊輔を外さないのはそれが理由です。
日本のことを知ってるからこその選択ですね。
これもおそらくだけど仕方なく俊輔を使わざるおえない
状況なんだと思います。
自分はそれを容認しています。おそらく世界相手に
得点できるのは俊輔だけだと思ってるから。(今までも難しい試合は全部
俊輔が決めてきたし)

BB @ 2007年 07月 24日 23:41:32

BBさんのおっしゃる通り、俊輔選手が日本やアジアレベルでは一歩抜きん出た
存在であるということは誰もが認めるところだと思います。
今回はあまりコンディションが良さそうには見えませんが、それを差し引いても
中盤の核は俊輔選手でしょう。

ただ問題なのは同タイプのプレイヤーが同時に3名もスタメンに出ている事と、
例え中核を担う選手でも、疲労の色が濃い場合やフィットしていない時には変えて
欲しいという事です。

実際にオーストラリアは絶対的な核であるビドゥガを軸としたプレースタイルで
これまで戦ってきたにも関わらず、日本戦では両センターバックに仕事をさせて
もらえなかった事から、後半途中で彼を交代させています。
そしてサイド攻撃主体という違った戦術にシフトチェンジしたのです。
結果的にそれが功を奏したとはいえないかもしれませんが、
時にはそういう決断も必要なのではないでしょうか?

延長戦では疲労度の濃いテクニックのある選手よりも技術は劣っても
フレッシュでスピードある選手の方が同じく疲労度の濃い相手DFには効果的だった
のではないかと思うのです。

俊輔選手も後のコメントで延長戦の時に足がつっていたことを告白していますしね。

前任のジーコ監督はドイツ大会前に俊輔選手を呼び、
「何があってもお前を使うから」というようなニュアンスの言葉をかけたと聞いていますが

個人的にはオシム監督がこのような事を考えるタイプの監督ではないと
思いたいですね。

毎回の事ですが、あくまで個人的な意見ですので感じ方の違う方もたくさん
いらっしゃると思います。気分を害してしまった方がいたら本当にゴメンナサイです。
でもそれがこの競技のおもしろいところですよね!

一読者の私が言うのも差し出がましいのですが、よそでは他人を傷つけるような
心無いコメントを多く見かけます。このコラムはそうならないように
出来るだけ熱く、そして冷静に活発な議論をしたいものです。

厳しい目を持つサポーターが増える事がその国の歴史を作っていくといっても過言では
ないのですから!

クライフターン @ 2007年 07月 25日 09:42:43

はるるの夫さん、いつもメッセージをありがとうございます。試合をご覧になるたびにご自身なりの解釈を見つけ出せる貴殿を羨ましく思います。私は監督がオシム氏だけに、きっと何か裏があるに違いないと思ってしまい、アジア杯期間中はスッキリしない日々が続いています。

BBさん、コメントありがとうございます。中村俊輔選手がオシム・ジャパンの軸であることは間違いありませんね。その他にも、前線では高原選手、守備では中澤選手、そして川口選手ははずせない選手でしょう。しかし、中盤の構成についてだけはクライフターンさんのご意見に賛同致します。

クライフターンさん、いつもコメントをありがとうございます。今回のコメントは私の想いを完璧に代弁してくださっており、感服しております。ありがとうございました!

小谷泰介 @ 2007年 07月 25日 10:38:09

小谷さんがいう日本の戦術にあまり共感を得られなかったというのは、どういうことでしょうか?

僕は全体を通しての、攻撃面でボールホルダーに対してオーバーラップを繰り返し、サイドアタックを試みようとしたこと、守備面でビドゥカをサンドイッチしてボールを奪取することに対してある程度の充実感を覚えています。高原の同点ゴール後も、あと20分あれば、中盤を完全に制してるこの流れであと1点は取れると僕は考えました。もちろんグレラの退場で試合はまた違う局面を迎えるわけですが…。

試合後半の交代のカードを切るのが遅いという意見はまさに意見が分かれるところですね。豪のようにベンチのメンバーが豊富なわけじゃないという人もいれば、フレッシュな選手をもっと早くという考え方もあって、私自身なかなか良い答えがでないままです。

志が低いようですが、アロイージの先制点が入った直後にすら、
私は「たとえこのまま負けたとしても、日本のフットボールに誇りを持っていい」
と自分に思わせるくらい、日本のやってる戦術はおおまか歓迎できるものでした。
しかし残念ながらパススピードの遅さ、キックの正確性を含む、個人の力で試合の結果を決めてしまうような世界のトップクラスに日本が達してないことも痛感しました。

もちろんオーストラリアの選手・協会・メディアに国民が持つモチベーションということについていえば、今大会のモチベーションは06年の本大会とは比べられないほど低いものを感じますので、これで満足ということはもちろんありません。

小谷さんとの意見の相違は、小谷さんが僕が思う以上に水野選手と羽生選手をとても評価しているということにあるのかもしれませんが…。

k @ 2007年 07月 25日 11:38:47

kさん

長文のコメントをありがとうございます。

貴殿のコメントを読む限り、私の意見と貴殿のそれは大きく違わないと考えます。

但し、私の場合は両中村選手と、遠藤選手の3人を同時に使うことに疑問を抱いていて、貴殿はそう思っていらっしゃらないところが違うのかも知れません。

この3選手は次元の高低はさておき、チーム内でファンタジスタと呼ばれる存在であります。卓越した個人技と状況判断でキラーパスを連発できる選手で、守備よりは攻撃で輝く選手です。クライフターンさんも指摘してくださっているように、同タイプ(大別して)の選手を3人も並べてしまうオシム采配に対して単純に疑問があるのです。

一方で、オシム監督が今大会の気候条件等を鑑み、中盤にクオリティー・プレイヤーを並べることでパスの質を高め、なおかつポゼッションを上げようとしているのなら、つまり、人はさて置きボールを動かすことで優位性を保つ戦術を選択しているとしたら、それはそれで納得できます。アジア杯仕様案ですね。

しかし、オーストラリア戦のような状況で、後半といわず延長に入っても、あの3選手を使い続けたことは別問題と考えます。後のないトーナメントなのだし、一言で言えばあそこは行くべきだろうということです。

別に水野選手や羽生選手を高く評価しているわけではなく、持駒の中では両選手のようなタイプをせめて延長戦の後半で一人くらい使っても良いでしょうということであります。

つまり、水野選手であれば卓越したスピードで相手を置き去りにできますし、シュート力やクロスパスの制度も低くない、そして羽生選手であれば疲れを知らぬランニングで相手を引き付け、スペースを生み出すことが出来るので、あの膠着状態を打破する切り札に成り得たと考えるのです。

例えば、中村憲剛選手に代えて水野選手を延長戦の後半に投入したとすると、オーストラリアにとっては実に厄介な奴が出てきたなあと感じると思うのです。ヴィドゥカ選手に代わってキューウェル選手が出てきたように・・・。また、そのことが原因でオーストラリアにカウンターでやられてしまうリスクが高くなるとは思えませんでした。

日本人の特性を考えた時に、また、3年後に世界をアッと言わせるにはあそこでチャレンジして欲しかったのです。

オシム氏が、いくら川口選手がいるからといってもPK戦を望んでいたとは思いませんでしたし、勝てる自信があったとも到底思えないので尚更であります。

もし、PK戦で負けていたらフットボール先進国のメディアならば間違いなく私が指摘している点を一世に非難するだろうと確信が持てます。

まあ、あくまでもこれは私の私見でありますし、まだオシム監督がどのように考えてあのような采配をしているのか摑めていないので、何度も申し上げているように見守るしかないというのが今の私の落しどころであります。

昨日の記者会見では,オシム監督も何やら選手起用について語り始めていますので、今日のサウジ戦以降が楽しみです。

あと、もう一点。皆様の御指摘通り、今はまだチーム作りの途中であることも忘れてはならないでしょう。

いずれにしても、オシム監督にはなるほどそうだったのねと、遅くとも3年後には分から
せて欲しいと切望する次第です。

小谷泰介 @ 2007年 07月 25日 14:48:38

お返事ありがとうございます。
答えてくださった内容にagreeです。スジが通ってて明快です。

k @ 2007年 07月 25日 19:58:21

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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