日本、韓国にも敗れて4位に終わる!しかし、私は改めてオシム監督を支持します!!
【7月29日 AFP】サッカー、第14回アジアカップ(Asian Cup)・3位決定戦、韓国vs日本。
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(c)AFP
オーストラリア戦の後半戦と延長戦のビデを見ているような錯覚に陥ったアジア杯の3位決定戦でした。
キープ力とパスワークで勝っている上に、韓国が10人ともなれば、当然のことながらポゼッションでは圧倒しますし、惜しいチャンスも何度か演出できます。しかし、なかなか得点に結びつかないのが今の日本代表です。
「そこで打てよ!」「何で回すんだよ!」「もっと突っかけろよ!」「(クロスの精度の悪さに)へったくそ!!」と、何回言葉を吐き捨て、ぼやいたことでしょう。本当にイライラするアジア杯での日本代表の一連のパフォーマンスでした。
しかし、よく考えるとあの環境と条件の中でクロスやシュートの制度が高くなり、もう少しパスの判断とスピードが上がってドリブルで敵陣に切り込む機会が増えれば、日本はアジアどころか間違いなく世界の強豪の仲間入りが出来てしまいませんか?
そう、オシム・ジャパンが誕生してまだ1年であることを考えがあれば、今回の成績や、あのもどかしさ、そして歯がゆさには多少目をつぶらなければならないのかも知れません。
かつてのアジア杯で、日本代表が対戦したどのチームにも同じスタイルで臨み、全て相手を圧倒した大会などあったでしょうか!? UAEにも、サウジにも、韓国にも、そして最強と目されたオーストラリアにも、高いポゼッションを維持しながらあと1歩の所まで追い詰めたわけですから、これは大進歩とも考えても良いのではないでしょうか?
ボクシングで言えば手数で相手を圧倒し、再三ロープ際まで追い詰めながらKOできなかった試合といった感じです。そしてサウジ戦はそんな中、最終回にラッキーパンチを食らってまさかのダウンを奪われて判定負けを喫した試合。韓国戦は明らかに勝っているのに疑惑の判定で負けてしまった試合とは考えられないでしょうか。
オシム監督は1人の若手ボクサーにフットワーク、ジャブ、そして様々なパンチのコンビネーションを教え込んで、僅か1年間でどんな相手にも手数とフットワークでは負けないボクサーファイター・タイプの選手に育て上げたのです。あとその選手に必要なものなのは、パンチの正確性とパンチ力だけです! 勿論、その二つを習得するのは容易なことでないことは百も承知ですが、世界タイトルマッチまでにはまだ3年もあります。
良いボクシングをするための基本は身に付いたので、あと3年間で良い準備をしながら経験を積み、苦手とするパンチの正確性とパンチ力の強化に努める・・・。
今の私には、こんな名伯楽の世界タイトル奪取への強化プランとオシム監督の日本代表強化プランが、ダブって見えるのです。
オシム監督も「興味のある方は、日本がアジア王者になった時の映像と比べてみてください。どちらの日本代表が良いフットボールをしたのかを。スコアではなく、内容を見てください。」と記者会見で語っています。
確かに、ジーコ監督の時は出たとこ勝負ではありませんが、これといったスタイルは確立されておらず、チェコを相手に素晴らしい試合をしたかと思えば、シンガポールを相手に不甲斐ない試合をしたりで、出来不出来にムラがありました。また、W杯直前でもドイツ相手に互角の戦いをしたかと思えば、次の弱小マルタ戦では情けない試合をしています。
オシム氏は「私の目指す方向性が間違っているとは思わない。」と発言しているし、中村俊輔選手も「ある程度チームの形はできた。また、課題も見えた。どんどん前に進んでいると思う。代表のチーム作りは難しいので、この大会である程度形が出来たことは良かった。」と述べています。そして私も、皆様が寄せてくださったコメントのおかげもあって、今はそうなのだろうと思えるようになりました。
オシム氏の考えが手に取るように分かるわけではありませんが、大会開幕直後の疑問はかなり晴れてきました。今しばらく見守らないと確信とまでは行きませんが、はっきりと言うことが出来ます。「アジア杯が終わった今、改めてオシム監督を支持します!」と。
コメント[9], トラックバック[0]
登録日:2007年 07月 30日 19:59:40
コメント
オシムが目指している日本のサッカーが出来るようになれば世界と互角に戦えるようになれると私も思います。
しかしこの大会で表面化した問題も考えなければいけないと思います。
まず精神的なもろさがあります。これはオシムというより、日本人選手の問題ですが、世界と戦うためには修正しないといけない問題です。
それからオシムは頑固だということです。良い面と悪い面の両方ありますが、少なくとも3位決定戦は柔軟なサッカーができたと思います。
そしてオシムは強運の持ち主ではないということです。これはもうどうしようもないことですが、たとえば、ジーコやトルシエの時にはアジアカップの前に2試合の親善試合が組めましたが、今回はゼロです。こういうところで、オシムの運のなさを補える体制を日本協会もつくらなければならないと思います。
勝手なことばかり書かせていただきありがとうございました。
はるるの夫 @ 2007年 07月 31日 05:57:49
今大会は結局勝ちに行ったのか内容重視なのかがあいまいだったのが
印象的です。
少なくともサウジ・韓国戦に関しては何としてでも勝つという布陣ではなかったようです。
特にサウジ戦では脅威の2トップに対して4バックをしいたこと、これは結果論ながら
采配ミスと言えるのではないでしょうか?スタイルを貫いて勝つという考え方だったの
でしょうが、それにしても途中で3バックに変更するなり、何らかの対応が欲しかった
ところです。
決定力不足については、日本の長年の課題ですが、高原という、恐らく釜本選手
以来ではないかと思える決定力のあるFWの出現(※)で以前に比べれば「マシ」になった
気がします。
※今大会で高原選手が決めた個人能力に依存したゴールがなければと考えると
ぞっとしますよね。
世界中を見渡しても一部の強豪国を除いてストライカー不足には悩まされていますから、その問題に関してはそれほど上積みを期待できないでしょう。
ひとつ手があるとすればサウジの9番を帰化させることでしょうか(笑)
それから小谷さんもおっしゃっていたクロスの精度、これは特に両サイドバックの出来が
今回は悪かったですよね。加地選手などはジーコ時代にはすごく良かっただけに
何で??という感じです。
この問題に関しては新しい選手の出現や現選手の上積みで非常に伸びシロのある
部分だと思いますので、これによる得点力アップは期待できると思います。
あと、はるるの夫さんがおっしゃる気持ちの部分、昔で言えばドゥンガ選手や柱谷哲選手
のような闘将タイプの選手がメンバーに加われば別ですが、これも一朝一夕でどうこうなるものではないでしょう。
野球で言えば星野氏がメンタルコントロールの上手な方なので、オシム氏がどれだけ
そのような手法で選手のメンタルをコントロールが出来るかにかかってきます。
羽生選手が試合後に言ったコメント「正直(PKを)けりたくなかった・・・」
さすがにこれは聞きたくなかったですね。よっぽどパニクっていたのでしょうが、
これを公の場でコメントしてしまえば、監督はこの選手を次から呼べるでしょうか?
と、今回は少々厳しいコメントをさせていただきましたが、基本的には私もオシム氏の
スタイルに同意しているうちのひとりです。
引き続きこのブログを楽しみにしています!
クライフターン @ 2007年 07月 31日 12:26:16
クライフターンさん
いつも貴重なご意見をありがとうございます。
貴殿の発想や分析が、私のそれと非常に近いなあといつも思っています。
貴殿は何歳で、どのような選手歴と観戦歴をお持ちなのでしょうか?興味があります。
小谷泰介 @ 2007年 07月 31日 12:43:31
こちらこそ、いつも小谷さんの意見には共感できることが多い上にプロの
論理的な表現力を堪能させていただいています!
いつも偉そうなことを言っていますが、私は32歳の若僧です(笑)
釜本選手について述べていたので年齢が気になったのではないかと
思いますが、あくまで聞いた話レベルです。スミマセン・・・
競技歴も威張って言えるほどのキャリアもなければ、現在は
オシム監督の掲げる走るサッカーとははるかに縁遠いレベルで草サッカーを
やっている程度です。
ただ、商売柄戦略分析が好きなんです。
というよりこんなに簡単なルールかつ点数の入らないスポーツ
(単純に試合展開だけを見るだけならラグビーの方がスリリングで楽しいと思っています・・・)
なのでさまざまな角度から見ることで面白さを見出そうとしたのかもしれません。
だから、色々な方の意見が聞けるこういった場が楽しいんでしょうね!
今になって後悔するのは、現在の知識で現役時代に「考えるプレー」を実行していれば
スーパースターになれたんじゃないか??という事です(笑)
クライフターン @ 2007年 07月 31日 14:51:06
クライフターンさん
商売柄戦略分析が好きということですが、どのようなお仕事なのでしょうか?教えていただければ幸いです。
あとは勿論、クライフがお好きなのでしょうね!
小谷泰介 @ 2007年 07月 31日 17:50:26
あ、すみません なにか経営コンサルタントや大きな企業の経営でもやっているように
聞こえたかもしれませんが、
零細規模のサービス業を運営している都合で色々と作戦を練るのが好きだって
いう意味なのです。
参考までにURLを載せておきます。
あまり晒すのもどうかと思うので、小谷さんが御覧になったらコメントごと
消去していただくと助かります。
ただ、隣の芝生が青く見えているだけかもしれませんが、昔からスポーツが好きなので
小谷さんのようなご職業には本当に憧れます。
実際に、今やりたい職業No1はオシム監督のインタビュー係ですね(笑)
それからクライフ、もちろん大好きです!
数年前から日本代表の監督人事の話題になると
彼の就任に淡い期待をいだいています・・
以前のコラムで拝見しましたが、小谷さんはお会いになったことが
あるんですよね。
うらやましい限りです!
毎回、ご丁寧に返答いただきありがとうございます。
クライフターン @ 2007年 08月 01日 18:18:02
小谷さん初めまして。
急ですがアジア杯は4位という残念な結果に終わってしまいました。せめて韓国戦には絶対に勝ってほしいと思っていたんですが、残念ながらそれも叶いませんでした。
それを受けて周りの声も相当厳しくなったようで、辛口評論家で有名なセルジオさんは「オシム監督を更迭すべき」と自身の日刊スポーツ紙のコラムで述べていました。
確かに結果的にはアジア杯優勝はならずコンフェデ杯出場権を失い、さらには次回のアジア杯シード権を失うという散々な結果に終わったと思います。
でもまだオシム日本代表が誕生して一年しか経っていません。トルシエとジーコは優勝を成し遂げましたが、それは二年経ってからということも忘れてはいけないと思います。それに加え二人の場合はアジア杯への準備期間がありましたが、オシムの場合はJリーグの日程がアジア杯開幕のギリギリまであり、ろくに準備ができなかったことも考慮する必要があると思います。
確かに勝負の世界において結果は一番大事な物です。しかしだからと言って結果論だけにとらわれるのは正直どんなんでしょうか?今回のアジア杯の結果をうけオシム監督更迭の声が多くなってしまったと思っています。
小谷さんはこのような報道がなされていてどう思いますか?ぜひ小谷さんの意見を聞かせてもらえれば幸いです。
ボン @ 2007年 08月 02日 00:39:29
クライフターンさん
規模の大小にかかわらず、企業を運営することは大変なことですし、誰にでも務まるものではないと思います。貴殿のような方なら、人生の目標を明確に掲げて努力なさればきっと大成なさると思います。がんばってください!
クライフとの出会いについては昨年12月だったと思いますが、バルサ来日記念特集と題したブログに詳しく出ていますのでアーカイブで是非ご一読ください。クライフと一緒に試合ができたことは一生の思い出です。
ボンさん
はじめまして!コメントをありがとうございます。
私は日本のジャーナリズムをあまり信用していませんので意に介さないようにしています。なお、セルジオさんの一連のオシム批判には閉口してしまいます。日本がブラジルならば、彼の言っていることはただしいですが、日本は僅か8年前にW杯に初出場した発展途上国であることをわかっていないと思います。
セルジオさんは尊敬に値するフットボールピープルですが、オシム批判に関してだけは、まったく支持できません。無責任だと思います。
小谷泰介 @ 2007年 08月 02日 13:14:20
小谷さんお返事ありがとうございます。
小谷さんの意見とても参考になりました。確かにオシム監督や選手達の立場は厳しい状況かもしれませんが、この逆風をなんとか跳ね返してほしいですね。
どうもありがとうございました。
ボン @ 2007年 08月 02日 22:21:10
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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