オシム・ジャパンは強敵カメルーンを破るも、五輪代表は格下ベトナムに辛勝!

日本代表 五輪最終予選の初戦に勝利

【8月23日 AFP】サッカー北京五輪アジア最終予選・グループC、日本vsベトナム。
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 緊張感と閉塞感の強かったアジアカップ観戦とは打って変わって、実に気楽にテレビに向かえた日本対カメルーンの国際親善試合でした。結果もFIFAランキング16位の強豪カメルーン相手にホームとはいえ2対0の完封劇を演じ、めでたし、めでたし!

 しかし、この日はFIFAカレンダーに則って世界中で国際親善試合が行われたのですが、イタリアがハンガリーに、アルゼンチンがノルウェーにそしてオランダがスイスにそれぞれ敗れており、カメルーンの敗退もone of them に過ぎず、この時期に強豪を破ったからといって、過大評価は禁物なのであります。

 欧州各国のシーズンはスタートしたばかりで、コンディションが整っておらず、モチベーションも高くないので、勝った負けたと一喜一憂する時期ではないのです。

 しかし、収穫もありました。前田、田中達也、大久保の攻撃陣の動きが前半特に良かったこと。闘莉王と中沢が守備面で抜群の存在感を示し、攻撃面でも得意のヘッドで先取点を奪ったこと。後半、バランスを崩してカメルーンの猛攻を受けるも何とか凌ぎ、逆に数少ないチャンスから、山瀬が豪快なミドルシュートを叩き込んだこと等々、アジアカップで課題となっていた幾つかの点に改善の兆しが見えたのが、何よりでした。

 ケーキ作りに例えると土台のスポンジ作が終わり、これからクリームやフルーツを仕込んでデコレーションの段階に入っていくわけですが、実に楽しみであります。オーストリア遠征などは、オシム御大のお手並み拝見といったところであります。

 一方で、北京五輪のアジア最終予選ですが、こちらは格下相手にホームで1対0の辛勝と元気がありません。反町監督が試合前に「ピチピチとしたフットボールをお見せします」と公約しましたが、ピチピチ、活き活きとは程遠い内容だったと思います。

 疑問に思うのは、リーグで低迷しているFC東京の選手を攻撃の要所に起用している点であります。FC東京のふたりは良い選手ですが、梶山選手が今リーグで光っているかといえば、全くそうではありませんし、平山選手にいたっては、レギュラーすら獲得できていません。案の定、ベトナム戦で二人が輝くことはありませんでした。オシム監督がJリーグで活躍している選手を、タイミングよろしくピンポイントで起用してくるのとは大きな違いだと思います。

 あと、一番気になっているのが、反町監督の監督自身のことであります。
実は私、反町氏を現役の時代から、尊敬申し上げています。清水東高で本格的にフットボールに取り組みながら、特待制度や推薦制度を利用することなく一浪をなさって見事慶応大に入学。卒業後は、全日空に入社されて日本リーグで活躍し、プロ化の波が押し寄せても、プロ契約はせずに暫くはサラリーマンを貫くなど、常に自分の信念に基づいて行動なさる人というイメージがあります。

 結局、最後は全日空を退社され、ベルマーレ平塚でプロ選手となり、33歳まで現役を続けられましたが、インテリジェンス溢れるいぶし銀のプレーは見応え充分でした。

 引退後は、スペインに留学なさるなど積極的にコーチングを学ばれますが、圧巻はその解説振りであります。理路整然と実に分かりやすく話をなさる方で、チョークボードを使っての解説などは惚れ惚れとしてしまいます。

 その後、アルビレックス新潟の監督として頭角を現し、同クラブの今日の礎を築いて勇退。満を持して五輪監督に就任なさったのですが、どうも最近のソリさんはどこかおかしいと私は感じてしまうのです。気のせいだと嬉しいのですが、表情が硬く、喜怒哀楽が全く感じられないのです。あのオシム氏ですら時折見せる笑顔や、お茶目な上目遣いが反町監督にはありません。そう、ここ何年か彼が破顔一笑なさるのを見たことがないのです。

 96年のアトランタ五輪以来、3大会連続で五輪に出場していることが重圧となっているのか、はたまた他に思い悩むことがあるのか知る由もありませんが、何か無表情な、顔のこわばった反町監督の姿が五輪代表のパフォーマンスに投影されているような気がして仕方がありません。

 但し、これは私自身の全く個人的な印象というより、第六感なので、賛同していただきたいなどと思いませんし、気のせいであって欲しいと思うのですが、妙に気になっていることだけは確かです。

 しかし、見方を変えれば、ガチガチに守ってセットプレーかカウンター狙い一辺倒の格下相手にきっちりと勝って、取り敢えずグループの首位にたったのですから、順調な滑り出しをしたといえるわけです。

 アウェーで出来るだけ勝ち点を拾い、ホームではきっちり勝って、何とか予選を突破してもらいたいと心から願う次第です。そして、私の心配事が杞憂に終わりますことも併せて祈りたいと思います。

コメント[6], トラックバック[0]
登録日:2007年 08月 24日 15:37:47

コメント

小谷さん久しぶりに書き込みます。

僕も試合を見ていたんですが、A代表は闘莉王の存在が際立っていたと思いますよ。
まさかいきなりゴールを決めるとわ思っていませんでしたし、中澤とのコンビも安心して見ていられました。今思うとなぜジーコは、同じブラジル人である闘莉王を一度も招集しようとしなかったのか理解に苦しみます。
しかしあえて厳しいことを言わせてもらえば、最後の場面でエトーと競った際にファールを取られ、激怒した際にボールを蹴ってイエローをもらってしまったこと、あれはいただけませんでした。気持ちはわからないでもないですが、今度からは気をつけてほしいです。それでも彼が今後の代表に必要な選手であることは間違いありません。


あと五輪の試合で、小谷さんも触れていましたが僕も少し反町さんの選手選考に疑問を感じてしまいます。特に疑問に思うのが、なぜ川崎フロンターレの谷口選手がメンバー入りをしないのかと言うことです。
彼は182cmと背丈が高く、強靭なフィジカルを持つボランチです。また彼は強烈なミドルシュートも蹴ることもできますし、五輪代表に置いても攻守の活躍が大いに期待できる選手だと思っています。
果たして反町さんはもしこのまま最終予選を突破できたとしても、いまのままのメンバーで北京の本大会に挑むのでしょうか?
Jリーグを見ても梅崎選手や森島選手などいい選手はいます。反町さんには決してジーコのような心中メンバー選考をしないでほしいと思っています。

ボン @ 2007年 08月 25日 18:42:16

ボンさん

いつもコメントをありがとうございます。

全く同感です。反町監督は悪く言えば、思い込みの激しいところがあるような気が致します。また、恐らく自分の嫌いなタイプ(恐らく性格や立ち振る舞いのこと)は、使わない指揮官なのでしょう。心配です・・・。

小谷泰介 @ 2007年 08月 27日 10:16:35

小谷さん、こんにちは。
仙太郎です。

反町監督が厳しい表情なのはやはり、プレッシャーだと思います。
アトランタ以降、連続して出場しているオリンピックに出られないかもしれない重圧は、大きいと思います。
しかも、この予選は組み分けがかなり厳しいです。
サウジとカタールは、この予選方式になってからは一番厳しい相手だと思います。

Jリーグの試合は負けても来年がありますが、この選手でのオリンピックは今回限りです。
反町監督を個人的に存じ上げているわけではないのですが、言動を見ていると、とてもまじめな方だなと思います。
そのまじめさが本人を追い込んでいるような気がしてなりません。

でも、こういう大きなプレッシャーの中でこそ監督も選手も大きく成長できるチャンスです。
反町監督が重圧を克服して、結果を出してくれることを願ってやみません。

仙太郎 @ 2007年 08月 27日 12:18:43

仙太郎様

いつもコメントありがとうございます。

結果がすべてですから、この予選さえ突破できれば官軍です。とにかくここまで来たら、自分の信念を貫いた采配で最後まで突っ走って欲しいと思います。

小谷泰介 @ 2007年 08月 27日 14:20:09

確かにあの根アカな康治くん(反町)が、険しい表情になってるのは「なんだかな~」と思って観ていますが、Jリーグとは異なり、必勝が義務付けられた、後のない真剣勝負なのだから当たり前でしょう。
それよりも、若さがないやらピチピチ感がないなどと揶揄される五輪代表ですが、そもそもそんなものが必要でしょうか?マスコミは面白がって無責任に書きたてていますが、そんなものは要らんでしょう。
確かにまだまだしっくり来ていないチームですが、負けたわけではないし、能力がないわけでもない。むしろ一度負けて追い込まれてからの彼らを観てみたい。だいたい日本が圧倒的に強かった五輪代表なんてのも、フル代表もいままでないんだから。フル代表がフランスに行った時でさえ、韓国に負け、他でもなかなか勝てず、必死こいて、なんとかやっと勝てただけですから。
彼らにその必死さが観られないのは、まだまだ追い込まれていないだけなんだと思います。ほんとうに追い込まれて現れた姿こそが実力です。私はそれが観たい。

フル代表ですが、前半はただただアップに費やしただけのAWEYのカメルーン相手に、今回活躍したが如く言われているFW3人が、真剣勝負のアジアカップに出ていたら、活躍できたでしょうか?大いに疑問です。オシムが評価した?そんな事、一言も言ってないじゃないですか。
あの試合は、あの後半のカメルーン相手に、よくぞ失点しなかった。私は、そういう試合なんじゃないかと思いました。今回新しく入ったメンバーで個人名を挙げて賞賛できるほどの人材はいなかったでしょう。まだまだ横一線。それ以上でも以下でもない。
それよりも、このことをわかっていない評論家やマスコミが多過ぎることの方が、よっぽど日本サッカーの危機だと思います。それで飯食ってんだから、命懸けてしっかり観てほしいもんです。

nijinsky @ 2007年 08月 27日 17:18:56

nijinnskyさん

初めまして!鋭い切り口のコメントをありがとうございました。

追い込まれて背水の陣を敷いた時に、オリンピック世代がどのようなパフォーマンスをするのか見てみたいと述べられていますが、私は日本選手に火事場の馬鹿力が出るようなメンタリティーがあれば、苦労しないと思います。

U-20もU-17も、あんなに大事な舞台でリードを保てず、簡単に逆転を許してしまうのですから、いつ火事場の馬鹿力を出せるというのでしょう!?

そういった観点からも、あの大人しい(と言われる)U-23の世代が、追い込まれてそれをひっくり返せるかどうか、甚だ疑問です。(因みに、フランスワールドカップの時の日本代表は、岡ちゃんの強運が唯一最大の要因で行けたと私は分析しています。)

最終予選までの期間に、全て準備が整っていないと手遅れのような気が致します。

その点、オシム監督は着実にチーム作りをしてくれていると実感できますが、反町氏の場合は迷いが見え隠れして大いに不安なのです。

まあ、今更ドタバタしても始まりません。反町監督とJリーグの底力があるのかどうか、
しっかりと見守るより他にないでしょう。

なお、マスコミに対する批判派ごもっともで、私も襟を正さねばなりません。

小谷泰介 @ 2007年 08月 27日 21:34:48

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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