横浜FC高木監督の電撃解任にびっくり!

 去る27日に横浜FCが電撃的に高木監督の解任を発表しました。

 シーズンもこれから終盤に突入しようというこの時期に何故?と思わずにはいられませんでしたが、クラブ首脳としてはこのままズルズルと降格街道をひた走る姿を傍観するわけには行かなかったのでしょう。

 今回の解任劇は、いわゆるカンフル剤を投与する一種のショック療法ですが、一時的に改善される可能性はあっても最下位症候群を根本的に治癒することにはならないと確信致します。従って横浜FCは間違いなくJ2へ降格してしまう運命にあると言わざるを得ません。

 そもそも横浜FCには大企業の後ろ盾がなく、練習グラウンド等の施設も貧弱で、誠に失礼とは存じますが、財政的にはヴァンフォーレ甲府と並んでJ2のレベルがふさわしいクラブなのであります。

 それが、突発的要因、即ち高木監督の就任で快進撃が始まり、J1昇格という常識的には成し得ない快挙を達成してしまったのというのが正しいものの見方だと思います。(詳しくはアーカイブから11月29日のブログをご参照下さい。)元々選手層が薄く、補強戦力の久保選手や奥選手が負傷勝ちで、外国籍選手も機能しなかったとはいえ、その戦力を冷静に分析すれば15位前後、つまり降格圏内をさまよう宿命を背負ったチームが横浜FCなのです。

 従って現在の3勝2分け18敗得失点差-33点という成績が、高木監督だけの責任とは思いません。むしろ、同監督は三重苦とも言うべき環境の中、ここまで良くやってきた方ではないでしょうか。新監督のジュリオ・レアルがどのような手腕を持った指導者か分かりませんが、「必ずJに残す!」と言い切るあたりが胡散臭い気が致します。

 繰り返しますが、横浜FCの低迷は監督の手腕の問題ではなく、構造不況とも言うべきクラブの体質の問題です。短絡的に言えば、財政難を克服しない限り、そして厳密に言うとクラブが確固たるヴィジョンと方向性を示さない限り、例え奇跡的に今季J1残留を果たしたとしても半永久的に降格圏内を抜け出すことはできないでしょう。

 とまあ、無責任な指摘をするのは誰でも出来ることですので、私が横浜FCのトップであれば具体的にどうするのかをここで披露させていただきます。

(1)金融コンサルタントと協力してクラブ経営の将来性を説き、IT長者などの富豪や投資家に呼びかけ、補強の資金を得る。場合によってはJリーグに掛け合って海外からの投資も可能にする。

(2)横浜の地域性を活かし、例えば中華街と協力して外国籍選手の1枠は必ず中国人選手を獲得するなどして、観客動員の増加を図る。

(3)クラブ名を横浜ベイスターズに変更し、同プロ野球チームの出資者からの投資を仰ぐなど本格的な協力体制を組み、地域的、財政的にワンランク上の経営を目指す。

(4)世界戦略を視野に入れた海外ビッグクラブと本格的な業務提携を結び、アジアの衛星クラブとしてのスタンスを確立。戦力的資金的援助も仰いで経営の強化を図る。

 以上でございますが、私の提案はともかく、Jリーグの発展や何よりも横浜FCの発展を真剣に鑑みた時、監督の首の挿げ替えなどという小手先の手段ではなく、思い切った改革が必要であることだけは間違いないでしょう。

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登録日:2007年 09月 03日 12:16:19

コメント

小谷さん、こんにちは。

僕も高木監督の電撃解任にはビックリしました。多分横浜FCは今季Jのクラブの中でも一番多く選手を補強したクラブなのではないでしょうか?それだけに高木監督にもう少しチャンスを与えてあげてもよかったのでは?と思っています。

広島のペトロヴィッチ監督もこの前の試合後、こんなコメントをしていました。
「私が言いたいのは、魔法を使える監督はいないということです。新しく来て、たった3日間くらいのトレーニングで大きくチームを変えられる監督はいません。横浜FCのフロントに質問ができるのなら、なぜ高木監督に、このチームでのチャンスを与えなかったのかということを聞いてみたい。
私は、自分の同業者である監督すべての人をリスペクートしています。高木監督にチャンスを与えてもよかったのではないかと、私は思うのですが。ただ、32年間、選手・監督としてやってきましたが、サッカーの世界ではどんなことでも起こりえるものです。監督という仕事は明日何が起きるかわかりません。私自身も、今日負けていたらクビになっていたおそれもあります。それがサッカーです」
これを見る限りペトロヴィッチ監督はフロントに対して、苦言をハッキリ呈していますね

ちなみに僕は山梨県出身でヴァンフォーレサポーターです。ヴァンフォーレは小谷さんの言うとおりかなり厳しい状況です。
この前の大分戦で4-1と大敗し、全く後がない状況です。
今年のヴァンフォーレは去年と比べて、全くと言っていいほど戦力が揃わない状況でスタートしてしまいまい、僕はかなり不安視していたんですが、案の定的中してしまったという感じです。
小谷さんの言うとおり甲府は財政的には大企業の後ろ盾がないJ2レベルの貧乏クラブです。それだけに去年のJ1残留は素直に嬉しかったですし、今年もと思ったんですがここに来て財政力という大きな壁に立ちはだかってしまったという感じです。
選手の補強も満足にできませんし、選手、監督の力だけでは限界があることは今の甲府には明確だと思います。選手の戦力でいえば多分東京Vより下だと思います。
僕は甲府が好きだし最後まで信じて応援をしたいですが、客観的に見れば甲府はほぼJ2降格を免れない状況に陥ってしまったと思います。
おそらく奇跡でも起きない限り残留はまず無理だと思います。

ぜひ小谷さんの意見をお聞かせください、よろしくお願いします。

ボン @ 2007年 09月 03日 23:45:36

ボンさん

長文のコメントをありがとうございました。

実は私、ヴァンフォーレ甲府の大木監督が大好きでして、彼については月別アーカイブの4月10日付けのブログに詳しく書いてありますので、ご一読ください。

しかし、いくら名監督でも魔法使いではなく、予算もヴィジョンのないクラブではジリ貧となり、窮地へと追い込まれてしまうのが常です。

要は、日本ではまだまだ優秀な人材がクラブ首脳陣にいないということなのだと思います。スポーツマインドとエンターテインメントとビジネスに長けた人材が、なかないないのです。

ジュビロが黄金時代を築けたのは荒田さんというスポーツとビジネスを理解するトップがいたからであり、アルビレックス新潟が何故観客動員数NO.1のクラブになったかというと、池田さんというビジネスに長けたトップがいたからであります。

全ては人材なのです!

現在の甲府の社長は血の滲むような努力をなさって今日のヴァンフォーレを築かれたのだと思いますし、その実績に対しては敬意を表しますが、J1の強豪チームへと脱皮するには力不足と言わざるを得ないでしょう。

もう少し時間が経てば、若い世代から三拍子揃った優秀な人材が育ってくるとは思いますが、今は我慢の時期なのかも知れません。

小谷泰介 @ 2007年 09月 04日 13:10:02

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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