いよいよ始まる3大陸トーナメント!オシム・ジャパンや如何に!?
久しぶりに台風が東海、関東地方を直撃しましたが、皆様の地方では被害などございませんでしたでしょうか。
同じ台風でも、九州に上陸して北上を続けるものと、直接上陸してくるものではインパクトが違うことを改めて体感しました。台風の直撃を頻繁に体験なさっている鹿児島、宮崎をはじめとした九州地方の皆様のご苦労を、お察しする次第です。
さて、今夜遅くというよりは明朝未明に、欧州遠征を敢行中の日本代表とそれを迎え撃つオーストリアの一戦が行われます。
高原選手は負傷のため召集されませんでしたが、中村俊輔選手、稲本選手、松井選手といった欧州レギュラー組が顔を揃え、どのような進化を見せてくれるのか実に楽しみです。
残念ながらオシム監督の秘蔵っ子と言われる阿部選手は負傷欠場しますが、中沢、闘莉王のツインタワーは元気ですし、鈴木と並んでダブルボランチの一角を占めると目される稲本も、先のブンデスリーガ、ブレーメン戦で好プレーを連発するなど、好材料は少なくありません。
また、フェイエノールトが闘莉王選手に触手を伸ばしているとの噂があり、少なくとも同クラブのスカウトが現場で視察することは間違いないようなので、闘莉王選手のモチベーションは弥増すでしょう。
そして何と言っても、好調ル・マンを引っ張る松井選手がオシム監督に初召集され、そのパフォーマンスに注目が集まっています。
松井選手にとってオシム・ゼミナールは初受講なので、多少戸惑うこともあるでしょうが、フランスで実証済みの懐の深いドリブルとトリッキーかつ得点に絡むプレーで、是非とも代表に定着してもらいたいものです。
とまあ、期待と楽観論ばかりを述べてまいりましたが、今回の欧州遠征で新たな課題が浮き彫りになる可能性がないわけではありません。
何しろ、対戦相手は来年開催されるユーロのホスト国のオーストリアとスイスです。計画的な強化を推し進めてきた両国を打ち負かすのは簡単ではありません。特にスイスは、近年めきめき力をつけて来ており、先のワールドカップでは4試合無失点という堅固な守備を披露。最近もアルゼンチンを相手に1対1の引き分け、オランダには2対1で勝利して、明年のユーロ優勝候補の一角に名を連ねるまでになりました。主力の殆どが欧州のトップクラブに所属していて、個人的には日本代表がスイスに勝てる確率は極めて低いと見ています。
オーストリアも若手の育成に力を入れ、ハルニクのような有望株も育ってきているだけに、そう簡単に勝てる相手ではありません。
アウェーの真っ只中と言うこともありますし、日本代表の成績は最悪の場合は2連敗、良くても1勝1分といったところでしょうか。最悪でも1勝1敗と五分の星を残して欲しいところですが、1分1敗になっても何ら不思議はございません。そして最も可能性の低いのが、日本の2連勝であると断言しておきましょう。
もっともオシム監督は記者会見で、この時期は成績よりも内容が大事といった主旨の発言をしていますが、それはごもっとも。では、どのような内容であれば、オシム監督は満足するのでしょうか。私なりに考えてみましたので、それらをご紹介致したいと存じます。
(1)気候や相手のコンディションは全く違うものの、アジア杯のオーストラリア戦のように、早いパス回しでポゼッションを高め、決定機を多く作り出す。(特に初戦のオーストラア戦で)
(2)高さ(セットプレー等)で簡単に崩されない。
(3)中村俊輔選手のフリーキックやラストパス、松井選手の個人技、稲本選手のパスカットからの攻撃等、個の力によって得点を生みだす。
(4)特にスイス戦で差し込まれた時に粘り強く守って、ポリバレントよろしく鮮やかな速攻からゴールを奪う。
と、以上のような内容のパフォーマンスを披露してくれれば申し分ありません。取り分け(3)と(4)はハードルの高い要求だと言わざるを得ないだけに、是非拝ませていただきたいものです。
オシム監督を優秀なケーキ職人に例えると、現在の工程はスポンジを作るための仕込みを終え,捏ねた生地をオーブンレンジに入れて、デコレーションのためのクリーム作りに取り掛かるあたりでしょう。中村俊輔選手、松井選手、稲本選手らが、柔らかくしっとりとしたスポンジ、また弾力のあるスポンジの旨みを引き出す生クリームのような存在となれるのかどうか、期待を大にして今夜はテレビの画面に向かいたいと思います。
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登録日:2007年 09月 07日 17:42:45
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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