日本人鍼灸師、欧州フットボール界を刺す!?(2)
【8月12日 AFP】サッカー、ドイツ・ブンデスリーガ1部のヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)に所属するドイツ代表MFティム・ボロウスキー(Tim Borowski)が、11日に行われたボーフム(Bochum)との07-08シーズン開幕戦で膝を負傷し、戦線を離脱することが明らかとなった。
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(c)AFP
ブレーメン到着の翌日は、ヴェルダー・ブレーメンU-23(いわゆる2軍)のトーマス・ヴォルター監督が我々をホテルまで迎えに来てくださり、ヴィーザー・シュタデイオン(スタジアム)に向かいました。
ブレーメンは、ヴィーザー川の河岸に建つスタジアムの周辺にサブスタジアムや練習用のピッチが併設されており、医療施設もスタジアムの中にあります。到着早々、我々はドクタールームに案内され、フィジオセラピスト達との挨拶をすませるなり早速治療に取り掛かることになりました。
ブレーメンは今季開幕早々、主力組を中心に怪我人が続出し、フリングス、ボロウスキ、フリッツの代表組を始め、アーロン・ハント、ペーター・ニーメイヤーといった期待の若手選手らが欠場を余儀なくされていたのです。また、即戦力として獲得した元ブラジル代表のカルロス・アウベルトも体調不良に悩まされていました。
Kさんの針治療を真っ先に受けに来たのは、ドイツ代表のサイドバック、クレメンス・フリッツです。
フリッツは、ブラッド・ピットとコリン・ファレルを足して二で割ったようなイケメン野郎で、プレイボーイのオーラをビシバシと放つ明るい性格の持ち主。治療中はいつも、複数人いると思われる恋人とのメールのやり取りに夢中で、何とも憎めないキャラなのです。
彼は腹筋と左足の内転筋をいためており、従来のフィジオセラピーではマッサージや電気治療を施すより他に手立てはなく、いわゆる日にち薬が必要な怪我ということになります。
しかし針治療は、痛みを和らげる上に、患部を中心に免疫力をアップさせますから、効果は覿面! 1回目の治療から、「痛みが和らいだ! 筋肉がほぐれた!」と大喜び。以降、我々がブレーメンを離れるまでの13日間、最も多くの針治療を受けた選手のひとりとなりました。
続いて、治療にやってきたのはこれまたドイツ代表のティム・ボロウスキで、彼は右足の外側靭帯を損傷しており、今回で同じ箇所を3度痛めたことになる厄介な怪我です。その上、靭帯は筋肉のように血液が充分に循環していない治りの遅い部分なので、その表情は決して明るくありません。
しかし、針治療は靭帯や腱といった部位の損傷にも効果がある療法で、ボロウスキも早速痛みが和らいだと感謝の面持ちでした。彼は元々針治療に対する理解が深く、過去に自ら針治療を受けた経験の持ち主だけあって、初診以降、ちょっとでもどこかに違和感があると、ここに針を打って欲しいと積極的に申し出るようになったのです。
また、ボロウスキ夫人も出産時に針治療を受けて安産だったという経緯もあり、彼のようなドイツ代表のレギュラークラスの選手が針治療に大きな理解を示したことは、我々のプロジェクトにとって追い風となりました。
(つづく)
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登録日:2007年 10月 05日 15:03:12
コメント
小谷さんが信頼されていたからだとは思いますが、よく針を選手の体に刺すことをチームが許してくれましたね。チーム側に針治療の知識や理解はあったのですか?
東海太郎 @ 2007年 10月 05日 17:03:39
東海太郎様
お久しぶりです。
今回のシリーズでも述べていきたいと思っていますが、針治療の効用は欧州のフットボール界でも認識されており、知識も少なからず持っている医者やフィジオセラピストも少なくありません。
また、ドイツやスペインでも針治療を学ぶ医者は多いし、町で鍼灸クリニックを開業している中国人もいるのですが、まだスポーツの世界に入り込んできていないのです。
しかし、実際は怪我を治したい一心で過去に個人的に針治療を受けた選手も少なからずいて、俺はごめんだよとあからさまに拒否反応を示す選手はいませんでした。
当分、今回のシリーズは続きますので、今後の展開を楽しみにしていてください。
小谷泰介 @ 2007年 10月 05日 19:27:08
お久しぶりです小谷さん。
小谷さんの文章を読んでいると、針治療にまさかこれほどまでの効果があることに驚きました。
針治療に関しては、漫画家である故・手塚治虫氏の医学漫画の金字塔である「ブラックジャック」で針治療を題材にした回を読んだことがありますが、本当に実用化されているのには小谷さんの記事を読み初めて知りました。
この針治療はJリーグでは、まだ実用化されていないのでしょうか?
宜しければそこの所を詳しく教えてください。
ボン @ 2007年 10月 06日 23:05:03
ボンさん
Jリーグでは、かなりのクラブが針治療を取り入れているようです。
かつてエスパルスに在籍したマッサーロが、日本で受けた針治療をいたく気に入って、ACミランにも導入したいきさつもありますので、Jリーグ草々の時期から、とりいれられていたと思います。
詳しくは、本文でも取り上げて生きたいと思います。
小谷泰介 @ 2007年 10月 09日 20:23:39
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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