日本人鍼灸師、欧州フットボール界を刺す!?(6)

オーストリアvsチェコは1-1のドロー

【8月23日 AFP】サッカー・親善試合、オーストリアvsチェコ。試合は1-1のドローに終わった。(c)AFP

AFPBB News


《カルロス・アルベルト》

ジエゴ選手は昨シーズン、ミクー選手の穴を埋めるべくFCポルトより即戦力のエースとしてブレーメンに迎え入れられましたが、見事に結果を出し、今や押しも押されぬ攻撃の中心選手として活躍しています。

同選手はブレーメンでの活躍が認められ、現在レアルやユベントスが獲得に動いているようですが、遅かれ早かれビッグクラブに売られてゆく運命にあることは間違いないでしょう。

それを見越してということではないのでしょうが、ブレーメンは今季ブラジルのコリンチャンスよりジエゴ選手と同じ攻撃的ミッドフィルダーのカルロス・アルベルト選手を獲得しました。

どちらも似たような体型をしていますし、ともにドリブル良し、パス良し、シュート良しと三拍子揃った選手です。敢えて違いを探すとすればジエゴ選手がパスを、そしてカルロス・アルベルト選手がドリブルをより得意としているという点くらいではないでしょうか。

カルロス・アルベルト選手はFCポルトがモウリーニョ監督の下、チャンピオンズリーグを制覇した際の主力ですし、かなり期待をされて入団してきたのですが、我々が到着した9月の上旬には既に不調を囲っていて、リハビリ組に甘んじていました。

しかも、その原因が睡眠不足から来る体調不良ときており、なかなか厄介であります。

「どうにも眠れないんだけど針治療って、不眠症にも効果があるの?」と我々の治療室に通訳を連れてやってきたのですが、非常に敏感な肌をしていて、針を刺すごとに痛いとリアクションがあります。

Kさんも「かなり神経質ですねえ。」と一言。しかし、Kさんによると、黒人の方が白人より肌が敏感だそうで、因みにカルロス・アルベルト選手も黒人選手です。

結局、同選手は3日間ほど連続して治療を受けましたが、その後独自のトレーニングに専念するためか、治療を受けに来ることはありませんでした。ブレーメンのクラウス・アロフスGMとしても彼には活躍してもらわなければならず、膝をつき合わせての話し合いも持ったようですが、残念ながら今日現在まで公式戦には1試合も出場していません。

ブレーメンのスカウティング陣は評判が良く、安価で優秀な選手を見つけたり、若手を発掘したり、ベテランや中堅選手を蘇生させることでつとに有名です。しかしながら、百発百中というわけには行くはずもなく、カルロス・アルベルト選手はどうやらブレーメンにしては珍しく、外れの烙印が押されてしまうかも知れません。

《ハーニック》

マルティン・ハーニックは弱冠20歳のオーストリア代表のストライカーで、ブレーメンでも今季よりトップチームに昇格し、第3節のニュルンベルグ戦では決勝ゴールを叩き出しています。

今年の9月上旬に行われ、オシム・ジャパンも参加した3大陸トーナメントにもオーストリア代表として出場しました。

日本代表戦では、後半に登場するもヘディングで着地をした際に足をくじき、僅か10分で退場を余儀なくされたのですが、我々が到着した翌日にはその腫上がった左足首を引きずってやってきました。

因みに針治療は捻挫や打撲にも非常に効果があり、その治療は負傷を負った後、早ければ早いほど効果が高いそうです。

まだ20歳と若い選手らしく神妙に治療を受けるハーニック選手ですが、日本代表戦の話を振ると、僅か10分間の出場だけだったので恥ずかしい限りだとはにかんでいました。
しかし、中村俊輔選手の話題になると、「彼は本当に素晴らしい!」と手放しで大絶賛。

ブレーメンにはジエゴを筆頭に、テクニックの高い選手が少なくありませんが、そのチームでプレイする選手の賞賛を受けるのですから、中村選手も大したものです。

Kさんの治療の甲斐もあって、4,5日で戦列に復帰していったハーニック選手ですが、それ以降も我々の顔を見ると、必ず日本語で「コンニチハ!」と笑顔で挨拶してくるナイスガイでした。

二枚目という顔ではありませんが、なかなかチャーミングでスリムな選手ですから、これから人気が出てくるのではないでしょうか。来年のユーロ2008では、ホスト国の代表選手としても期待を集めている同選手ですが、今後の活躍を祈らずにはいられません。                       
                                    (つづく)

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登録日:2007年 10月 24日 10:05:36

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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