日本人鍼灸師、欧州フットボール界を刺す!?(8)
【9月30日 AFP】サッカー、07-08ドイツ・ブンデスリーガ1部・第8節、ヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)vsアルミニア・ビーレフェルト(Arminia Bielefeld)。試合は大量8得点を挙げたブレーメンが8-1で快勝した。(c)AFP
《ペーター・ニーメイヤー》
今季スタート時に多数の負傷者を出し、スタートダッシュに躓いた格好のヴェルダー・ブレーメンですが、負傷組の中には昨季の冬休み明けに移籍してきた元ドイツU-21代表のペーター・ニーメイヤー選手がいました。
彼も他の多くの選手同様にグロウインペイン(恥骨結合炎)の症状に悩まされており、主に左足内転筋(左足の付け根の部分の筋肉)の痛みを訴えていたのですが、我々が治療を開始したその日から積極的に治療を受けた選手の一人でした。
見事な金髪に甘いマスクで長身のニーメイヤー選手ですが、ルックスだけではなくご多分に漏れず性格も良く、治療中に色々と話しをする事が出来ました。
その中で特に面白かったのは、ニーメイヤー選手が針治療に初めて接した時の話です。
彼がドイツのユース代表選手として国際大会に出場した際に、日本から参加していたチームのトレーナーが、何故かホテルのロビーで針治療を行っていたそうです。
物珍しさも手伝ってチームメイトと一緒に見物をしていると、何とそのトレーナーから「君達の中で、怪我をしている選手がいたら(針を)打ってあげるよ。」との申し出があったそうで、彼のチームメイトの一人が思い切って針治療を受けてみたら、非常に効果があったとのこと。
それ以来、針治療には不思議な力があるとずっと認識していたものの、自分がこんな形で針を打ってもらうことになるとは思っても見なかったとニーメイヤー選手は語ってくれました。
それを聞いていたKさんは、「それは不思議でも何でもなく、ツボを刺激すれば免疫力が高まるからですよ。また、指圧やお灸と違って針治療は、ツボの深い位置に直接ピンポイントで刺激するから効果が高いんです。」と説明。ニーメイヤー選手は頷きながらも、「でも、ツボという概念は実に東洋的な発想だよね。」と感心すること頻りでした。
同選手は、オランダ国境に近いリーゼンベックという町に生まれ、地元のクラブを経てオランダのFCトゥエンテでプロデビューを果たしましたが、ドイツU-22での活躍等が認められ、昨シーズンの途中からブレーメンに加入してきました。シャーフ監督の信頼も厚く、我々がブレーメンを離れた直後にリーグ戦に復帰し、その試合でゴールを決めたのですが、私もKさんも模範的な患者であった良い子のペーター(ニーメイヤー選手)の活躍を手放しで喜んだものです。
そのくらいニーメイヤー選手は、フットボールの才能は勿論のこと、人間としていい奴なのです。
今回のシリーズではブレーメンの選手が、人格者といえば大袈裟になりますが、性格の良い人間が多いと度々書いてまいりました。Kさんも、自分がこれまでに見てきた様々な選手に比べ、皆大人しくて行儀が良いと感じています。
しかし、あまり大人しくて性格の良い真面目な選手ばかり集めると、チームに活気がなくなりはしないかと心配してしまいますが、選手獲得に際して人間性を重視するのは、オットー・レーハーゲル監督以来、ブレーメンの伝統になっているといえるでしょう。
レアル、バルセロナ、マンチェスターU、チェルシー、ミランのような金持ちクラブは、スター選手を物色することである程度のチーム強化を図れますが、ブレーメンのようにそれらのクラブの三分の一程度の予算でクラブを運営し、なおかつチャンピオンズ・リーグで渡り合っていくには、真面目な選手の勤勉性や従属性を持って結束力に変え、対抗してゆくことも必要なのです。クラブ・マネージメントの智恵とも言えます。
残念ながら、日本にはまだブレーメンのように限られた予算を最大限に活かし、きっちりとした戦略を立ててクラブ運営を行っているところはありません。だから横浜FCはあんな惨めな降格劇を演じなければならず、名古屋グランパスのようにJ1屈指の予算を得ながらタイトルが取れず、また、京都サンガのようにJ1並みの予算を獲得しながらもJ2で燻ぶっているクラブが多いのです。
ニーメイヤー選手の話からクラブ運営の話しへとテーマが移行してしまいましたが、同選手はまだまだ若いだけに、シャーフ監督の下でしっかりと実力を養い、フル代表まで登り詰めて欲しいと願う心から次第です。 (まだまだ続く)
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登録日:2007年 10月 30日 18:05:01
コメント
こんばんわ!
初めてブログを拝見させて頂きました。
私は現在は鍼灸専門学校に通学しており、来年4月よりスペインにてサッカーのトレーナーとして勉強をしにいく予定でいます。
海外での鍼灸事情を調べており、なかなか参考になる物がなくて困っていたので、このブログはとっても参考になります。
いろいろと情報を教えて頂けると幸いです。宜しくお願いします。
vandalize.17@topaz.ocn.ne.jp
あつし @ 2007年 10月 31日 19:43:04
あつしさん
初めまして!コメントをありがとうございます。
直接、貴殿にメールいたしますので悪しからずご了承ください。
小谷泰介 @ 2007年 10月 31日 20:47:25
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:一昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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