浦和レッズはアジアのタイトルを逃す!?

セパハンvs浦和レッドダイヤモンズの第1戦は1-1のドローに終わる

【11月7日 AFP】サッカー、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)・決勝、セパハン(Sepahan)vs浦和レッドダイヤモンズ(Urawa Red Diamonds)。
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AFPBB News


明日14日は、いよいよアジア・チャンピオンズリーグ決勝戦〔第2戦〕の日です。

その日は、奇しくも埼玉県民の日であり、もしもレッズが優勝を遂げることが出来れば、埼玉県民にとって二重の喜びとなるばかりでなく、日本中のフットボールファンにとっても実にめでたい日となることでしょう。

プロ野球では中日ドラゴンズが、苦戦をしながらもしぶとくアジアを制したように、浦和レッズにも是非とも悲願を達成していただきたいと祈るばかりです。

しかし、熱烈なるサポーターの皆様には申し訳ありませんが、ジャーナリストとして冷静に当日の試合を分析すると、非常に不安であることを告白せねばなりません。

試合の予想をせよと言われれば、1対1で浦和のPK負け、或いは2対2、0対1でセパハンの勝ちというイメージが湧いてきてしまうのです。

その理由を極力冷静に分析させていただきたいと思いますが、四つの要因が挙げられるので以下に列挙致します。

(1)相手のセパハンは、川崎フロンターレを準々決勝でPK戦の末破っている実力者であること。
今季のレッズは川崎フロンターレに対して、1分1敗と勝っておらず、つい先日行った試合でも飛車角抜きのフロンターレに引き分けるのがやっとであった。そのチームに対し、セパハンはしぶとく競り勝っている。

(2)浦和レッズは負傷者が多い上に、チーム全体の疲労の蓄積が大きい。
何故か今季のレッズは主力を中心に怪我人が多く、現在もワシントン、山田、闘莉王、阿部、平川、小野伸二、相馬、エスクデロらが何かしらの故障を抱え、チーム全体を見ても過密日程にもかかわらず、メンバーが固定されているので、フィジカルやスタミナ面を比較すると不利と言わざるを得ない。

(3)監督の力量に問題がある。
以前より私は、浦和レッズのフットボールは臆病だと軽蔑しているが、それは全て監督の采配に起因するといって良い。Jリーグ屈指の豊富な資金力で多くのクオリティー・プレーヤーを揃えながら、その戦術は守備を固め、基本的には能力の高い少人数の選手で攻めるという戦法だ。(因みに、今季J2のヴェルディ東京が、後半から全く同じやり方で勝利を積み重ねている。)
従って、首位を走っているものの、大勝は殆どなく、1点差、2点差の勝利が殆どである。他チームも羨む戦力を誇りながらである・・・。
その戦術は、Jリーグでは通用しても、アジアのトップクラス相手にはきついといわざるを得ず、現にA3チャンピオンズカップは1勝2敗で負け越し、決勝まで進んだチャンピオンズリーグでも、準決勝以降は3連続引き分け(全体では4勝7分)となかなか勝ちきれていない。
また、オジェック監督は主力選手とのいざこざが絶えず、彼が良い監督であると手放しで誉める人にもあったことがない。

(4)精神的にはセパハンの方が、有利である。
ホームで、しかも絶対優勝、悲願の優勝を義務付けられているレッズの選手達にとって重圧は相当のもの。
一方で、セパハンの選手は失うものは何もなく、元来有事の国に限りなく近い環境で生活しているため、平和ボケしている日本よりはメンタル的に遥かにタフである。その上、平地での試合であるから、コンディションは勿論、メンタル的にも楽に戦える。

以上でございますが、こんなのは粗探しだとお叱りを受けるかもしれません。しかし、このブログを読まれてレッズの選手、スタッフが反発し、より一層結束力を高めてくだされば本望です。私も彼等の勝利を祈っているのですから・・・。

また、レッズの有利な点を全く列挙していませんが、言うまでもなくその一つとして、サポーターの熱烈なる応援という大きな、大きなアドバンテージが挙げられます。

私は、レッズがこれまでに獲得してきたタイトルは、サポーターの力なくして得られなかったと断言できますし、特にJ1昇格を1年で達成できたのは、サポーターの熱い想いがあったからこそと信じています。

従って、前述の不安要素を払拭できるのは、スタジアムを埋め尽くす6万余の人々に代表される熱い、熱い、どこよりも熱く赤い浦和のサポーターの力であると申し上げたいと思います。

いずれにしましても、フットボールの神様は公平です。(今年に限っても、イラクがアジアカップを制したり、ガンバ大阪がナビスコカップを獲得したのには、フットボールの神様の意志が働いていると私は信じています。フットボールの神様論は、いずれこのブログで詳しく展開したいと思います。)

そして、浦和レッズが勝利が転がり込むとすれば、それはフットボールの神様がホームゲームは勿論、アウェーの地の果てまで大挙して押しかけ、弛まぬ応援を続けたレッズサポーターに褒美をやらねばと判断した時なのだと信じて疑いません。

もう間もなく、その結果が出ようとしていますが、明日の一戦が、近年になく緊張と興奮をもたらす激闘となることだけは間違いないでしょう。  

コメント[10], トラックバック[0]
登録日:2007年 11月 13日 13:53:24

コメント

>2対2で浦和のPK負け
ACLのレギュレーションでは、2-2ではアウェイゴールルールで
PK戦ではなくセパハンの勝ちになるのではないでしょうか?

take4 @ 2007年 11月 13日 18:02:28

take4さん

ご指摘の通りでございます。

お恥ずかしい限りで、早速に訂正させていただきます。

有難うございました。

小谷泰介 @ 2007年 11月 14日 13:06:32

怪我人ばかりで、、平和ボケで、あなたが臆病だと軽蔑している浦和レッズですが、
残念ながらアジアNO.1になりました。
ご心配ありがとうございました。

あかまさ @ 2007年 11月 15日 02:05:21

あかまささん

コメントを有難うございます。

レッズがアジア王者になって残念とは思っておりません。日本のフットボールのため、Jリーグのため、そして何よりもレッズのサポーターのために本当に良かったと喜んでいます。

又、浦和レッズを軽蔑しているのではなく、オジェック監督のフットボールを軽蔑しているだけです。どこよりも早く地元密着の営業戦略を打ち出し、運営面のみならず、強化面でも名実共にアジアNo.1になった浦和レッズには掛け値なしで敬意を表します。

平和ボケに関しては、浦和レッズの選手だけのことを言っているのではなく、日本人とイラン人の置かれている歴史的、地理的、政治的、宗教的背景を比較して述べていることで、戦後60年を経てすっかり平和ボケしてしまっている日本人のメンタリティー全般のことを指しています。

ところで、次はいよいよクラブワールドカップですが、レベルの高い欧州、南米、北中米勢と対戦した際に、感動できるフットボールを見せていただきたいと望んでいます。

因みに、昨日の試合は、勝てて良かったとは思いましたが、90分間、サポーターの応援以外は感動致しませんでした。試合後のヴィクトリーラン(ウォーク?)で、イレブンがサポーターの代表にカップを掲げさせていた光景には心底感動致しましたが・・・。

まあ、何はともあれ、誠におめでとうございました!

小谷泰介 @ 2007年 11月 15日 10:45:07

浦和サポではないんですが、レッズがJ1に復帰してからは「不恰好でも勝つサッカー」という側面が強くなっているように感じます。
オフト⇒ブッフバルト⇒オジェックと監督が続いていますが、選手変われどスタイルは大きくは違わないと思います。

勝手な予想なのですが、かつて浦和は負け続け、ついにJ2へ降格してしまったがゆえに、負けることの怖さ・辛さを良く味わったからこそ、今のサッカーに行き着いたのではないのでしょうか?
「点をやらない」という意味では、なんとなく阪神タイガースと被ります。

チャン @ 2007年 11月 16日 01:05:36

チャンさん

いやあ~、実に重要なところをチャンさんは突いていらっしゃると思います!

私も連戦連敗という過去の歴史が、現在の手堅いフットボールに多少は影響を与えているのではと、かねてから感じていました。

また、極一部の逸脱したサポーターが、試合後にスタンドに陣取って「社長を出せ!」と騒いだり、駒場の選手通用口の近くまで押し寄せて恫喝とも取れる罵声を浴びせていた過去が浦和レッズ史には汚点として残っており、それがトラウマのようになって目に見えないプレッシャーとなっている部分もあると思います。

いずれにせよ,あれだけの数とパワーを持ったサポーターの期待を一心に背負っているわけですから、手堅く勝ちに行きたくなる気持も分からないわけではありません。

しかし、優れたGMと監督ならば、自分の信念に従ってチーム作りをしますし、強くて魅力的なフットボールでサポーターの心を引き付けます。良い監督の強化策や戦術構想にサポーターが入り込む余地はありません。少なくとも、ベンゲル、シャーフ、オシムといった流れるような攻撃的フットボールを標榜、実践する指導者はそうであると断言できます。

とにかく浦和レッズは、お城で言うと、外堀、石垣、本丸といった外観がサポーターによって世界に負けない規模のものに出来上がりつつあるし、中で働く人たちも利発、勤勉。そして腕利きの武士も調達できているのに総大将が臆病というか肝っ玉が小さいといった感じなのです。

いや、よく考えると、そもそもお城に例えること自体が守備的発想で、あまり的確ではありませんでしたね。失礼致しました!

チャンさん、コメント有難うございました。

小谷泰介 @ 2007年 11月 16日 11:03:37

オジェックのレッズのサッカースタイルはギドの頃とは違うと思いますよ。
少なくとも、ギドの頃は前へ前へのプレスの圧力が凄いものがありました。
ただ今年は現メンバーでのオジェック1年目ということとクラブ初のACLもあった過密日程を考えると仕方ない気がします。2年目となり、ワシントンもいなくなる(だろう)来年以降は変わっていってくれることを期待しています。CWCはその良いチャンスだと思ってます。
時間が経ってからのコメント失礼しました。

dos @ 2007年 11月 18日 01:20:40

dosさん

実はCWCは、イタリアのサポーター誤射関連事件でミランが過密日程を強いられていますから,コンディションを整え、モチベーションを高く保てれば、レッズが決勝へ駒を進めるチャンスはあると思っています。

オジェックの采配やいかに!

小谷泰介 @ 2007年 11月 19日 01:41:08

私は、浦和レッズファンです。

下記の記述を見かけたので、指摘させてください。
>連戦連敗という過去の歴史が、現在の手堅いフットボールに多少は影響を与えているのでは

浦和が手堅くなった理由は、2004年にナビスコ(VS FC東京)とチャンピオンシップ(VS マリノス)でPK負けをしたからだと思います。

当時は、エメルソンを中心に圧倒的な攻撃力を要していましたが、対戦相手の引き篭もりサッカーの前に敗れました。

エメルソンがチームを去ったということもありますが、翌年から勝つためのサッカーをするようになったと思います。

通りすがりのものですが、認識に誤りがありそうだったのでコメントさせていただきました。

ひよこ @ 2007年 11月 20日 19:20:02

通りすがりの赤サポです。
浦議での議論が適当だとは思いつつ、コメントをさせて頂きたく思います。

>浦和が手堅くなった・臆病になった
いつからそうなったのか、果たして臆病なのかの議論は別のサイトに委ねるとして
私はチームとしての各試合の位置づけが変わってきているからだと思います。

毎試合、ただガムシャラにサッカーをしていた頃とは違い、ある意味”ずる賢く”計算が
できるようになったのではないでしょうか?
だからこそ過密日程を乗り越えられているのではないでしょうか?
24日には鹿島戦があります。ホーム最終戦ですし、久しぶりの1週間空いての優勝を決める大切な試合です。
前節の清水戦とは位置づけが違います。”臆病な”もしくは”手堅い”試合にはならないと思いますよ。

”今のサッカーに行き着いた”というコメントも議論が起こりそうですが・・・

MIR @ 2007年 11月 21日 04:56:40

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:一昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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