イングランドがEURO2008出場権を逃したのは、自業自得!

<サッカー 欧州選手権2008・予選>イングランド 24年ぶりに本大会出場を逃す

【11月22日 AFP】サッカー、欧州選手権2008(Euro 2008)・予選グループE、イングランドvsクロアチア。
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(c)AFP

AFPBB News


私のフットボール人生の原点であり、少年時代の憧れであったイングランド代表が誠に無様な格好でEURO2008の出場権を逃してしまいました。色々な意味で本当に残念です!

しかし、よくよく考えてみると今回の敗退は負けるべくして負けたのであり、自業自得とも呼べるものと言わざるを得ません。

何故ならば、THE F. A.(イングランドフットボール協会)は二つの大きな過ちを犯したと思われるからです。

ひとつはマクロ的見地に立った思考ですが、プレミアリーグにあまりに多くのEU圏選手及び外国籍選手を出場させ、自国選手の出場機会を奪ったことです。その結果、イングランド出身の選手層が薄くなり、結果的にレベル低下を招いてしまいました。

ご存知のように、プレミアリーグは世界で最も多くの人々が観戦する最も裕福なリーグですが、その商業性とエンターテイメント性を重視するあまり、近年スタメンに名を連ねる自国選手の数が酷い時はゼロか1、多くても4,5人という状況がまかり通っています。そして更に悪いことに、ビッグクラブほど自国選手の数が少なくなる傾向にあるのです。まあ、これは欧州のトップリーグ全てに言えることですが、プレミアシップの場合は度を越えています。

特にストライカーと、攻撃的ミッドフィルダーのポジションはEU圏及び外国籍選手が大多数を占めていて、深刻です。

その結果、ルーニー、オーウェン、ジェラード、ランパード、コールといったビッグクラブのレギュラークラスの攻撃陣が怪我で出場機会を失ったり、疲労でパフォーマンスを落としたりした時に問題が起こってしまいます。

実際、今回の予選では小国マケドニアを相手にホームでまさかの引き分けを演じてしまい、結果的にはそれが命取りとなってしまいました。

さて、もうひとつの要因でミクロ的見地からの指摘となりますが、監督にマクラーレン氏を選んでしまったことであります。

この監督は、残念ながら就任早々に重大かつ致命的な過ちを犯してしまいました。そう、デビッド・ベッカムを代表から外してしまったのです。

その理由は個人的感情の縺れからなどと色々と取沙汰されましたが、結果的に誰が見ても間違いであった上に、結局は復帰させているのですから救いようがありません。そのブレた姿勢が全てを物語っているような気が致します。

さて、翻って我が国の代表チームの得点力不足ですが、プレミアシップのようなEU圏選手の問題こそないものの、攻撃陣に外国籍選手を大勢起用しているあたりは、なんだか似ていませんか。

バレーとマグノ・アウベスが得点源のガンバ大阪、ジュニーニョとチョン・テセで殆どの得点を稼ぎ出している川崎フロンターレ、ワシントンとポンテが攻撃の軸の浦和レッズ、ヨンセン以外ストライカーらしき選手が見当たらない名古屋グランパスといったクラブの選手起用と日本代表の得点力不足との因果関係は無いのでしょうか。或いは無いと言い切れるのでしょうか。それとも大有りなのでしょうか。

もっと言うと、今季得点王争いの上位は外国籍選手が独占し、日本人得点王が代表経験のない大島選手という現状と代表の得点力不足の因果関係は?!

話題の監督選びはさて置き、私は以前より自著などで外国籍選手はピッチに3人、しかも各ポジションに一人ずつという提言をしておりますが、仲の良いJFAとJリーグは、何らかの手を打つべき時期に来ているのではと考えます。

コメント[4], トラックバック[0]
登録日:2007年 12月 03日 18:40:14

コメント

テレビでよくみるイングランドの選手は決して能力的に劣っているわけではないと思うので、残念ですね。これを機に国民メディアそしてFAが良いほうに変わるといいですね。

さて外国籍選手の問題ですが、セルジオさんは日本代表が世界で勝とうと思ったら、国内リーグの外国人枠は極力減らすべき。つまりチーム内での競争に勝てないならば、世界で勝てるわけがないという考え方をしていました。結論から言うと僕の意見は小谷さんの意見よりこれに近いものです。

確かワールドカップで優勝したイタリアのセリエA得点ランキングには国内アタッカーの名前がイングランド、スペインリーグのそれにおけるものよりも多く占めている印象を受けます。確か06年、04年シーズンが終わったときはもっとイタリア人の名前があったことを記憶していて、来たるべきWカップ、ユーロにどのFWが選ばれるのだろうと僕は関心を寄せていました。(その反動なのでしょうか、サイドアタッカーやクリエイティブな中盤の人材はちょっと乏しい気もします。)

日本はFWに得点力のある人材は少ないものの、中盤には力のある人材がいるといわれていますね。この2カ国から考えてみるに、良い選手が一定のポジションに多い、少ないというのは、客がフットボールのどこに注目するのか?というサッカーの見方が影響していると思うのです。

ゴールが狙える位置で(責任逃れのような)パスを選択をする。外れてもその選手にブーイングを浴びせない文化。そう思うと日本は良くも悪くも多くのゴールをスコア
した選手にたいして過度な憧れが無い文化のような気がします。
ものすごーい極端にいうと、「点を獲ったやつが一番すごいんだ!」的な雰囲気が全く感じられません。(もちろんゴールはチーム全員の産物なので、この表現は全くの筋違いではあるのですが…。)

ただこの間違ったとも取れる考え方が無いと、世界に通ずるストライカーはでてこないような気がします。ということで、制度よりもみんなのサッカー観が、得点力不足に大きく作用しているのかなぁというのが僕の意見です。どうお考えですか?

k @ 2007年 12月 04日 16:27:01

Kさん

コメント有難うございます。

おっしゃらんとすることは理解できます!

まず、外国籍選手の枠ですが、集客力やエンタテインメント性を考えると、3人は最低限必要ではないかと思います。

ただし、その3人は代表クラスの実力者で、先発要員でなければあまり意味がない考えます。怪我は別として、ベンチを暖めたり、ベンチにも入れない外国籍選手の獲得は納得がいきません。外国籍選手は傭兵ではありませんが、頼れる助っ人的存在でなければ、獲得する意味がないというのが私の持論です。

また、相手チームの前線、中盤、守備にワールドクラスの外国籍選手がいることで、日本人選手の国際試合に於ける対応も自然のうちに身に付くという効用があると思います。

ヒーローインタビューで、点を取れたのは皆のおかげと言ってしまうメンタリティーが、日本人選手の良さであり、欠点でもあると思うのですが、憧れの自国の選手が中盤に集中してしまう国状を鑑みると、何か手を講じないといけないとしか今は申し上げられません。

小谷泰介 @ 2007年 12月 05日 10:49:49

小谷さんも指摘されたとおりプレミアリーグは魅了的であり、世界中のファンから愛されているのは事実ですが、そのプレミアを盛り上げているのは殆どが外国人選手です。

クラブのレベルは世界一だと思っていますが、それが直接代表につながるはずもなくイングランド代表はどんどん後退していっていると僕も感じています。

プレミアは多くの外国人投資家がクラブを買収しているリーグでもありますから、商業的な濃さがより強くなっていると思います。(選手獲得に投じる移籍金も最近は何十億と馬鹿にならないくらい平気で大金をつぎ込んでいますからね)

これを受けてブラッター会長は「欧州の外国人枠を将来的に5人にする」と言っていましたが、プレミアの各クラブ(他の国のリーグでも)はこの案に大反対しているようです。

一方、辛口評論家のセルジオ氏は、Jリーグの外国人枠拡大を今でも訴え続けています。理由として2006年に浦和が優勝した際自身のコラムで改めてその考えを述べていました。以下は引用です。

「浦和が勝って優勝に花を添えたのは良かった。
まあ厳しいシーズンを制してのリーグ優勝は評価できるが、戦力を考えると優勝して当然ともいえるだろう。
外国人選手3人と三都主、闘莉王を加えれば、能力の高い外国人選手が実質5人、ピッチに立っているわけだな。勝たなきゃ、優勝しなきゃおかしいよ。単純に他チームと比較して5人対3人の差は大きい。

外国人がピッチにいるために質の高い日本人選手がベンチにいることになり、層の厚さは他チームにはないものだった。
小野や田中達がベンチにいるわけだからな。強いわけだ。チームの中での競争に勝たなければ試合に出られない、厳しい状況が底辺にあった。

浦和が優勝した意味は大きい。関係者は古い考えを捨て、世界と戦うために強いJリーグをつくるにはどうしたらいいいのかを考えてほしい。質の高い外国人選手と競争しピッチに立つ状況を広げなくてはいけない。枠に守られて質の高くない日本人選手が出ても勝ち抜けるのか?日本人選手強化のためにも枠を取り払い質の高いレベルでの競争を勝ち抜くことで、Jリーグの質が上がり日本人選手の実力がアップする。保護された中では、体力のない、ひ弱なJリーグになるだけだ。Jにチェルシーがあってもいいじゃないか。

保護された、ひ弱なJリーガーなんて見たくない。だから、海外に出てもベンチに座っているのが関の山なんだ。厳しい競争状態をつくり出し、勝ち抜いてこそ、Jリーグを通じて世界と戦えるようになるものと思う。」

他にもセルジオ氏は何かの雑誌で「外国人枠を最低でも5人に拡大をしてJリーグのレベルを上げる必要がある、そうしないと日本人選手はどんどん海外に行ってしまう」と日本人選手の海外流出にも釘をさしていました。

今改めて考えても難しい問題だと思います。ちょっと僕には答えが見つかりません。
小谷さんの意見を聞かせてください。

ボン @ 2007年 12月 06日 01:46:35

ボンさん

お久しぶりです!また、コメント有難うございました。

Jリーグが外国人枠を5に拡大してしまうと、プレミアシップのクラブとは資金力がまるで違うので、上質の外国籍選手を獲得できるとはとても思えません。

ベンチを暖めるような外国籍選手を獲得するぐらいなら、獲るべきではないと思うし、今のクラブマネージメントのレベルで下手に外国籍選手を増やすと、エージェントや外国人監督が私腹を肥やす機会を増やしかねません。

私は、現行の3枠が妥当だと思っていますが、アジア人枠を1人別に設けるのはありだと思っています。

小谷泰介 @ 2007年 12月 06日 15:54:07

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)、『来日サポーターPERFECT図鑑』(東邦出版)などがある。
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