神戸か磐田か、はたまた残留か!?悩める駒野選手の心境を察す!

<サッカー 親善試合>日本 海外組の活躍でペルーを撃破 - 横浜

【横浜 24日 AFP】サッカー・親善試合、日本vsペルー。
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(c)AFP/KAZUHIRO NOGI

AFPBB News


来る新シーズンに向けて移籍が活発に行われる時期ですが、ジェフ千葉の羽生、水本,水野の各選手、FC東京の今野選手、浦和レッズの小野、長谷部両選手等の動向が注目されています。

そんな中、私が特に気になるのが日本代表の不動のサイド・アタッカーであり、サンフレッチェ広島所属の駒野選手の去就です。

ご存知のように駒野選手の所属するサンフレッチェ広島は昨季、同選手や佐藤寿人選手、柏木選手や槇野選手といった日本を代表する各年代層の逸材を擁しながらも、京都との入れ替え戦に敗れ、J2に降格してしまいました。

駒野選手自身、クラブではバリバリのレギュラーであっただけに降格の責任を感じていて、当然のことながらクラブも1年でJ1に復帰するために、必死の引き留め工作を行っています。

しかし、残留してJ2でプレーすることは、駒野選手が日本代表の座を確保する上で大きなリスクを背負うことを意味します。J1のクラブからオッファーがないのならば諦めも付きますが、ヴィッセル神戸が早くから強い獲得の意志を示し、磐田も熱烈なラブコールを送っているので、同選手は大いに迷っているというわけです。

ハムレットでさえ生きるか死ぬかのニ択なのに、残留か神戸か磐田かの三択ですから、迷うのは当たり前。素朴で人柄の良さそうな駒の選手ならば、尚更のことでしょう。

因みに本場欧州では、こういった場合にはほぼ例外なく移籍を選択致します。厳しいプロの世界にあって己の商品価値を高めるには、より良い立地条件にある有名店のショーウィンドウに陳列された方が良いに決まっているからです。

そして前述のように、代表選手に選ばれるためには横丁の商店街ではなく、銀座のようなショッピング街に陳列されていることが決め手となりますから、2部リーグに所属することは大きなハンディとなります。

実際、下部リーグに所属しながら代表選手にも選出されていたのは、1980年代にイングランド代表として活躍したウルブス(当時2部リーグ)のスティーブ・ブル選手と、同じく1970年代にイングランド代表として数試合に出場したクリスタル・パレス(何と当時3部リーグ!)のピーター・テイラー選手くらいのものではないでしょうか(昨季所属のユベントスがセリエBに降格しながらもイタリア代表で活躍したブッフォン選手、カモラネーシ選手、デル・ピエロ選手等は、クラブが罰則として降格したので対象外)。

このように考えていきますと、駒野選手にとって広島残留が得策ではないということになってしまいますが、現実はそう簡単ではございません。

サンフレッチェ広島はユース世代から育ててもらった恩のあるクラブですし、先程も述べたように自分達が降格させてしまったという責任も痛感しているに違いないからです。

もしも自分が駒野選手の立場であったとしたら、いかにその選択が難しいかが痛いほど分かります。また、自分が同選手にアドバイスをする立場にあったとしたら、どのような言葉を贈るべきか悩みに悩むでしょう。

因みに、私の考え得る限りのアドバイス例を列挙してみると、下記のようになります。

1. お世話になったクラブである上に、降格した責任もあることを踏まえれば,当然残留すべき! 浪速節だよ人生は!!

2. プロ選手である以上、自分を高く評価してくれるクラブ、即ち最も高い年俸で契約してくれるクラブを躊躇なく選ぶべき! 世の中は現金、そして金は誠意!!

3. 長くはない選手生活を考えれば、J1への移籍は止むを得ない。しかし、クラブの実績と格で言えば文句なく磐田に軍配が上がるので、磐田を選ぶべき。実績重視、即ち名門、強豪クラブの一員となることが大切!!

4. J1への移籍は止むを得ないとしても、自分をどれだけ必要としてくれるかをクラブ首脳及び監督と話し、しっかりとしたヴィジョンと情熱のあるクラブを選ぶべき。大事なのはヴィジョンを含めた将来性!そして内容重視!!

以上でございますが、皆様はどのようなアドバイスを贈りますか?

私ならば、4番のアドバイスを選びますが、選手にしてみれば、クラブ首脳陣の優劣を決めるのは至難の業であり、将来性を見極めることも又然りでございます。

本当に難しい決断であることは間違いなく、駒野選手の心境をお察しする次第です。

しかし、最も大切なことはどのような決断を下したとしても、フットボール選手として更なる高みを目指し、日々是精進!己を律して懸命に練習し、自身を鍛えることでしょう。

これに異論を唱える方はいらっしゃらないと思います。

いずれにしましても、駒野選手を含めた去就に揺れる選手達が納得の行く決断をされ、悔いのないフットボール人生を送られることを祈るばかりです。

コメント[5], トラックバック[0]
登録日:2008年 01月 10日 19:14:44

コメント

難しいですよね。ボクも気になっていました。
まずは残留するかどうかというのが第1問題になるのでしょうね。

恩義のあるクラブへの責任。
代表チームにおいて不動のサイドバックであるという責任。
どうやって自分を高めていくかという、自分の人生に対しての責任。

ボクを含めて多くの日本人は義理人情の精神を好みますよね。しかしそれが「形としての結果」への大きな障害になってしまうことも多々あるような気がします。「形としての結果」が他より価値があるというわけではありませんけれども。
ボクが望むことは・・・駒野選手の決断に対しては何もありません。ただマスメディアに対しての要望だけです。彼がどのような決断を下しても、そのことを単にセンセーショナリズムだけを追い求めたような記事にして欲しくないという願い、叶わないのはわかっていますが。

Shar @ 2008年 01月 10日 22:56:41

Sharさん

簡潔ながら、内容の濃いコメントを有難うございます。

現在の駒野選手のクロスの精度が上がれば、かなり強力な選手となりますから、日本代表に選ばれるためにはという基準で去就を決めても良いのではと思いました。

小谷泰介 @ 2008年 01月 10日 23:17:10

明けましておめでとうございます。今年もコラム楽しみに拝見させていただきます。
レッズサポの私としては、J2に落ちたときに残留してくれた、小野、岡野、山田には
感動したことを覚えています。
反対に山瀬が出て行く時は本当に憎んだし・・・
他のクラブの選手になら、間違いなく4を選ぶと思います
でも、これが自分の応援しているクラブとなると理屈でわかっていても感情が・・・
人間は勝手な生き物で立場が変わると考えも変わってしまうものです・・・
広島はず~っとクラブとして、大改革をやらずになあなあにしてきて、いつもいつも
はっきりしない順位でここまできてることを考えると、クラブとしての理念に?がつきます
本当に難しいと思いますが、彼には後悔しない選択をしてほしいと思います

ruru @ 2008年 01月 12日 12:00:24

中澤選手がドイツのチームへの移籍話がでてどうすべきか迷い、当時監督をしていた岡田さんに相談したことがあるそうです。確か彼は残留してくれと言われるだろうと予期していたそうなのですが、意外にも岡田さんはそのような態度を見せなかったそうです。
岡田さんは「もし残留しても俺がおまえを必ず使うとは限らないよ」という趣旨のアドバイスをしたのですが、中澤選手は残留を決めたそうな。

普段僕は日本人選手は海外にでてもっと厳しい中でもまれるべき、チャレンジは大歓迎と思っていたのですが、これはこれでいいのかなぁと思っています。駒野選手も自分の決断に自信をもって前向きに頑張って欲しいですね。

k @ 2008年 01月 12日 22:14:56

ruruさん

新年の挨拶とコメントを有難うございます。

同じサンフレッチェ広島の柏木選手は残留を決めたようですが、果たして駒野選手はどのような決断をくだされるのでしょうか。

いずれにしても駒野選手には益々のご活躍(代表を含む)を、そしてサンフレッチェ広島にはJ2優勝1年でのJ1復帰を期待します。


kさん

ご紹介いただいた岡ちゃんと中沢選手のエピソードは初めて聞きました。

岡ちゃんらしいアドバイスだと思いましたが、移籍にせよ残留にせよ、結局は選手本人がどれだけの覚悟を持って事に当たるかに尽きるのでしょうね。

小谷泰介 @ 2008年 01月 15日 11:07:39

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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