岡田ジャパン(岡ちゃん丸)、チリ代表を相手に無難な船出
【1月24日 AFP】サッカー日本代表は24日、26日に行われるチリ代表との親善試合に向けて試合会場となる東京・国立競技場で練習を行った。(c)AFP
岡田ジャパン注目の初戦は寒風吹きすさむ中、東京国立競技場でチリ代表を相手に行われ、0対0の引き分けという結果に終わりました。
翌朝の各スポーツ紙は、「不発!!頭抱えた超攻撃初陣(スポニチ)」「オシムサッカー捨てた、岡田JAPAN(報知)」「岡田JAPAN 劣化」等々、勝手気ままな見出しで1面を飾っていましたが、相も変わらず売らんかなの精神に毒された陳腐な報道に終始。
そんな中、唯一まともな分析をしていたのが日刊スポーツで、理想のゲームでなくてもまだ第一歩に過ぎず、ドローでも良しとする論調でまとめていました。しかし、同紙専属評論家のセルジオ越後さんは、定石通りに否定することから始まっており、ちょっと的はずれと言わざるを得ません。個人的には大好きなお方ですし、日本フットボール界にとっては大功労者であられますが、こと批評の内容に関してはいかがなものでしょう。
「オシム・ジャパンの時からメンバーも変えていないこともあり、寒い内容のレベルの低い試合だった」と越後さんは述べておられますが、発想があまりに短絡的過ぎでは?オシム監督も決して誉めようとなさらなかった方ですから、新生岡田JAPANを誉めろというほうが無理なのかも知れませんが、客観的、かつ冷静な視点を持つことは評論の基本であるはずです。
辛口が売りの御大ですから、お察しする部分はございますが、良いものは良いと認めてこそ、批判した時に説得力も増すのではないでしょうか。同じ辛口を標榜する者として、老婆心ながら衷心よりアドバイス申し上げます。
さて、私の感想はといいますと、ざっと要点をまとめると次のようになります。
1. ポゼッションで上回られ、走り負けた感は否めませんが、シーズンオフ明けの初合宿後の試合であることを考慮すると、致し方の無いところか。
2. 決定的チャンスは相手より多く作り出していた点は評価しても良し。(大久保選手、次は決めようね!)
3. 幾つか流れるようなパスワークが見受けられたのは良かったが、オシム監督下のときに見せた流れの中でのサイドチェンジが全く見られなかった。
4. タイ戦で相手が引いてくることを意識した練習が多かったせいか、敢えて狭い地域で細かいパスを通そうとしている印象が残った。(フットボールはポリバレントやで~。)
5. 相手のチリは、ワールドカップ7回出場の先輩格の国。1962年の自国開催では3位に輝いて体面を保ったし、過去にサモラノやサラスといった世界的スターも輩出している。
また、クラブレベルでも、コロコロがトヨタカップに出場を果たしているし、ウニベルシダッド・カトリカやコブレロアといったJリーグのレベルを凌駕する強豪クラブも存在する。
今回のメンバーにルイス・ヒメネス、ゴンザレス、バルガスといった欧州でプレーする主力組はいなかったものの、モチベーション旺盛な次代を担う若手で構成されており、引き分けは、上々と考えるべき。
6. 何と言っても、岡田監督にとっては初陣であり、断定的な批評をするにはあまりに時期尚早。夏を過ぎてからでないと、総体的な批評は難しい。
以上ですが、私のようなおじさんにとって、チリといえばフットボール大国のイメージが強く、ホームとはいえコンディションの整わない中、日本代表が互角の試合が繰り広げていること自体に感銘を受けました。
日本のフットボールはJリーグ誕生以降、劇的成長を遂げ、確実に底上げが成されています。後は、日本人にあったスタイルを確立し、伝統を築いていくことです。それには指導者が一番大切なのですが、岡田さんがその道筋をつけるにふさわしい指導者であることを祈るばかりです。
なお、今日はボスニア・ヘルツェゴビナ戦ですが、オシム監督の元気になった姿を見ることが出来ると良いですね!
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登録日:2008年 01月 30日 15:33:28
コメント
小谷さんがおっしゃるとおりに、セルジオさんは日本中の子供達にサッカーの楽しさを教え、尚且つ日本サッカー界の発展に大きな貢献をした人物であることには間違いありません。
そしてマスコミが全くと言っていいほど批判しようとしない川淵会長を初めとする日本サッカー協会の体制を真っ向から批判する度胸と姿勢には見習わねば行けない所がありますが、サッカー評論家としてのセルジオさんは正直疑問がつくことばかりです。
僕もサッカーマガジンを初めセルジオさんの批評は沢山見てきましたけど、正直言っていることに的外れなことが多く、僕としてはあまり参考にならないと思うのが正直な感想です。
今回の日刊のコラムでも「 寒~い(内容)、低~い(レベル)試合だった。岡田監督に期待し過ぎていたのかもしれないが、考えてみれば、メンバーも内田以外はオシム監督時代と同じ。監督が代わってもサッカーは変わらなかったようだ。監督が代わっても強くならないのは当然といえば当然か。」と述べていました。
確かに内容的にも結果的にも寒い試合だったかもしれませんが、小谷さんが上記で述べられたように岡田さんが就任してから一試合目の試合で、いきなりすごいサッカーの試合なんかできるわけありません。
おそらく日本はおろか世界中探してもそんな監督いないと思います。
あとセルジオさんは、「監督が代わってもサッカーは変わらなかったようだ。監督が代わっても強くならないのは当然といえば当然か。」と述べていましたが、
これを見て僕がセルジオさんに言いたいのは、オシムさんはそんなに寒くて弱いサッカーをしていたんですかと言うことです。
たまに思うのは、本当にセルジオさんは試合をちゃんと冷静に見ているの?と考えることがあります。
ただ言えることは、この文章を見る限りセルジオさんはオシムさんのサッカーを真っ向に否定しているという事には間違いないですね。
セルジオさんの批判ありきの批評は好きではないので、もう少し冷静な批評を期待したいです。
ボン @ 2008年 01月 31日 00:14:38
ボンさん
いつも丁寧なコメントを有難うございます!
私が伝えたかったことを全て述べていただき、感謝しております。
取り急ぎ、御礼のみにて失礼致します。
小谷泰介 @ 2008年 01月 31日 23:20:19
こんにちは小谷さん。
セルジオさんの批評はボンさん同様に首をひねる事が多いです。
『まず批評ありき』の部分は
ビジネス色が強いですよね。
コメンテーターとしてのキャラクターを維持するために
『演じている』と思うようにしています。
プロレスにヒールが必要なように
あの役目をマスコミが求めているのではないでしょうか??
それにしても的外れな批評が多すぎるのは
心地の良いモノではないですね・・・。
クライフターン @ 2008年 02月 02日 12:32:54
はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいています。
今回の試合は自分の中でどう評価してよいものやら理解しかねていたのですが、小谷さんの評価を拝見させていただいて少しすっきりしたように思います。
自分は最近このブログを存在を知り、それから愛読せていただいています。
昔の記事でコメントをしたいと思うものがあったのですが昔の記事にいまさらコメントしてよいものかわかりかねたのでこの場を借りて少しコメントをさせていただきたいと思います。
過去に日本の目指すべきフットボールスタイルを書いておられて、別の方と攻撃的なフットボールを目指すのか、守備的なフットボールを目指すのかで意見交換をされていたと思うのですが、そのことについて少々。
自分も攻撃的なフットボールがよいと思います。
特に守備に関してそう思います。攻撃的な守備です。今回のチリ戦ではプレスをかわされていましたが、たとえボールは奪えなくともあの位置(センターサークルより少し手前)でプレスをかけて中に入らせないことが大事で、これこそが世界で通用するディフェンスだと思っています。
ボールをペナルティエリア手前で待つのではなく積極的にとりにいく攻撃的なディフェンスですね。
オリンピック世代は見ていて待つディフェンスに感じるので非常に守備的なサッカーに思えます。予選は失点は少なかったですが、本大会では厳しいのではないかと思っています。
最後に自分が目指してほしい日本のフットボールはドイツ大会でのチェコ対アメリカの両チームようなフットボールです。どちらもグループリーグで敗退しましたが、このようなフットボールを日本が目指し、突き詰めていけば日本が世界へ通用するフットボールになるのではないかと思いました。
長文になり申し訳ありません。文章が苦手なもので読みづらいかとは思いますがお返事がいただけると幸いに思います。
シーナ @ 2008年 02月 02日 21:50:19
クライフターンさん
いつもコメントを有難うございす。
貴殿のご意見ははラジカルかつウィットに富んでいるので、コメント欄にお名前を見つけると、いつも「おっ、今回はどんなコメントを寄せてくださったのかな!?」と、わくわく致します。
ところで,セルジオさんがフットボールを愛していらっしゃるのは疑う余地のないところですが、貴殿のおっしゃるように自身のキャラクターを演じなければならないというプレッシャー、つまりは商業主義に振り回されているところがあるのかもしれませんね。
あとは、ブラジル人としてのプライドから、日本のフットボール界が欧州の指導者を持て囃すことに、多少嫉妬のようなものを感じられていたのではないでしょうか。「日本のフットボール界を支え、底上げしてきたのは俺達なんだぞ!」と。
でも、ボンさんもおっしゃっているように、TVで協会を堂々と批判なさっているのはセルジオさんだけであり、見習うべき点は多々あります。
それに、何度かセルジオ御大とボールを一緒に蹴らせていただいたことがありますが、半端じゃなくお上手(コリンチャンスの10番候補だったのですから、当たり前なのですが・・・)だったので、口だけではないところも素敵です。
小谷泰介 @ 2008年 02月 03日 19:04:22
シーナさん
長文のコメントを有難うございます。
まず、昔のブログに関してでも遠慮なくコメントをお寄せいただきたいので、宜しくお願い申し上げます。
なお、日本の目指すべきフットボールについてのご意見ですが、わたしも前線から手を緩めず間断なくプレスを掛け続ける、つまりはDFラインも自ずと高くなる攻撃的フットボールを我が代表は目指すべきだと確信致します。
日本人は総じて勤勉で生真面目であり、ミッションに対する忠誠度も高いので、そういった戦法がマッチしていますし、そこに足元の器用さ、パスワークの巧みさをミックスさせた戦術を追求していくべきだと思います。
これは、気候風土にも大いに関係するところであり、中東や東南アジアの連中に強いても成功するものではありません。日本人だから良いのです。
問題のひとつは、アジア予選等で相手が引いてきた時、どのように打開するかなのですが、だからこそ岡ちゃんは、距離感や狭いスペース(接近)からの展開を訴えているのだと理解しています。
また、岡ちゃんも、高い位置でのプレスを基本としたアタッキング・フットボールを標榜しているからこそ、大木コーチなのでしょうし、オシムの選んだメンバーの入れ替えもあまりなさらないのだと思います。
いずれにしましても、今度のタイ戦は非常に楽しみです!
小谷泰介 @ 2008年 02月 03日 19:26:22
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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