MLBの話しではあるけれど
【10月27日 AFP】08MLBワールドシリーズ、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)の岩村明憲(Akinori Iwamura)は、26日に行われたフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)とのワールドシリーズ第4戦に1番・二塁で先発出場し、4打数無安打に終わった。試合はレイズが2-10でフィリーズに大敗し、対戦成績は1勝3敗となった。(c)AFP/Getty Images
プロ野球は、いよいよ日本シリーズを目前に控え、大詰めを迎えていますが、海の向こうでも、フィリーズ対レイズによるワールドシリーズの熱戦が繰り広げられています。
ワールドシリーズといえば、野球界でも世界最高峰に位置する大会で、メジャーリーガーとなったからには誰もが出場を夢見ますし、そのタイトルを獲得することがシーズン最大の目標であることは疑いの余地がございません。
フットボールの世界でいうと、UEFAチャンピオンズリーグが、まさにワールドシリーズに匹敵する大会であり、そのタイトルを獲得することがいかに至難の業であるかは今更説明する必要もないかと存じます。
さて、もうお気付きの方も多いかも知れませんが、そんなワールドシリーズに於いて、日本人メジャーリーガーが4年連続でそのタイトルを獲得しようとしています。
シカゴ・ホワイトソックスの一員として井口選手が日本人として初めてワールドシリーズを制したのが、2005年のこと。
以来、田口選手(2006年カージナルス)、松坂選手と岡島選手(2007年レッドソックス)、そして今年のワールドシリーズも、どちらが勝っても田口選手か岩村選手がタイトルを獲得することになります。
これをフットボールの世界に置き換えると、4年連続でチャンピオンズリーグの優勝チームに日本人選手がいるということになるわけで、快挙といわずして何と呼べばよいのでしょう。
天晴れ、日本プロ野球界!!
もっとも、第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)では、あのキューバを押さえて世界一の座を獲得しているのですから、日本人選手の潜在能力が高さは既に実証済み。この野球ワールドカップもどきの大会は、メジャーリーグとその選手会による金儲けの大会的意味合いが強く、お膝下の米国チームが本気でないという複雑な事情はあるにせよ、イチロー、川崎といった何人かの日本人野手と、松坂、上原に代表される複数の日本人投手の実力が世界の最高峰に位置することが証明されたのです。
我が日本国の野球の歴史を紐解いたとき、六大学野球に始まり、職業野球、そしてプロ野球と、伊達に一世紀にわたる歴史を有しているわけではなく、その年月の中でしっかりと世界に通用する日本人選手を熟成させてきたということなのでしょう。
予断ではございますが、私は田口壮選手が大好きで、この一見地味な職人気質の選手が、もし2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げたならば、こんなに痛快なことはございません。
イチローでもなく、松井や松坂でもなく、田口という選手がその快挙(まだ、決まってわけではございませんが・・・)を成し遂げるところに、団体スポーツの面白さと、スポーツ選手の持つて生まれた星(強運)の妙を感じるのでございます。
さて、翻ってわが国のフットボール界ですが、本場欧州に10人近くの選手を送り込んではいるものの、バリバリのレギュラーはセルティックの中村選手と、ヴォルフスブルグの長谷部選手、そしてオランダリーグ2部のVVVフェンローに所属する本田選手ぐらいで、残念ながらチャンピオンズリーグの決勝に駒を進めるような強豪チームからお声の掛かる日本人選手はおりません。
トヨタカップで初めて日本に凱旋するJリーグ出身選手は、一体誰なのかと楽しみにしていましたが、残念ながら日本人ではなく、お隣韓国のパク・チソン選手でしたし、日本での現役選手とJリーガーを目指す若人はプロ野球選手をお手本とし、もっともっと世界に目を向け、最高峰の舞台で戦っていただきたいと思うのです。
厳密に言えば、メジャーリーグに代表される米国と欧州のプロスポーツ界の構造に根本的な違い(戦力均衡共存共栄型と弱肉強食型)があるので、一概に比較は出来ないとは言うものの、日本人選手が4年連続でワールドシリーズを制しているという事実は、やはりもの凄いことであります。
ダントツの戦力を誇る金満チームが、13差をひっくり返して優勝したのを、奇跡とか歴史を作ったとか言っているレベルの低い部分もありますが、パワーに劣る日本人でも、世界最高峰の地位まで登り詰めることが可能であることを証明した野球界に、学ぶことは少なくないと感じる昨今でございます。
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登録日:2008年 10月 29日 15:34:13
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- プロフィール
- 小谷泰介
- (著者近影:一昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)
1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。
著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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