お見事!和製ベンゲルこと西野監督!!ガンバ大阪、AFCチャンピオンズリーグを制す!(2)

ガンバ大阪 アデレード・ユナイテッドに競り勝ち次戦はマンチェスター・ユナイテッド

【12月14日 AFP】(写真追加)08クラブW杯(FIFA Club World Cup Japan 2008)準々決勝、ガンバ大阪(Gamba Osaka、日本)対アデレード・ユナイテッド(Adelaide United、オーストラリア)。試合はガンバ大阪が1-0でアデレード・ユナイテッドに競り勝ち、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United、イングランド)と対戦する準決勝へと駒を進めた。(c)AFP

AFPBB News


攻撃的フットボールを標榜するガンバ大阪が、今年のAFCチャンピオンズリーグを制し、同クラブの西野監督は名実共に日本を代表する名将となりました。

勝利数、勝率、タイトル数、そして国外でのタイトル数と、どれをとってもトップクラスの数字を残し、しかも攻撃的スタイルを貫いているのですから、文句のつけようがありません。

又、過日上海で開催されたAFC年間アウォーズ2008年では、最優秀監督賞を受賞し、図らずもアジアでもその実力を認められた格好となりました。

又、先に開幕したトヨタ世界クラブ選手権でも、アデレードを三度零封して準決勝へと駒を進め、注目のマンチェスターとの対戦を見事手元に手繰り寄せました。

準決勝は勝率20%をきる厳しい戦いを強いられるでしょうが、世界の最高峰の強豪を相手に、ガンバらしいパスワークとアタッキング・フットボールをどこまで披露出来るのか、楽しみは尽きません。

余談ながら、個人的には二川選手がスコールズの後釜としてファーガソン監督の目に留まれば良いなあと願っていたのですが、何とか試合に間に合って欲しいものです。

さて、話を本題へと戻しましょう。西野監督の実力、実績は誰もが認めるところですが、総本山である日本サッカー協会内部の評価が不当に低いのではと私は思う次第です。

西野氏の選手時代は、10代でシンデレラボーイと持て囃された割には、期待はずれであった感は否めませんが、彼の現役時代は日本フットボール界の暗黒時代といってよく、他に傑出した選手がいたかと言うと決してそうではありません。

むしろ、ミッドフィルダーでありながら、日本リーグタイ記録となる8試合連続ゴールを記録するなど、12年間にわたる現役生活で平均点を大きく上回る実績を残したと言えるでしょう。

現役引退後は、直ぐに日立製作所のコーチとなり、指導者の道を歩み始めますが、翌91年にはU-20日本代表監督、そして94年からはU-23日本代表監督と協会の期待を担う職に就任。

そして、96年には前園、小倉、川口、城、中田等を率いて28年ぶりの五輪出場という快挙を達成し、アトランタ五輪の本番では、マイアミの奇跡を演出しました。しかし、最終的には優勝国のナイジェリアと、3位のブラジルと同勝ち点ながら、得失点差によってグループリーグ敗退を余儀なくされます。

ところが日本協会は、その戦いぶりをテクニカルレポート上で守備的と断罪。以来、西野氏は協会傘下の指導職とは無縁となります。

実は私、この協会のレポートを未だに疑問視しています。守備的と判断した当時の強化委員会の方達には、若き日のロナウド、ジュニーニョ・パウリスタ、ロベルト・カルロスにオーバーエイジ枠のリバウド、アウダイール、ベベットを加えたブラジルや、カヌーを擁する優勝国ナイジェリアを相手に、どのように攻撃的に挑めば良いのか是非説明していただきたいと存じます。正直に申し上げて、あのテクニカル・レポートは、天が二物も三物も与えた西野氏への嫉妬が入り混じった低級な評価でしかなかったと考える次第です。

戦法を巡っては、一部の選手との軋轢があったようですが、結果的に2勝を手にしたわけですし、敗れたナイジェリア戦でも、あの忌まわしいハンドの反則さえなければ、充分引き分けに値する戦い方ができていたと現場に居て思いました。

まあ、結果、結果というならば、グループリーグ敗退の憂目にあったわけですから、何かしらの理由をつけて批判せざるを得なかったのかもしれませんが、日本の立ち位置や、世界との開きを冷静に分析出来ていれば、テクニカルレポートに守備的と批判する言葉は出てこないと確信致します。むしろ、健闘を讃える言葉こそがふさわしいはずです。

何はともあれ、その後の西野氏が、日本人指導者としては誰よりも着実に成果、実績を残しているにも拘わらず、日本協会との接点をなくしてしまったかのようです。不思議と言わざるを得ません。

何故なら私は、下記の理由で西野監督が、日本人指導者の中では、抜きん出た存在であると考えているからです。

■柏レイソル、ガンバ大阪と決して強くはなかったクラブを強化し、タイトルをもたらした。そしてガンバ大阪にいたっては、日本を代表する強豪に育て上げた。

■攻撃的フットボールを標榜し、魅力的な戦術、戦法を浸透させている。

■選手の個性を充分に活かす術に長けている。

■選手起用や戦術についても、その意図が明確で分かりやすい。そして往々にして采配が的中し、結果が伴っている場合が多い。

■ストライカーは徹底して外国籍選手に拘る等、頑固と思われる部分がなきにしもあらずだが、結果が伴っているので、それは信念と呼ぶべき長所と言わねばならない。

以上ですが、皆様の西野監督評と比較していかがでしょう。

あるところから同氏のプライベートな部分を揶揄する発言を聞いたことがありますが、プライベートはあくまでプライベートであり、職務に支障をきたすようではいけませんが、決してそうではありません。

かく言う私も、もし自分がJリーグクラブのGMであるとしたら、西野氏が最有力の監督候補というわけではありませんが、あまりにも日本協会をはじめとした日本フットボール界全体の評価が低いと感じたので、二回にわたって私見を披露させていただきました。

来る18日のトヨタ世界クラブ選手権準決勝では、西野監督率いるガンバ大阪が、「マイアミの奇跡」ならぬ「横浜の奇跡」を呼び込むことが出来るのか・・・。少なからず期待をしている次第です。

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登録日:2008年 12月 17日 10:13:48

コメント

今頃になってこんなことを言うのはセンのないことだと分かってますが、G大阪が準決勝でマンUではなくキトーと当たっていれば決勝に行けたかも知れないと思ったのはボクだけでしょうか?
普通、5-1になれば戦意を喪失するものですが、そこから2点返して少し相手を慌てさせたのは賞賛に値するものだし、マンUの選手たちもキトーよりG大阪の方に手応えを感じたのではないでしょうか?

アニヤン @ 2008年 12月 26日 12:23:09

アニヤンさん

キトとガンバ大阪が準決勝で当たっていたらという話ですが、私はキトが勝っていたと思います。

確かに、MAN Uを相手になんだかんだ言って3点を取ったことは素晴らしいし、あのパチューカに勝って3位になったことも日本人として誇らしかったです。

ただ、あのキトの堅守速効のお手本のようなパフォーマンスを崩すのは、ガンバとて容易ではないでしょう。伊達にアルゼンチンやブラジルの強豪を破ってリベルタドーレス杯を勝ち取ったわけではないなと思いました。

決勝では、MAN U のコンディションも上がっていましたし、実に玄人受けする試合内容でしたが、ガンバというより、Jクラブはまだあの舞台に立てる器ではないなと痛感した次第です。

でも、バレーがずっとガンバ在籍していて、絶好調であればキトには五分の星を残せたかもですよね。

いずれにしてもタラレバの域を出ない会話であり、大事なことはJクラブが、来年もAFCチャンピオンズリーグを制し、3位以上の成績を収めることだと思います。

小谷泰介 @ 2008年 12月 30日 01:27:25

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:一昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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