日本対ブラジル戦の予測

<06サッカーW杯>クロアチア、右サイドから攻め立てる - ドイツ

【ニュルンベルク/ドイツ 18日 AFP】06サッカーW杯、ドイツ大会10日目、グループF第3試合、日本対クロアチア。後半37分、右サイドのダリオ・スルナ(Dario Srna)から正確なクロスが通るが、クロアチアFWのシュートがヒットせず。写真はセーブしようとするクロアチアのGKスティペ・プレティコサ(Stipe Pletikosa、左)とヘディングで競り合う中村俊輔(Shunsuke Nakamura、右)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA

AFPBB News


クロアチア戦を見終えてハッキリと分かったことは、日本代表がグループFの中で最も弱いチームであるということ、クロアチアはブラジル戦に勝つつもり、即ち高いモチベーションで臨んだために日本戦ではあきらかに戦力、気力が低下していたこと、そして指揮官さえ間違わなければ日本代表にも現段階で予選ラウンドを突破出来る可能性が大いにあったことの三点です。

 
そして、日本代表チームに関して言うと、日本人選手は個の力やパワーではなく、しっかりとした技術に裏打ちされた組織力と走力を持って今後世界に挑むべきであることを、大確信した次第です。

中田、中村、高原、小野、稲本といった黄金世代を持ってしても、あくまで国内基準で黄金なのであって、世界では中の上か、上の下止まり。しかし、中の上か上の下だったとしても、その特性を最大限に活かせる指揮官に巡り会えば、総合力で上、特上へと進化できることは過去の歴史が証明しています。

古くはマジック・マージャルと恐れられた世界最強チームを決勝で破った1954年スイス大会の西ドイツ代表。また、最近では、’04年の欧州選手杯で優勝したギリシャ代表等々で、クラブチーム・レベルに至っては、枚挙に暇がありません。

日本人選手は、もともと器用、勤勉、忍耐強いという特性を組織力で束ねあげた時に、世界と互する力を発揮するのだということを日本のフットボール協会(JFA)はきっちりと認識し、今後の具体的方針に活かさねばなりません。でなければ、サポーターがそして選手があまりに気の毒です。

その具体策のひとつは指導に確固たる信念と哲学を持った教え魔であり、人間的にも優れ、かつ経験のある人物を監督にすることです。協会が恋焦がれるアーセン・ベンゲル氏や、次期候補と目されるジャッケ・エメ氏なら問題なさそうです。しかし、私個人としては、イビツァ・オシム氏こそが未来の代表監督に最もふさわしい人物と確信しています。

さて、話を現在進行中のW杯に戻しましょう。

予選ラウンドの2試合を終えて、私がジーコ監督が就任して以来、公言してきたこと、つまりジーコの下では、予選ラウンド突破は不可能だという点について、大筋では正しかったことを証明できたと思います。大筋というのは、現時点で日本に僅かながらその可能性が残されているからです。他力本願ではありますが、王者ブラジルに2点差以上をつけて勝った場合に望みが残されているのです。

私はそのブラジル対日本戦の同日に行われるクロアチア対オーストラリア戦こそが真のサバイバルを賭けた大一番であり、この試合の勝者がブラジルとともに決勝ラウンドに進むにふさわしいチームだと心底思っています。そして個人的には32年もの間、辛酸をなめ、後一歩のところで何度となく屈辱を味わった末、遂に本大会行きの切符を掴んだオーストラリアこそがその栄誉に値するチームだと考えています。

しかし、オーストラリアが勝ってすんなりと2位の座を獲得する確立と、クロアチアが勝つ確立と、両者が引き分ける確立は全く同じとみなすのが妥当なところであり、それはブラジルに続く2位通過チームの勝ち点が3どまりとなる可能性が高いことを示唆しています。

そしてその単純ではない構図が、マイアミの奇跡再びとか、ブラジル戦に日本の未来をといった今だにジーコ・ジャパンを擁護する論調を生息させているのです。フットボールの先進国であれば、現時点でもっと大々的に4年間を無駄に使ったことへの批判や、今後の改革に焦点を当てた記事のオンパレードとなるでしょう。

どこまでもめでたい国です。この日本国は・・・。

しかし、はっきりと申し上げましょう。ガチンコ相撲をしたときに、日本がブラジルと破る可能性は限りなくゼロに近く、予選ラウンド最終戦を前に既に日本代表は絶望的状況に陥っているのです。

あのオーストラリアやクロアチアが善戦し、ブラジルが苦戦したといっても要所はきっちり押さえ、決めるところで決めてブラジルは一抜けを果たしました。見ようによっては、ブラジルは決勝ラウンドに照準をあわせているために予選ラウンドは調整試合と捉えているふしすらあるのです。その象徴がロナウドとロナウジーニョの2人です。

ロナウジーニョは、ボールこそキープするものの、強引にドリブルで仕掛けることを全くしていません。大きな武器のひとつをまるで封印してどこまでやれるのかを試しているかのようです。また、ロナウドが太りすぎとか切れがないとか言われながらも先発出場を果たしていますが、ブラジルが予選ラウンドを調整と考えているとすれば、納得できます。誰が見てもロビーニョの方が危険でいやなプレイヤーなのですから。 

唯一、日本がブラジルに勝つとすれば、日本とブラジルがジーコを介して密約を結び、出来レースを行う以外にないでしょう。何をばかなことを、とおっしゃるかも知れませんが、W杯の歴史を紐解けば過去に何試合か、そうした八百長まがいの試合があったことを知るべきです。ただし、私はジーコの性格、人間性を信じて、そのような不正は行わないことを信じます。即ち、日本がブラジルに勝つことはありえないと断言しますが、もし、日本が2点差でブラジルを破り、クロアチアが1点差でオーストラリアを破って、日本の決勝ラウンド進出が決まったとすれば、私が否定してきたジーコ監督としての強運は本物であり、私はまだまだサッカーの奥深さを知らなかったといわざるを得ないでしょう。

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登録日:2006年 06月 22日 10:26:04

コメント

内容ごもっともなのですが、誤字が目立ち気が削がれます。

結晶→決勝
起用→器用
用語→擁護
商店→焦点
捕らえている→捉えている

あと決勝Tにはクロアチアに行ってもらいたい

s @ 2006年 06月 22日 13:58:43

ご指摘ありがとうございます。
誤字に関しまして修正いたしました。
今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。

編集部 @ 2006年 06月 22日 14:39:25

小谷さん、やはりその通りになりましたね。
後半はまるで赤子の手を捻るような状態でしたものね。
ズバッと切る小谷節は気持ちいいですね。
勝ってほしかったけど、実力以上にはならないということですね。
今度は、日本を離れて強豪同志の戦いのポイントを、ぜひズバズバと教えてください。

mumu @ 2006年 06月 23日 21:20:22

サッカーや野球などのスポーツに限らず、経営や人生などでも、勝つ為にはいかに戦略と戦術を基にした実践が大切なのか、ということを今回の日本戦3試合で再認識しました。

具体的には、今後ランチェスター戦略を取り入れてはどうでしょうか?ご存知のように、イギリスで誕生し、第二次大戦にアメリカで導入され、日本では経営で磨かれた弱者が強者に勝つための戦略です。

名選手が必ずしも名監督にならないのは、経験値から得た内容で教えることが多いからではないでしょうか?確かな戦略・戦術と経験の交互のフィードバックを意識することが必要だと思います。プロ野球で言えば野村監督やサッカーでは岡田監督タイプですね。

ランチェスター戦略についての具体的内容は、検索してみて下さい。自分の身近なことにでも応用ができ、効果が実感できると思います。

次期監督はそうした戦略と実践に確かな考えと行動のある方なら、日本チームは飛躍的に伸びると思います。

ミック @ 2006年 06月 24日 03:54:58

ミックさん
ランチェスター戦略なるもの、初めて知りました。これから勉強させていただきます。
オシムさんは当然ご存知なのでしょうねぇ。
また、これからも色々と教えてください。

小谷泰介 @ 2006年 06月 25日 06:38:21

日本戦の予想は自信を持ってズバズバ言えるのですが、決勝ラウンドは、正直自信がありません。
70年大会からワールドカップに興味を持ち、過去5回のワールドカップを取材をしたジャーナリストの見解はきっちり述べたいと思いますが、皆さんの予想も寄せてください。見事な予想をなさった方には私から何か賞品を進呈させていただきます。

mumuさん @ 2006年 06月 25日 06:46:35

本日はじめて、このブログを拝見させていただきました。ここまではっきりと言ってくれるブログをやっと見つけました。
もう、二度と今回のような経験(サッカー協会・監督の采配ミスで選手に悔しい思いをさせる事)はしたくありません。
小谷さんが推薦するオシム氏が日本代表監督になった場合、(ほぼ決まり?)どのような選手選考を期待されていますか?
私は、4年後を見据えて思い切った世代交代例えば、FW平山・大久保・田中達・佐藤 MF今野・松井・阿部・本田・古橋 DF田中マルクスなどの選手を積極的に取り入れて欲しいと思うのですが。

りかぽん @ 2006年 06月 26日 15:01:05

りかぽんさんへ
オシムとの交渉、うまくいくといいですね。
選手選考について、はっきりと言えることは、当初は巻以外にもジェフの選手が何人か代表入りするということ。でも、4年後は保証の限りではありません。
いずれにせよ、高い技術があることと走れること、そして日本人の長所である勤勉、実直、愚直、さらに忍耐強い選手が代表に多く名を連ねることでしょう。
とにかく、2,3年後には、オシムに選ばれたイレブンが、ジーコ・ジャパンとは違った閉塞感のないスッキリとした試合運びをみせてくれることは間違いありません。乞うご期待です。

小谷泰介 @ 2006年 06月 26日 19:35:42

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プロフィール
小谷泰介
小谷泰介
(著者近影:昨年7月にチェルシーFCのレジェンドで元イングランド代表のケリー・ディクソン氏とともに)

1955年、タイ王国バンコク生まれ。
フットボール・ジャーナリスト。
四半世紀に及ぶ取材経験をベースにしたジャーナリスティック、かつ辛口の解説はラジオ、テレビで人気を博した。
また、欧州のプロクラブの指導者や選手に知己が多く、クラブ経営にも造詣が深い。
チーム強化に重点を置いたクラブ運営に関する講演も好評。

著書に『拝啓 川淵三郎殿』(モダン出版)などがある。
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