食欲の秋。香港、台湾で食すカジュアルな日本食(?)の味覚

吉野家の牛丼、1日限り「復活」 - 東京

【東京 18日 AFP】牛丼チェーン吉野家が18日、牛丼の販売を1日限定で再開した。日本政府が米国産牛肉の輸入禁止を解除したことを受けて、再開された。写真は同日、吉野家店内の様子。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO

AFPBB News


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 香港の「吉野家」で牛肉飯を食べたことがある。日本で牛丼を中止していたので、話のタネにと思い、ためしに食してみたのだ。

 香港には居食屋チェーンの「和民」や、とんこつらーめんの「味千ラーメン」が人気。「味千ラーメン」は中国進出も果たした。地元系の「元緑寿司」、「元気寿司」、「金太郎寿司」などの廻転寿司も人気がある。デザートやジュースをメニューに登場させたのは、こちらが元祖かもしれない。もっとも、都内の廻転寿司屋で威勢のいい声をあげて握っているのは、ほとんどが中国人になってきているから、いまや、どちらが本場だかわからない。

 台北では、「ドトールコーヒー」を見つけた。コーヒーを飲もうと中に入ると、若いカップルがナイフとフォークで洋食を食べていたので、思わずのけぞって帰りかけた。台湾のドトールでは、洋食を提供するらしい。

 台湾の街角では、「日式刷刷鍋」の看板をよく見かける。「刷刷」とは、「しゃぶしゃぶ」のことだが、実際に供されるのは「しゃぶしゃぶ」とは似ても似つかぬ「寄せなべ」。一人用のセットメニューが豊富で、一人旅行者には結構重宝する。

 食欲の秋を迎え、今回は中華世界で食す、カジュアルな「日本食」(?)のお話。  

◆香港「吉野家」の牛肉飯の味

 龍眼が食したのは、香港は九龍半島尖沙咀の「吉野家」。この地区に「吉野家」は数店舗あるが、龍眼がはいったのは、日本ではあまり見かけない階段で地下に降りる店舗。マクドナルドのような、注文を受けるカウンターと、食べるテーブルが分かれているタイプだ。

 「日式牛肉飯」と、怪しげな広東語で伝えると、いかにもアルバイト風のお姉ちゃんが、うやうやしく牛丼をトレイに載せてくれた。味噌湯(味噌汁)と合わせて、しめて27香港ドル。単品では19香港ドルで、日本円にすると300円くらい。

 感動するのが、日本のファーストフード店ではまずお目にかかれない、高級な割り箸。味噌汁を飲むためのレンゲはちゃちだが、「吉野家」のロゴの入った割り箸袋と、大きな紙ナフキンは、「日本ではおめにかかれないもの」として、記念に頂戴した。

 肝心なお味のほうは、それなりに美味しい。いくぶんツユが少なく、さっぱりした感じだが、ご当地好みの甘さ、くどさは感じなかった。ただし、日本でいうところの「ツユだく」は、いまだ試したことがない。同じ言葉が、ご当地で通用するかどうかも、不明である。  

 香港の「吉野家」には、大盛も特盛もあるが、そればかりではない。ご当地限定の特製メニューがたくさんあるのだ。「野菜煎鷄飯」は、鳥の照り焼き丼にミックス・ベジタブルを合わせたもの。「蟹仔三文魚飯」は、カニ子とサーモンスライスを合わせる。なかには「東坡肉飯」のように、あきらかに中華料理の範疇に属するものも。時間帯によっては、ライスペーパーヌードルに牛丼をかけた「牛肉米粉」にも遭遇できる。

 牛肉の安全性を保障するわけではないが、香港に行ったら、キミも「吉野家」に走れ!
そして、「牛丼特盛り! ツユだく!」と大声で言って、通じるかどうか、試してみて。

◆日式刷刷鍋は、独身者の味方!

 台湾の「日式しゃぶしゃぶ」は、店にもよるが、「豪華海鮮鍋」、「大衆牛肉鍋」など、具材と野菜がセットになったものを、各自選ぶ方式。

 日本の牛丼チェーンのような、U字型のカウンターの店構えが多く、あらかじめテーブルにセットされた電磁調理機で温め、自分で調理して食べる。面白いのは、「しゃぶしゃぶ」と銘打っているのに、スキヤキのように生卵がついてくること。店にもよるが、特別なタレや割り下はなく、スープベース(湯底)に予め味がついている場合が多い。もしも味が薄いと思う人は、テーブルにある調味料で適当に調節すればいい。

 かつて龍眼行きつけの店は、ご飯が食べ放題。おまけに、デザートのアイスクリームも食べ放題。そんなわけで、いつもお腹いっぱい。   

 中国各地の「火鍋」と、日本の「すき焼き」をヒントに、台湾で発明された独自の寄せなべなのだが、鍋料理なのに、一人でカウンターで食べられるのがポイント。火を通すから安全だし、肉も、魚介も、野菜もバランスよくいただける。その日の懐具合でメニューの豪華さも加減できる。台湾の独身者、そして、単身旅行者にとっても、たいへん心強い味方だった。

◆「出前一丁」は高級即席麺!?

 日本の即席麺市場は飽和状態かもしれないが、中国では現在市場拡大中。少し豊かになってきた都市部のニューファミリを中心に、家庭で手軽に調理出来、簡単にとれる食材として、インスタントラーメンに飛びついている。

 日系メーカーも、現地資本と提携して参入している模様だが、長い歴史を持ち、圧倒的な基盤を確立したのが、香港日清食品有限公司の「出前一丁」。中国の工場での現地生産で、日本のそれを超える47種類の「出前一丁」があるという。

 香港の茶餐店(大衆食堂)では、公仔麺(即席麺)は立派なレストランメニュー。朝食のセットや、おやつメニューとして人気がある。なかでも「出前一丁」は高級麺とされ、ふつうの麺より2香港ドル(32円)高い値段をとられる。

 香港名物のトラム(二階建て電車)の横っ腹には、「どかーん」と大きなロゴで「出前一丁」の広告が踊る。もしかしたら、香港の人は、「出前一丁」を、地元ブランドだと、思い込んでいるのかも知れない。

 アジア各地にひろがる日本の食品ブランド。なかには、現地独自のものや、日本とは名ばかりで、似ても似つかぬものにも遭遇するから、ぜひお試しいただきたい。 

カテゴリー[ 中華世界 ], コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 19日 23:30:58

コメント

多汁(ドーチャップ)で、汁だくを注文できますよ。汁が別の器で来ます。
その吉野家、僕がいつも行ってるところです・・・(笑)

まぱんだ @ 2008年 11月 11日 12:08:28

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プロフィール
龍眼
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本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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