2006年 05月 07日
カトリックと中国をつなぐキィ・パースン-陳日君枢機卿選出に注目-
【バチカン 25日 AFP】バチカンで24日、枢機卿教会会議が開催され法王選挙の有権者である枢機卿12人を含む15人が新枢機卿に任命された。香港のジョセフ・ゼン(Josdph Zen)新枢機卿は中国政府の辛口の批評家でこれまで民主化運動に頻繁に参加してきた。写真はサンピエトロ広場(St Peter Square)で他の枢機卿からの祝福を受けるゼン枢機卿。(c)AFP/PATRICK HERTZOG
(写真下)は数十万人を集めた香港の2004年七・一大遊行(大デモ)の集合地点となったビクトリア・パーク(維園)で、キリスト者が催した前段の祈祷集会で説教する陳日君カトリック香港教区主教(龍眼撮影)。
昨年4月2日にローマ法王ヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)が亡くなったとき、バチカンで行われた葬儀には、各地から200万人もの人々が集まり、世界平和に貢献した法王の遺徳を讃えた。その後継として、昨年4月19日世界117人の枢機卿のコンクラーベ(秘密選挙)でローマ法王に選出されたのがペネディクト16世(ドイツ出身)。そして新しい法王を迎え、にわかに注目の的となったのが、バチカンと中国の国交問題。世界170カ国との間に国交のあるバチカンだが、いまだ中国とは国交がない。
そして今年3月24日、バチカンで開かれた枢機卿会議で、新たに補任された15人の枢機卿のなかに、陳日君(チャン・ヤッグン、74歳。写真右)香港教区主教の名前があった。陳日君は上海生まれの中国人。香港700万人の全人口うち、23万6000人(キリスト教全体では53万6000人、『香港2001』による)のカトリック信者を導く頂点に立つ。その陳日君枢機卿が、11億人の信徒を抱える世界最大の宗教カトリック教会と中国との関係改善を探るうえで、にわかに「キィ・パースン」(關鍵人物)として、浮かび上がってきたのだ。
バチカンと中国との国交樹立はただちに台湾との断交を意味するばかりか、中国の民主的発展の可能性を占ううえでも、重要な意味を持つ。
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登録日:2006年 05月 07日 10:01:19
- プロフィール
- 龍眼
- (男)
- 本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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