2006年 06月 30日
どの社も報じなかったマカオの「血のメーデー」事件-返還後最大の流血事態-
【香港 1日 AFP】香港で1日、メーデー(May Day)の記念集会が開かれ、労働者らが香港政府に、最低賃金と最長労働時間制限の法制化や、労働者のための保護政策の改善を要求した。写真は1日、メーデー行進に参加し、横断幕を掲げる労働者の子供たち。(c)AFP/TED ALJIBE
写真は香港でおこなわれた5月1日メーデー(労働節)のデモ風景。こどもたちの後方の横断幕(横幕)には、「パパ!ママ!いつになったら帰ってくるの? どうしてご飯がないの?」という悲痛な叫びが書かれている。その上に書かれている「工盟」というのは、香港職工会連盟という民主派系のローカル・センターの略称。立法会(国会に相当)に、李卓人(カトリック)と、劉千石(プロテスタント)という二人の直接選挙で選ばれた議員を出している。香港にはこのほか、香港工会連合会(工連会)という強力な左派ローカル・センターもある。
イギリス植民地時代から「レッセ・フェール」とよばれる自由放任経済で多くの資本を集めてきた香港は、法人税が安いなど、企業家保護は徹底しているが、対照的に労働者保護は弱い。最低賃金制がないため、低所得者は生活のために長時間労働を強いられている。このため、「香港の労働者は見た目は豊かな生活をしているが、じつは世界一ストレスをためているのだ」、という指摘もある。
いっぽう、香港のお隣の旧ポルトガル領マカオでは、1999年12月20日の中国返還以来、四半期ごとのGDPが20パーセントを優に超えるという空前の好景気が持続している。ところが、絶好調かと思いきや、今年のメーデーでは、「外労反対」(マカオ域外からの労働力導入反対)を叫ぶ2000人あまりの労働者が暴徒化。警官隊の阻止線を突破して政府ビルになだれ込むという、返還後最大の流血事態に発展していた。
日本語媒体がことごとく無視した、マカオの「血のメーデー」事件の深層を追った。
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登録日:2006年 06月 30日 06:17:49
- プロフィール
- 龍眼
- (男)
- 本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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