2006年 07月
史上最大の買春作戦(下)-集団買春とリフォーム詐欺のカンケイ-
【西安/中国 6日 AFP】中国北部の陝西省(Shaanxi)西安(Xian)で5日、売春宿が強制捜査を受けた。中国では1949年の共産革命以降、売春はほとんど根絶されたが、25年間の資本主義経済改革によって再び見られるようになった。写真はソファーの上で身を寄せ合う若い売春婦たち。(c)AFP
本ブログを熱心に読んでくれている香港の読者から、「鶏(売春婦)のリーダーは、『鶏頭』ではなく、『亀婆』というのだ」というご指摘をいただいた。
「うーん、『亀婆』かぁ」。たしかに、「やり手ババア」という雰囲気を出すには、「亀婆」のほうがいいかもしれない。だが、上の写真をご覧いただきたい。連載「史上最大の買春作戦」(上)(中)の写真で検挙された少女たちのリーダーは、こんなに若く、美しい女性だった。
白いお洒落なジャケット、シルクのブラウス。裾の開いたジーンズ。赤く染めた髪の毛もどことなく今風。顔は手で覆っているが、彼女が若く美しいことは、誰しもが認めるだろう。
珠海集団買春事件が発覚すると、広東省の捜査当局は、売春婦(三陪小姐)を集めた「鶏頭」(ガイタウ)たちの検挙に躍起になった。彼女らはいったんは故郷の農村に逃亡して身を潜めたが、やがて検挙され、ふたたび引き戻された。事件発覚後の新聞には、しばらくの間、「湖北省で鶏頭検挙!」などの見出しが次々と踊っていた。
中国人が言うのだから、売春婦の頭目は、「亀婆」とも言うのかもしれない。だが、ここではやはり、中国、香港媒体の記載にしたがい、「鶏頭」のままで通させていただきたい。おそらく、写真の彼女も、もともとは「鶏」(ガイ)だったのだろう。やがて故郷出身の後輩たち、少女たちを集め、若くして、「鶏頭」に出世したのだ。
さて、連載最終回となる今回は、集団買春事件発覚後のできごと。とりわけ、「幸輝」のその後を追った。2005年5月に発覚した一連の悪徳リフォーム詐欺と、集団買春事件がどう関係するのか、読者にじっくり考えていただきたいからだ。
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登録日:2006年 07月 21日 23:02:53
史上最大の買春作戦(中)-ホワイトハウスを揺るがした少女たちの嬌声-
【西安/中国 6日 AFP】中国北部の陝西省(Shaanxi)西安(Xian)で5日、売春宿が強制捜査を受けた。中国では1949年の共産革命以降、売春はほとんど根絶されたが、25年間の資本主義経済改革によって再び見られるようになった。写真はソファーの上で身を寄せ合う若い売春婦たち。(c)AFP
写真は当局の「掃黄」(風俗取締り)で警察車輛に連行される少女たち。社会主義市場経済のもとで、拝金主義が横行する中国では、貧しい生活からなかなか抜け出せない農村出身者のなかに、都会でこの種の職業に手を染める少女たちが多い。
もともと違法な商売だから、就労年齢に下限はない。中学(高校)卒、もしくはそれ未満。中学を出て、打工妹(工場での年季奉公)の経験もなく、いきなりこの職業につく少女たちも少なくない。当然、未成年の少女も含まれている。
中国の少女たちはまだ黒髪のロングヘアーが中心だが、この種の職業に従事する少女たちの間では、ご覧の通り栗色や黄金色に染髪した少女も少なくない。背中が大きく露出した衣装も、堅気の女性にはすくなく、おおむね風俗嬢とみてよい。
さて、珠海粤海大ホテルでの表彰式、そしてホステス(三陪小姐)との楽しい宴会を過ごした「幸輝」の一行は、夜半近くになって、ようやく「国会ホテル」に到着した。いよいよ、めくるめく集団買春の夜の始まりである。
時に2003年9月16日深夜から翌日の未明にかけて。柳条湖事件(九・一八事件)の記念日の前日のことである。
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登録日:2006年 07月 16日 09:39:08
史上最大の買春作戦(上)-ギネスものの集団買春は、組織的に行われた-
【西安/中国 6日 AFP】中国北部の陝西省(Shaanxi)西安(Xian)で5日、売春宿が強制捜査を受けた。中国では1949年の共産革命以降、売春はほとんど根絶されたが、25年間の資本主義経済改革によって再び見られるようになった。写真はソファーの上で身を寄せ合う若い売春婦たち。(c)AFP
中国では売春婦のことを「鶏」(ガイ)といい、その元締めのママさんのことを「鶏頭」(ガイタウ)と言う。また、お酌から売春までお供をするホステスさんのことを、「三陪小姐」ともいう。中国刑法では、売買春はともに違法。公式にはこのような職業はないはずだが、写真のようなカラオケクラブ、あるいは理髪店、サウナ、ディスコなどの形をとって、この種の風俗店は広汎に存在する。重罰を課しても根絶できないから、春節(正月)や国慶節(革命記念日)、さらに全人代(全国人民代表大会)直前ともなると、当局による見せしめ的な「掃黄」(風俗取り締まり)が猛威をふるうのだ。
写真の場合、左端で後ろを向いている白いジャケット姿の女性が鶏頭。他の女性たちが鶏だ。顔を隠した状態で撮影されるのは、この種の「掃黄」ではおきまりの儀式。彼女たちは裁判にかけられ、多くの場合、三カ月程度の強制労働が課せられる。
ところで、本ブログの冒頭を飾った株式会社幸輝(以下「幸輝」)の集団売春事件。昨年来悪徳リフォーム事件を捜査してきた京都府警が、詐欺と特定商取引法違反容疑で、今年4月11日から、「幸輝」社員らを次々と逮捕している。7月15日現在、逮捕者は元取締役も含めて10人。刑事裁判も始まっており、被告は起訴事実をほぼ認めた。
忘れてはならないのが、リフォーム詐欺の莫大な利益で行われた中国「慰安旅行」。2003年12月12~17日に珠海中級法院(地裁相当)lで中国人被告14人に対する裁判が行われたが、裁判の直前、中国紙『新京報』は事件の顛末を詳報していた。『読売新聞』はこれを、「起訴状とみられる」と断じている。
この「起訴状」に、日本の国内媒体で報じられた数々の「幸輝」社員の証言や、独自取材で得た現地情報を総合すると、あらためて異常な「慰安旅行」の実態が浮かび上がってくる。
関係者逮捕を機に、あらためて珠海集団買春事件をふりかえってみた。
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登録日:2006年 07月 09日 19:18:08
- プロフィール
- 龍眼
- (男)
- 本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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