2006年 08月 31日

小泉首相の靖国参拝(下)-戦時下キリスト教系学校の受難-

小泉首相が靖国神社参拝、「内閣総理大臣」と記帳 - 東京

【東京 15日 AFP】9月に退陣を控えた小泉純一郎首相は終戦記念日の15日、近隣アジア諸国の強い反発があったにもかかわらず、東京・九段北の靖国神社を参拝した。
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(c)AFP/KAZUHIRO NOGI

AFPBB News


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2006年の8月は小泉首相の靖国参拝に振り回された年として、歴史に記銘されるだろう。

龍眼は依然として、首相のいう「心の問題」、「個人の自由」という言葉にこだわっている。なぜなら、東京都では、入学式、卒業式などで「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱への服従が学校長の職務命令として義務づけられ、これに反対して従わなかった多くの教師たちが、東京都教育委員会から重い処分を受けている現実があるからだ。処分された教師たちは、給与、昇進などで、生涯にわたって不利益を甘受しなければならない。これは、日本国憲法が保障するところの「思想、信条の自由」、「法の下の平等」には抵触しないのだろうか?公人たる小泉首相は「心の問題」や「個人の自由」を語るが、彼ら教師の「心の問題」はどうなるのか? 彼らには、「思想、信条の自由」や「個人の自由」はないとでもいうのだろうか? 教師、生徒、児童らの「心の問題」は、どうなってしまうのだろうか?

本シリーズの前回では、大学入試にも出題された石橋湛山の靖国神社廃止論」を紹介した。これがなぜ、1986年の立教大学文学部で出題されたのだろうか? 大学入試とは、けっして出題者個人の思いつきではない。社会的な存在である大学が、いかなるスタンスで学問、教育にあたってきたかを表明する重要な機会でもある。当然、極秘のブロジェクト・チームで慎重に吟味、検討が重ねられてきたはずた。前回、本ブログで紹介した入試問題、「靖国神社廃止の儀」は、じゅうぶんに考えぬかれ、出題されるべくして出題されたものだと考えている。

8月の締めくくりは、やはり靖国問題でなければならない。記録しておきたいのは、戦時中、天皇制国家に屈伏したキリスト教私立学校の痛ましい記憶である。

*本稿を出稿するにあたって、本シリーズ前作の「入試にも出た石橋湛山の靖国神社廃止論」を「小泉首相の靖国参拝」の(下)から(中)に改訂し、本稿を同シリーズの(下)としました。
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登録日:2006年 08月 31日 13:26:59

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プロフィール
龍眼
(男)
本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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