2006年 09月

香港民主派リーダー襲撃の「黒幕」-マカオ「カジノ王」の危険な賭け-

民主化推進派の議員、暴行を受ける - 香港

【香港 22日 AFP】民主化推進派の何俊仁(Albert Ho)議員は20日、新税制案への反対デモに参加し、その後に立ち寄った混雑するファーストフード店で数名の男達に押さえつけられ、頭を木の棒やバットで殴られた。これにより鼻の骨を骨折し、頭部を負傷した。写真は入院先の病院で22日、車椅子での記者会見に臨む何俊仁議員。(c)AFP/Antony DICKSON

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 8月20日夕方、香港民主党の何俊仁(アルバート・ホー・チュンヤン)副主席がセントラル(中環)のファーストフード店で暴漢に襲われ、顔面に重傷を負った事件は、本ブログでも速報した。

何俊仁副主席は、鼻を骨折し、右目の網膜手術を受けるほどの重傷だったが、すでに公務に復帰。香港の立法会議員(国会議員に相当)、弁護士として、忙しい毎日を送っている。以前と変わったことは、警察が24時間体制で複数のSPをつけていること。

文明の最先端を走る国際都市香港での政治テロに、政府は「地の果てまでも追いかけ、犯人を捕まえる」(曽蔭権行政長官)と意気込んで見せたが、香港メディアが報じ、警察が注目している事件の「黒幕」は、あまりにも、「偉大」な存在だった。

場合によっては、半永久的にSPを付けざるおえない深刻な事態のなか、香港政界のなかからは、「議員保険を検討すべき」(李卓人立法会議員)という提案まで飛び出した。

 また、重傷を負ったのに、「暴力の威圧にも、私は言論をまげない」と会見して男をあげた何俊仁副主席の姿は、有権者の同情を集め、民主党の支持率が14カ月ぶりに3パーセントあまり、上昇する思いがけない効果も。
 本人は公務多忙を理由に否定するが、党内には今年12月に予定されている民主党主席選挙に何副主席を担ぎだそうとする動きも出て来た。

このほど、龍眼は重傷を負った何俊仁民主党副主席とお会いし、親しく歓談する機会を得た。襲撃事件後も忙しい毎日を送る何副主席の現況と、現地で報道されはじめた事件の背景を報告する。
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登録日:2006年 09月 28日 19:52:02

食欲の秋。香港、台湾で食すカジュアルな日本食(?)の味覚

吉野家の牛丼、1日限り「復活」 - 東京

【東京 18日 AFP】牛丼チェーン吉野家が18日、牛丼の販売を1日限定で再開した。日本政府が米国産牛肉の輸入禁止を解除したことを受けて、再開された。写真は同日、吉野家店内の様子。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO

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 香港の「吉野家」で牛肉飯を食べたことがある。日本で牛丼を中止していたので、話のタネにと思い、ためしに食してみたのだ。

 香港には居食屋チェーンの「和民」や、とんこつらーめんの「味千ラーメン」が人気。「味千ラーメン」は中国進出も果たした。地元系の「元緑寿司」、「元気寿司」、「金太郎寿司」などの廻転寿司も人気がある。デザートやジュースをメニューに登場させたのは、こちらが元祖かもしれない。もっとも、都内の廻転寿司屋で威勢のいい声をあげて握っているのは、ほとんどが中国人になってきているから、いまや、どちらが本場だかわからない。

 台北では、「ドトールコーヒー」を見つけた。コーヒーを飲もうと中に入ると、若いカップルがナイフとフォークで洋食を食べていたので、思わずのけぞって帰りかけた。台湾のドトールでは、洋食を提供するらしい。

 台湾の街角では、「日式刷刷鍋」の看板をよく見かける。「刷刷」とは、「しゃぶしゃぶ」のことだが、実際に供されるのは「しゃぶしゃぶ」とは似ても似つかぬ「寄せなべ」。一人用のセットメニューが豊富で、一人旅行者には結構重宝する。

 食欲の秋を迎え、今回は中華世界で食す、カジュアルな「日本食」(?)のお話。  
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登録日:2006年 09月 19日 23:30:58

陳水扁支える虚しき動員-混迷する台湾の「一国二政府」-

退陣を迫られる陳総統への支持集会に数万人参加 - 台湾

【台北/台湾 16日 AFP】台北(Taipei)で16日、退陣を求められている陳水扁(Chen Shui-bian) 総統を支持する集会が開かれ、数万人が参加した。退陣を求める勢力と総統を支持する勢力の間で衝突が起きないよう、厳戒態勢が敷かれた。写真は緑の旗を持って集会に参加した支持者ら。(c)AFP/Sam YEH

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  9月16日、総統府前では陳水扁総統を支持する15万人(主催者発表)の民進党支持者らが集会を開いた。同じ場所では前夜、施明徳元民進党主席(9月5日AFP配信「24時間座り込みデモ、陳総統への辞任を要求」参照)が呼びかけた「陳水扁を倒せ! 百万人運動」が、陳総統の退陣を求めて100万人(主催者発表、警察は36万人と発表)を集め、集会とキャンドルデモを行ったばかり。会場となった総統府前には、前日の集会以後も陳総統の退陣を求める数百人の市民が徹夜で座り込んでいた。総統府前の使用を許可した馬英九台北市長は双方に自制を求め、警察は厳戒体制をしいていた。

  写真のように、陳総統を支える民進党支持者は緑色の小旗を持ち、「容共中国人は出て行け!」、「台湾をレイプするな!」と、中国エスニックの強い野党支持者への憎悪をたぎらせる。いっぽう、前日のキャンドルデモに集まった人々を写したAFP-BBニュースの写真には、シンボルカラーの赤いポロシャツ姿に混じって、青天白日旗(中華民国の国旗)を打ち振るう野党支持者の姿もあった(9月16日AFP配信写真「陳総統の退陣を求め、再び大規模デモ」参照)。

これまで台湾政界では、前者のような、民主進歩党(民進党)、台湾団結連盟(台連)支持、独立派傾向の強い人々を「緑営」(グリーン陣営)と呼び、対する国民党、親民党、新党支持者など、野党支持者を「藍営」(ブルー陣営)と呼んできた。ところが、「陳水扁を倒せ! 百万人運動」の人々は鮮やかな赤をシンボルカラーに使い、与野党との差別化を印象づけている。

 16日の陳水扁支持集会(挺扁集会)で特徴的だったことは、呂秀蓮副総統、蘇貞昌民進党主席、謝長廷台北市長候補ら与党幹部が、そろって集会参加を見合わせたことだ。いっぽう、前日15日の「陳水扁を倒せ! 百万人運動」(倒扁集会)では、運動とは距離を置いていたはずの馬英九台北市長(国民党主席)が会場に出向いて挨拶し、違いを際立たせた。運動の成否はともかく、施明徳元民進党主席が呼びかけた「陳水扁を倒せ! 百万人運動」に、格段の勢いがある。

 陳水扁総統はこれまで、政権が窮地に追い込まれるたびに、台湾民衆の台湾人意識(台湾エスニック)に呼びかけ、台湾内外の「中国」への敵意を組織することで政権を維持してきた。だが、経済、外交のゆきづまり、あいつぐ与党、身内の汚職疑惑のなかで、ついに、この手法が効かなくなってしまった。疑惑は陳総統自身にも及んでいる。

 民進党執政の六年間に、台湾を「一国二政府」に分裂させてしまった陳総統。とうとう、彼を総統の地位に押し上げた原動力である中道層に見放されてしまった。
     
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登録日:2006年 09月 17日 00:02:56

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プロフィール
龍眼
(男)
本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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