2006年 10月 05日

呂秀蓮の思い、馬英九の思い-それぞれが見せた複雑な表情-

退陣を迫られる陳総統、支持者たちが大集会 - 台湾

【高雄/台湾 30日 AFP】汚職疑惑により大規模な辞任要求に直面している陳水扁(Chen Shui-bian)総統の支持集会が30日、高雄(Kaohsiung)で行われ、数万人の支持者たちがデモで通りを埋めた。写真は、高雄の集会でスローガンを叫ぶ陳総統。(c)AFP/Sam YEH


AFPBB News


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 このほど結党20周年を祝った民主進歩党(民進党)。

国民党一党独裁時代には「党外」と呼ばれ、投獄、白色テロなどの弾圧を一身に受けてきた。 それがミレニアム総統選挙で劇的な勝利を収め、執政6年あまり。政権掌握後は、「民主派政党」としてよりも、「独立派政党」としての色合いを前面に押し出したかに見える。

 議会で多数を占める野党勢力に阻まれ、これといった政治的実績をあげられないなかで、陳水扁総統は台湾民衆の心のなかの、「台湾人意識」を揺さぶり、これを奮い起こすことで、かろうじて政権を維持してきた。

 だが、民進党関係者に相次いだ収賄疑惑。陳総統の家族にもインサイダー取引疑惑が露顕し、ついに総統自身にも、国家安全局資金をめぐる流用疑惑がかけられた。

 この夏から始まった施明徳元民進党主席らによる「倒扁100万人運動」は日増しに勢いを増し、高雄市で開催された民進党結党20年集会は、激しい逆風のなかでの開催となった。

 写真を見てもわかるように、狂おしいまでに気持ちを昂らせる陳水扁総統。そのかたわらで、呂秀蓮副総統が、妙に冷めた表情をしている。もしも、陳総統が任期半ばで退陣する事態となれば、否応なく彼女が「中華民国第11代総統」に昇格するのだ。

 もう一枚の写真を見ていただきたい。2004年12月、当初は劣勢を伝えられていた国民党が、立法委員選挙(総選挙に相当)で辛勝し、野党陣営で過半数を確保した時の記者会見の様子。ひさびさの勝利にはしゃぐ連戦国民党主席(当時)を横目に、腕を組んで複雑な表情を見せる馬英九台北市長(現国民党主席)。それぞれの置かれた立場が、晴れ舞台での表情にも見て取れる。

 台湾政治の節目節目で見せた二人の表情から、「倒扁運動」に揺れる台湾の、今後を占ってみたい。 
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登録日:2006年 10月 05日 05:20:49

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プロフィール
龍眼
(男)
本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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