橋下府知事も知らなかった?「幸輝」大阪府税1億円滞納の後始末-続・史上最大の買春作戦(3)-

中国で再び猛威を奮う梅毒 - フランス

【パリ/フランス 13日 AFP】最近公表された報告書によると、毛沢東(Mao Zedong)時代に根絶されたとされる梅毒が、売春、大都市への人口集中、および粗悪な健康管理により中国国内で再び猛威をふるい始めた。
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大阪の建設会社「幸輝」の集団買春を「ODAのようなもの」と庇った橋下徹弁護士。
大阪府の財政危機を倒産会社になぞらえて、めでたく大阪府知事当選を果たしたが、その橋下知事お膝元の大阪府で、2003年9月に中国で集団買春におよび、日中間の外交問題にもなって社員3人が国際手配されている大阪の建設会社「幸輝」が、大阪市西区土佐堀三丁目の新本社ビル(写真)取得に絡み、大阪府税1億円余りを滞納していたことが明らかになった。

その後、「幸輝」のリフォーム詐欺事件が次々と発覚。埼玉県警、・京都府警の捜査が進み、関係者が次々と逮捕された。これまでの逮捕者は17名、うち起訴13名。法人の「幸輝」(米盛昌敏社長)も起訴されている。

「幸輝」はこの新本社ビルを維持できなくなくなり2006年3月に手放したが、その売却先が、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など、日本を代表するメガバンクに数十億円から百億円超の莫大な損失を与えた、あの「コシ・トラスト」である。

◆橋下弁護士の脱税と闇社会

 橋下府知事が弁護士をしていた2005年春、大阪国税局は、橋下弁護士が過去3年間にわたり、合計約2500万円余りの申告漏れをしていたと指摘した。国税局は過少申告加算税など約1千万円を追徴。橋下弁護士も修正申告に応じていた。これらは弁護士業務の経費として申告した一部に領収書がなく、支払いの有無が確定できなかったため、国税当局が申告漏れとしたものだ。

 これを最初に報じたのは2005年5月23日付『産経新聞』だが、『産経』記者と橋下弁護士との間にはいさかいもあったようだ。のちに橋下弁護士はこの「申告洩れ」について、つぎのように説明している。

 今回、経費性を否定した項目は、法律事務所の法律業に関する経費であり、その経費は調査費であります。(中略)私は、示談交渉において紛議を解決することを前面に打ち出して、顧客を獲得したからです。当然、示談交渉の相手には、不法団体も含まれますし、法廷での解決と違い、法律や判例を振りかざすだけでは解決できません。そこで、さまざまな情報提供者等や仲介者を使い、相手に関する情報を取得し、示談交渉に役立てております。しかしながら、そのような情報提供者からは領収書などは取れません。(下略)


 このように橋下弁護士は、「不法団体」(すなわち闇社会)と親密な関係にあったことを、自らのブログで認めていた。

 じつは大阪府知事選のさなか、橋下弁護士がグレーゾーン金利(相場より高い貸付金利)で有名な商工ローン「シティズ」の顧問弁護士を1999年から03年まで5年間にわたってつとめていたことも報じられていた(『週刊新潮』2008年1月17日号)。

商工ローン「シティズ」の顧問をしていた時期は、国税から「申告洩れ」を指摘され、報道に対して上述の釈明をした時期と、ほぼ重なる。橋下弁護士の法廷での成績は、連戦連勝だったともいう。

  『フライデー』(2008年2月8日号)が指摘した「梁山泊」の榮義則氏との交遊。許永中の愛人がママをつとめるという北新地のバーで交遊を重ねていた一件といい、橋下府知事には、弁護士時代から「経費」として計上したくなるほど、在阪闇社会との深く親密な交遊の歴史があったようだ。

◆「幸輝」は脱税の常習犯だった!

 さて、前回本ブログで橋下弁護士との関係を指摘した「幸輝」は、その上をいく脱税の常習犯である。

 「幸輝」の脱税が最初に報道されたのは、あの中国珠海集団買春事件発覚直後の2003年10月のこと。

日本じゅうが不況と就職難で冷えきっていた時期、「幸輝」は訪販リフォームで年商が倍増、三倍増の勢いで増えつづけていた。かの中国でのギネスものの集団買春事件も、「集団買春疑惑の建設会社、景気の良さに浮かれ」(『夕刊フジ』2003年9月30日)などと報じられ、国税当局にも目をつけられていた。

 大阪国税局は、「幸輝」が2002年11月期までの過去4年間に2億円の所得隠しをしていたと指摘。「幸輝」は重加算税も含め7500万円あまりの追徴課税されていた。報道によれば、「幸輝」は売り上げを簿外口座などに隠蔽し、隠した所得は社員の遊興費に充てていたという(2003年10月21日各紙)。
ギネスものの集団買春旅行の費用は、このようにしてつくられたのだ。

 さらに二度目の申告洩れが報じられたのは、「幸輝」のリフォーム詐欺事件の捜査が進み、大阪本社と東京支店に京都府警と埼玉県警の捜索が入り、元社員2人が逮捕された2005年11月7日からさらに4カ月あまり経過した2006年3月のこと。おりしも埼玉県警が逮捕した二人の不起訴処分を決めた時期にあたり、「幸輝」としては、胸をなでおろしていた時期かも知れない。

このとき、「幸輝」は2002年から04年11月までの3年間に法人所得約2億1700万円の申告洩れを指摘されていた。その手法は、架空の外注費を計上したり、実際には勤務していない人に給与を支払ったことにしたりして経費を水増し。このうち約2億円を米盛社長の個人口座に振り込んでいたというもの。
おそらくは、上部団体への上納金プールであろう。

大阪国税庁は仮装、隠蔽を伴う所得隠しして、重加算税も含めて約9000万円の追徴課税を命じ、「幸輝」はこれに応じていた。また、消費税約800万円も未納だったため、重加算税とあわせ1100万円を追徴課税した。(2006年3月27日各紙)。 

◆報道されなかった「幸輝」の大阪府税滞納

 じつは「幸輝」には、報道されていないもう一つの過去があった。

 「幸輝」はもともとは浄水器、電話機などの訪販を手がけていた会社だが、2001年に子会社「ビーブル」(谷尻浩社長)が訪販リフォームを開始し、これが成功するや、翌年「ビーブル」を吸収合併する形で訪販リフォーム業界に参入した。以後「幸輝」は毎年売り上げを倍増、三倍増させる好成績をあげてきた。

  2003年からは毎年百名規模の新卒採用を開始。同年9月の中国「慰安旅行」が招いた集団買春事件をものともせず、三大都市圏に支店を拡大。社員も全盛期には560人を数えた。05年2月には在日系資本の近畿産業信用組合から28億8千万円の融資を得て、大阪市西区土佐堀三丁目にある旧日本興亜損保大阪ビル(地上18階地下2階建て)をUFJ信託銀行から購入。ここに登記上の本社を移した。

 登記上の本社と書いたのは、「幸輝」が実際にここに入居した形跡がまったく認められないからだ。訪販リフォーム事業は相変わらず大阪府吹田市江坂駅近くの代々木ゼミナール隣にあった旧本社ビルで行われており、系列の広告代理業の「幸輝エージェンシー」(具嶋久徳社長)や輸入紳士服訪販の「ウールバックス」(旧「クレッシェンド幸輝」、青木浩二社長)、さらに「センチャリー21」の代理店だった「幸輝ハウジング」(米盛昌敏社長、登記なし)などの直系企業も、ここに入居した形跡はない。

  ただし、米盛社長はこれら狭義の「幸輝グループ」の頂点に、持株会社「株式会社幸輝ホールディング」(米盛昌敏社長)を2004年12月1日に設立。平成17年4月の1カ月間だけ、その所在地をこの新本社ビルに置いていた。

  「株式会社幸輝ホールディング」の取締役構成は、米盛社長のほか、谷尻浩「幸輝」前社長(2006年10月19日逮捕、起訴裁判中、現在400万円で保釈中)、濱田宏一郎「幸輝」前営業本部長、06年10月18日逮捕、起訴裁判中、現在400万円で保釈中)と、中国の珠海警察から国際刑事警察機構(ICPO)に「組織売淫罪」で国際手配されているT「幸輝」元専務の四人。彼らは「幸輝」取締役のなかでも、集団買春事件やリフォーム詐欺事件で中心的な役割を担ってきた最高幹部。いわば、「幸輝」の四人組である。

  さしずめ新本社ビルは「リフォーム御殿」。私はこのビルをこう呼んできた。

  しかし、「幸輝」が新本社ビルを取得してまもない2005年5月、埼玉県富士見市で認知症の老姉妹が訪販リフォーム業者19社に次々商法で全財産をむしりとられ、自宅を競売にかけられた事件が報じられた。

 「幸輝」はこの老姉妹に総額600万円余りのリフォーム契約を結ばせ、商工ローン大手のO社に与信させていたほか、「幸輝」の営業社員は別に、老姉妹に契約金名目で20万円を現金5万円4カ月分割払を課し、毎月老姉妹宅に集金に現れていた。その4カ月目の2005年1月、O社のローンが焦げつき、老姉妹の自宅が競売にかけられたのだ。

 そしてこれが5月に報道され、悪徳訪販リフォーム詐欺が広く社会問題化する契機となったのである。

 2005年6月29日。こんどは京都市在住の軽い統合障害がある60代のお爺さんが、「幸輝」を相手取って、リフォーム契約の無効と、不要だった浴室工事の原状回復などを求める民事訴訟を京都地裁に提訴した。これを各社が報道。「幸輝」の社名がようやく全国に知れわたった。これまで、日中間の外交問題ともなった珠海集団買春事件でも、埼玉富士見老姉妹リフォーム詐欺事件でも、「幸輝」の社名は一部の例外を除いて伏せられ、報道されなかった。「幸輝」側がマスコミ各社に対して社名を秘匿するよう工作したためだが、民事訴訟が提訴されたことで、社名を秘匿する理由がなくなった。

 かくして、「幸輝」の名は、全国津々浦々まで轟きわたった。

 このため、「幸輝」の米盛社長は2005年6月限りで訪販リフォーム事業からの撤退を決めた。これまで集団買春事件をものともせず、千葉支店、名古屋支店を新設するなど、破竹の勢いで拡大路線まっしぐらだったのが、これらの支店のほか、埼玉支店、堺支店をすべて閉鎖。全社員を大阪本社と東京支店に集中させ、合宿のようなことを始めた。

 訪販リフォームからの撤退が決まり、「幸輝」にリストラの嵐が吹き荒れた。全盛期には650人(数値は08年4月30日、京都地裁米盛社長の最終弁論による)の社員がいた「幸輝」だが、まもなく営業社員ほぼ全員の全員解雇が決定。内勤社員も新事業への配転か退職するかの選択を迫られた。

◆闇紳士群がる「幸輝」新本社ビル

 大阪府が、「幸輝」の新本社ビルに1億136万3500円の抵当権を設定したのは、京都府警、埼玉県警が「幸輝」本社などを一斉搜索した翌日の2005年11月8日のことだ。その名目には「本税金1億130万8000円、付帯徴収金5万5500円のほか、地方税法所定の延滞金」と記されていた。知りうるかぎり、「幸輝」の三度目は、大阪府地方税であった。

 このほかにも、「幸輝」新本社ビルには、過去に「幸輝」と関係した面々も、次々と抵当権を設定していた。まず05年3月30日、本社ビル取得資金を提供した近畿産業信用組合が28億8千万円の根抵当権を設定している。

 「幸輝」本社、東京支店を一斉搜索され、2人の元社員が逮捕された11月7日当日には、さっそく大阪府池田市のK氏が金銭消費貸借取引、証券貸付取引、保証取引、保証委託取引、手形債権、小切手債権を名目に、7億円もの根抵当権を仮登記した。しかし、K氏の住所地は、地図上で見るかぎり福知山線沿線の人家のない山林。素性のよくわからない人物である。

 10日後の11月17日には、こんどは大阪市平野区のT氏が3億円の根抵当権を仮登記した。同氏の住所地は地図上では公設市場のなか。のちにT氏の根抵当権は、T氏が取締役をつとめる大阪市天王寺区のN社名義に書き換えられたが、このN社の登記には、不動産売買などと並び、カジノバー経営、遊技場経営などが記されていた。ちなみに、N社のT取締役の住所地は、別な住所地で登記されていた。

 「幸輝」の新本社ビルでは、不穏な動きも目撃されていた。

 2005年11月2日、「幸輝」新本社ビルに社名を記していない4トン積み屋根付きトラックが次々と横付けされ、中に大量の段ボール箱が搬入された。搬入作業はその後数日にわたって続けられたという。

 「幸輝」の大阪本社と東京支店が一斉搜索された11月7日には、この作業はあらかた終わっていた。それからしばらくのち、こんどは首都圏でも同じような動きが目撃された。警察の一斉搜索から2週間余り経った11月24日、大田区糀谷にあった東京支店にほど近い、神奈川県川崎市砂子のシャンポール互恵ビル内に、突如として「幸輝」川崎支店が設置され、大量の荷物を運び込まれたのだ。これは埼玉支店、千葉支店など、閉鎖された首都圏各地の文書や資材を隠匿する動きとみられる。のちに「幸輝」はこの川崎支店も閉鎖するのだが、このとき大量の物資は、裏口から運び出されたという。

 川崎支店の閉鎖とほぼ時を同じくして、大阪の新本社ビルにも再び社名のない4トン積みトラックが次々と横付けされ、こんどは大量の段ボール箱が次々と搬出された。作業は数日にわたって続いたというが、大量の段ボール箱が積み込まれたトラックは、何処ともなく走り去っていったという。(「ついに摘発! 中国で集団買春事件まで起こしたリフォーム詐欺「幸輝」の18階建て本社ビルの謎」『サンデー毎日』2005年11月27日号、および、本ブログ既報分参照)。

 このとき近所の人が作業員に「幸輝の方ですか?」と質したが、作業員は「関係ない」と答えたという。

◆新本社ビルの転売先は「コシ・トラスト」

  2006年3月、「幸輝」はようやく新本社ビルの転売に成功した。

 捜査が後手後手にまわったとはいえ、訪販リフォーム摘発が、「幸輝」の新本社ビルへの入居を阻んだ。 しかし、新本社ビルにつぎつぎと抵当権、仮抵当権をつけた人々は、転売以前に姿を消していた。

  龍眼は大阪府の徴税部門に、府の抵当権抹消について電話で照会したことがある。担当者は守秘義務を理由に、どのように地方税を回収したのか、あるいは、回収できなかったのかも含め、「勘弁して下さい」と、回答を拒んだ。

  一時新本社ビルを登記上の本社所在地にしていた持株会社「株式会社幸輝ホールディング」も、のちに閉鎖された。同社はしばらく吹田市広芝町の旧本社ビル(土地建物とも賃貸物件)に移って存続していたが、この吹田の「幸輝ホールディング」の登記は、役員構成などがまったく同じなのに、法人番号を違えて複数の「幸輝ホールディング」が存在していた。その一方の清算人には、米盛社長が登場する。

 さて、「幸輝」新本社ビルの転売先が問題である。

 「幸輝」の新本社ビルを買ったのは、このたび、三井住友銀行三菱東京UFJ銀行千葉銀行などに数十億円から百億円余りもの巨額な損失を与えたことが発覚した、あの「コシ・トラスト」なのだ(『読売新聞』2008年3月13~14日、19日記事参照)。

 龍眼は、転売先の「コシ・トラスト」の奇妙な動きを2年前から観察していた。同社の表札に複数の会社名シールがベタベタと貼り付けられていたことや、、同名の法人登記が複数存在し、記載内容が目まぐるしく書き換えられていたのを、ずっとこの目で見てきた。
もっともこれは、「幸輝ホールディング」の登記とよく似た手口でもある。そして、こうした書類上のトリックに、日本を代表するメガバンクが次々と騙され、繰り返し莫大な損失を受け続けていたとは、3月13日に『読売新聞』がスクープするまで、夢にも思わなかった。

  銀行側は「正規の審査を経ており、融資に問題がなかった」(各紙)と言う。だが、これだけ莫大な損失を出しながら、「問題がなかった」と言うのは、あまりにも危機意識が希薄すぎたのではないか。庶民感覚から見れば、気の遠くなるような大金だ。これらが闇社会に流れていたとすれば、明らかに背任ではないか? 融資にかかわった関係者の社内処分が行われ、株主に報告するとともに、当局に被害届を提出するのがフツウではないか?

 巨悪がさらに巨悪を呼ぶ「幸輝」絡みの事件。
はたして橋下府知事は、「幸輝」の府税滞納がどのように処理されたかご存知だっただろうか?(つづく)

【付記】08年4月30日、京都地裁において特定商取引法違反、詐欺容疑で起訴された法人「幸輝」(米盛昌敏社長)と、谷尻浩前社長、濱田宏一郎前営業本部長、南亘前施工管理部長、森本稔前営業管理部次長を被告とするリフォーム詐欺事件の刑事裁判の論告求刑が行われた。検察側は、谷尻、濱田被告に懲役6年、南、森本被告に懲役5年、「幸輝」に罰金300万円を求刑。「幸輝」側は全員無罪を主張した。判決は08年8月15日午後1時30分、京都地裁202法廷で言い渡される。なお、傍聴券交付情報は、京都地方裁判所までご照会いただきたい。

カテゴリー[ 日本 ], コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 02日 12:03:37

コメント

ここまでわかっていても、捕まえたりするの難しいのでしょうね。
悪いことした方が得みたいな感じなんですよね。

bright size life @ 2009年 02月 17日 01:11:07

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プロフィール
龍眼
(男)
本名和仁廉夫。 ジャーナリスト。高校、予備校の教壇生活を経て現職。1990年代から香港問題に関わり、マカオ、台湾、中国、華僑華人世界の持つ多様な観点を紹介してきた。著書に、『旅行ガイドにないアジアを歩く・香港』(梨の木舎)、『香港返還狂騒曲』、『歴史教科書とアジア』、『東アジア・交錯するナショナリズム』(社会評論社)など。自称の「龍眼」とは、中国南部で広く食されるライチに似た果物。淡い茶褐色で、食味はジューシィ。そもそも「龍」とは、中華世界の幻の神獣。「龍眼」はその「龍の眼」に由来している。
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