2006年 04月 30日

Gary Glitter

英国人ロック歌手に懲役3年の判決 - ベトナム

【バリア/ベトナム 4日 AFP】3日、ベトナム南部沿岸のバリア・ヴンタウ(Ba Ria-Vung Tau)省のバリア裁判所で、2日間にわたり行われていた、英国の元人気ロック歌手ゲイリー・グリッター(Gary Glitter)被告の公判が終了した。グリッター被告は児童への性的虐待に問われ、懲役3年を言い渡された。写真は、法廷で判決を聞くグリッター被告。(c)AFP/HOANG DINH Nam

AFPBB News


Gary Glitter を久しぶりに見た。
で、こんなことになっていましたか…。

英国グラムロック全盛期の頃のミュージシャンで当時は名前の如くギンギンな派手な衣装を着て活躍していた。しかしグラムロックとは名ばかりで、お世辞にも容姿端麗とは言えず、同時期のマークボラン(T. Rex)やデビッドボウイなどと同じ路線をたどっていたのが今となっては不思議な感じもする。
しかしそんな彼も、歴史に残る大ヒットを飛ばしていて、現在もその曲は皆に愛されている。

Rock ‘n Roll Part 2

このタイトルを聞いてもピンと来ないかも知れないが、アメリカンスポーツが好きな人なら誰しも一度は耳にしたことがあるはず。ここで曲を再生するわけにはいかないが機会があればぜひ視聴してもらいたい。大方の人が「あー、この曲ね」と、なると思う。
僕は、当時のミュージックビデオを運良く観たことがあるが大してかっこよくは無い。いや、とてもかっこ悪い。踊りになっていない。ただ単にとても派手な衣装をまとい、地団太を踏む化粧の濃いGaryが「ロックンロール、ヘイッ!」と歌い続けているだけ。

しかし、アメリカのスポーツファン(米国民の過半数のはず)は彼の曲をバックにチームを応援する。毎試合のようにかかるあの曲に興奮してチームを鼓舞する。リズムに合わせ手を叩き、奇声を上げる。はっきり言って盛り上がる。
ただでさえマッチョのイメージが付きまとうアメリカンスポーツにおいて、Garyのあの目張りのばっちり入った流し目を想像しながらスポーツ観戦している人間はほぼいないと思うのは僕だけであろうか?ご存知の方も多いかとは思うが、華やかなアメリカンスポーツのイメージの裏側にはとても保守的なスタンスが隠されているのが現状。

アメリカンスポーツ = マッチョ = 保守的

これをどう説明すればいいのだろう?日本の「体育会系」とも違う、このイメージ先行型で国の縮図ともいえるアメリカンスポーツを。アメリカでスポーツをイメージすると…それは男の隆起した肉体美、その体と体のぶつかり合い、攻撃的な男同士の戦い、その鍛え上げられた筋肉が醸し出す興奮状態…
これらは神聖なる男のシンボルとなり、何ものにも侵されてはならない聖域となる。男どもはその聖域を死守する。そして微々たる侵害に備え、異常なまでの執着心を持って予防線を張る。
(男だけが聖域の守り手ではなく、女も。あくまでイメージ上の「男」の話)

ゲイリー = グラマラス = アヴァンギャルド = 革新的

果たして、このような性質を持ち合わせているアメリカンスポーツの現状で、なぜ流し目ゲイリーの存在が受け入れられるのか?
とても簡単である。誰もゲイリーのことを知らないのだから。
彼に対する先入観を持つことに失敗したためにあの曲で異様に興奮することが出来るのです。あのリズムとアスリート特有の肉体美、そのしなやかさを何の疑いもなく直結する。

これは、とても妙でおもしろい、と同時に素晴らしい偶然の為せる業ではないでしょうか。
Garyはゲイリーでギンギンなかっこいいグラムロックになりたかっただけ。
アメリカのスポーツファンはこのリズムに心地よさを覚え、より興奮を求めていただけ。
2つの相反するエレメント、目的も見ている方向も全く異なる2つが、神様のイタズラか、ゲイリーのロック魂とアメリカのマッチョ魂は運命の出会いを果たした。

この、「たまたま」、「ひょっこり」な偶然は毎日何万何千回起こり、何万何千個のおもしろい現象を引き起こしている(残念ながらおもしろい事だけではないが)。
近代以降、人間は自分の意志、考え、主張する脳ばかりを尊重し、偶然の力を軽視する傾向にあります。しかし、この偶然の産物に目を向け、柔軟な姿勢をとり、そしてもっとワイドに受け入れる脳であることが、もっとおもしろい事、素晴らしい事の発見につながり、さらにもっと「生」に喜びを見つけるきっかけになるのではないでしょうか。

Art of Gary Glitter
彼一人の偉業ではない。
彼の曲、たまたまそれにノリにノったスポーツファン、そしてこの妙なコンビネーションをおもしろいと思ったすべての人…
Rock ‘n Roll Part 2を取り巻く環境と「偶然の神様」との絶妙なコラボレーション。

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登録日:2006年 04月 30日 05:28:13

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