2006年 07月 25日
「リアル」で「バーチャル」
【ニューデリー/インド 23日 AFP】ニューデリー(New Delhi)で23日、ヒンズー教のシバ神を祭る行事カンワリアス(Kanwariyas)が開催された。信者たちは、オレンジ色の装束に身を包み、自分の村の寺院にあるシバ神像に注ぐ聖水を、二ールカンス(Neelkanth)、ゴームク(Gomukh)、ハリドゥワール(Haridwar)から運ぶ。徒歩で行われるこの聖水運びを達成すれば、願いが叶い、シバ神のご加護が得られるという。写真はニューデリーで23日、ガンジス(Ganges)川で汲んだ水を運ぶ信者たち。(c)AFP/Manpreet ROMANA
この梅雨の時期、関東では「何だか雨の日が多いな」位の気持ちで毎日を生活している訳なのですが、各地ではそれこそ大変どころの騒ぎではない事態に陥っている「様」です。こんな書き方をするととても不謹慎に聞こえてしまうかもしれません。いや、現地で生活をしている方々にしてみれば、不謹慎極まりない発言以外のなにものでもない筈です。先に誤っておきます。
ゴメンナサイ
ですが、テレビでの現地の様子を捉えた映像を観たところで、大抵の場合は自分が頭の中で理解している自然災害の「概念」と置き換えられてしまい、あまり実感が沸いてこないのが現実。おそらく、このような感覚を持つ人間は以外と多いのではないかと思う。破壊力抜群な台風やハリケーンなども体験済みではあるが、テレビで映像を観ることと体験することはやはり別。あの台風のさなかに雨合羽を身に着け、手に持つナイロン傘がひっくり返っているアナウンサーの様子を映していたとしても、大抵の場合ひしひしと来るものが無い。映像である限り、体に直接ひしひしと来ないのは当たり前といえば当たり前だし、逆に本当に来てしまったらそれはそれで困ってしまう。「リアル・バーチャル」とでも言えばいいのか。「リアル」で「バーチャル」、これ以上無いほどの矛盾をはらんでいるのは承知しているが、実は予測不能な展開を生みそうで興味深い。アニメ「ドラゴンボール」などを観てしまうともう大変である。ゴクウが黄色くなって発する「気」の凄さを感じることも出来るが、油断していると「カメハメ波」を全身で浴びることとなってしまう。おちおちとテレビなど観ている場合ではなくなるし、とても危険な香りがする。
今回選んだ写真はもちろん映像ではない。動画ではないと書いたほうが的確か。動画の特徴として、その情報量の多さが挙げられると思う。音や動きなどがこの情報量を構成していて、あるポイントを超えた瞬間に「臨場感」と呼ばれるモノに変身する。そしていつからか、この臨場感なるものを醸し出すために「ハード」の部分での工夫を凝らす風潮になってきてはいるが、果たしてこの考え方は正しいのであろうか?
確かにスピーカーや画面などが改良され、見ている側にとってみると「迫力のあるモノ」を体験できるようにはなっているが、これではあくまで「体験」の域を超えることは無い。中身、「コンテンツ」の部分でこの臨場感を感じることが出来るのであれば体の内側からそれは感じられるはずだし、「実感」出来るはず。
話を戻そう。
この写真、正直とても暑苦しい。
実際のところは知らないが、そう見えて仕方が無い。絶えるに忍びないほどの湿度を感じてしまうし、この現場に居合わせている人々の汗のニオイがコンピューターの画面から貞子のように出てくる感がある。まるでインドの活気と熱気をそのまま切り取ったかのよう。写真の男性の髪の質感や頭皮のニオイ、そして、所狭しとひしめく人々の腕と腕が雑多の中で触れ、汗でべたべたとするあの感覚が本当によく伝わってくる。サンダルを履く足も何度と無く踏まれるのであろう。見ているだけでこっちまで汗だくになってくる感覚に陥る。この写真には、先日のスペースシャトルのような所謂「メインオブジェクト」的な被写体が無く、写真だけ見ても何について撮られているのかがはっきりとはしない。よって、表向きの情報量は少ない筈なのであるが、感覚的にひしひしと伝わるものが確かに存在している。それはすでに書いたとおり湿度でありニオイであるわけなのだが、これが本当の意味での臨場感なのではないでしょうか?
このニュースサイトは写真の数が膨大で、見る側からすると頭の中だけで世界の実情を知り、理解するに留まらない利点があるように思える。そして、これだけの点数があるせいか、とても良い写真も多いし、中には感情に訴えてくる写真も多い。しかし、この写真のように直接「感覚」に作用するような写真で、表面上の面白さとは裏腹に事実を伝える説得力のようなものを含む写真も存在する事を今回再認識した。写真から受けた感覚が果たして実際の現場の雰囲気と一致しているのかはわからないが、そう信じさせる何かがこの写真にはある。
最近、めっきり聞かなくなった「バーチャルリアリティー」の定義を改めて考えさせられる一枚でした。
Art of 「リアル」で「バーチャル」
モノを感じる箇所は人間の内と外の両方にある。
そして「内」の感覚器官は感情以外でも作動する。
今回は、暑苦しさと汗臭さではあったが…
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登録日:2006年 07月 25日 15:43:34
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