2006年 09月
建物も人生も工事中です― 設計図はありません―
今度、新しく家を借りる事となった。
正確には、作業場を兼ね備えたモノで、今までよりも作業環境が数段アップする予定となっている。 この物件、今風に例えるのであれば「複合施設」とでも言えば良いのか。 築30数年の複合施設ビル。 かなりの年代ものである。
このビル、そう大きくはないモノではあるが、魅力のたくさん詰まった仕様となっている。 当たり前だが、作業場付き。 町工場の多いエリアに建つこの物件、元は同じく町工場の1つであったらしく、1階全体がだだっぴろく、何もないスペースとなっている。 天井までの高さは十分すぎるほど確保してあり、下はコンクリート、さらにはシャッターが2基付いており、作業スペースとしてはこれ以上望めない。 2階は、居住エリア。 そして、なんと言ってもこの物件の目玉は3階。 いや、いわゆる屋上と言われている「あれ」である。 一応、この階は半分が本当に屋外で「屋上仕様」となっており、もう半分はちょっとした屋根付きの「サンルーム」的スペース。 とても風通しが良く、昼間はとても明るい。 早いところ、このスペースを堪能したいものである。
しかし、全ての事物がそううまく行くはずもなく、やはり問題も山積みである。 さすがに築30数年ともなると建物の老朽化も始まるらしく、いろいろなところにガタが来ている。 その中でも本当に大変なのが建物自体の傾き。 こればかりはどうしようもないので、最低限の処置を施す事で対処する事にした。 水平な床をオリジナルの斜めの「ピンポン玉が転がり放題」な床の上に「載せる」方法。 この作業は何気に大変で、そして地味な作業となっているが仕方がない。 これを施さないと、常に傾いた状態で生活をしなくてはならなくなってしまい、おそらく体にも何かしらの影響が出るであろうし、それは必ずしも良いものではない様な気がする。 体の基調を崩してしまっては、元も子もない。
そんな大変なリフォームでも、いったん始めてしまうとこれが意外と楽しめるものとなっており、「ココヲコウシテ、アソコヲアアシテ」といろいろなアイデアが湧いてくる。 隅から隅まで全ての事が終わるのはいつになる事やら、と言いたくなるほどやる事が満載だし、その上やりたい事がどんどん増えていっているのが現状ではあるのだが、そんな過程を少しずつ消化して行く度に、自分の中でこの建物に対する愛着がどんどん増してくるのが手に取るように良く解る。 元は自分とほぼ同じ位の年を重ねて来ただけの「古っぽしい」建物以外の何でもないモノだった訳だが、手を加える度に建物が自分の色に染まっていく感じがあり、且つこの建物自体が自分を建物色に染めていく感も実は感じられたりもする。 結局のところ、建物に自分の手を加える事とは、その相手となる建物を消化し理解する事に他ならない様で、理解が深まる度に新しいアイデアが湧き、それがより深い愛着へと繋がる。 そして、それがまた新たな理解へと繋がり、アイデアが湧く。 そうしてこのプロセスが繰り返され、ここに住む自分とこの建物との間には特別な波長が生じてくるような気がする。 お互いをそれぞれの持つ色で染め合い、少しずつ同系色、または「お似合いの色同士」へと近づいていく。 実はこのような行程は何も特別なことではなく、普段の生活の中で見つけられるものと何ら変わりはない。 人と接すること、家族や恋人と接すること、買い物をすること、ご飯をたべること。 色々な過程において、人間は係わるもの全てと色の染め合いを行っているはずである。
今回の工事はまだ始まったばかりですが、少しずつ進むであろう色の染めあいの過程をこのページを借りて紹介していきたいと思っています。 プロではないので、自分たちのペースでゆっくりと進めていきます。 どうぞ、「流浪な」リフォームを楽しみにしていて下さい。
Art of Coloring Life
やはり、人生は単色よりも色とりどりの方が楽しいと思う
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登録日:2006年 09月 27日 14:30:51
じぃっと眺めていたら、あることに気付いた
スペースシャトル「アトランティス」、ISSの作業を終える - 米国
【フロリダ/米国 18日 AFP】9日に打ち上げられ11日に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしていたスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」が17日、ISSから切り離され、宇宙ステーションに損傷などがないか360度のチェックが行われた。宇宙ステーションの建設工事作業は、2003年のコロンビア号(Columbia)爆発事故以来初めて再開されたことになる。写真は17日、アトランティス号から撮影されたISS。(c)AFP/NASA
宇宙ステーション建設には莫大な時間と労力、そして資金が掛かっていることは決して想像に難しいことではないと思う。 そういう自分もあくまで想像の範囲でこれを書いている訳なのだが。 そんな思いをしてまでも建設される宇宙ステーションも、あの空前のヒットを飛ばした「ガンダム」のストーリー中ではいとも簡単に破壊されてしまう。 それもかなり早い段階での話であったような記憶がある。 もちろん、これはアニメの中の話なので、今回の国際宇宙ステーションに対して、ビームライフルを用いて攻撃を仕掛けてくるジオン軍のモビルスーツなどはおそらく存在しないとは思われるが。 しかし、目的である宇宙ステーションの建設自体のためにその作業員と資材を運ぶだけで本当に大変なプロセスを踏んでいる。 当たり前の話ではあるが、この地球上での資材の調達などはこんなにも大変ではない。 最近では、電話一本で資材の調達から建物の施工までもしてもらえるし、一軒の家が完成するまで、1ヶ月と掛からないとても合理的で便利な世の中となっている。 おそらく、宇宙への資材調達にも電話一本で対応できる時代は来るのであろうが、果たしてその時代を生きて迎えられるかは、疑問である。
ところで、今回選択したこの写真は、どうやら「国際宇宙ステーション」そのものの姿らしいのであるが、どう見ても自分には現物のスケール感や質感、ましてや存在感自体が伝わってこない。 それは、写真の善し悪しからでは無いことを先に述べておこう。 この写真自体には、なにか自分の琴線に触れるところがあるし、そうでなければ選びはしない。 しかし、背景が真っ暗なせいなのか、リファレンスとなる他の物体が写りこんでいないせいなのか、とても不思議な写真である。 頭の中では、この「国際宇宙ステーション」は宇宙空間である軌道の上を「浮いている」との概念がしっかりと出来上がっているにもかかわらず、それをも否定したくなる何かがこの写真には紛れ込んでいる。 そんなことを考えながら、拡大した写真をじぃっと眺めていたところ、あることに気付いた。
「この建設物はあまりにも建築的すぎるのである」
もちろん、実物を目の当たりにしたわけでもなく、あくまでもこの写真からのみの印象で話を進めさせて貰いたいが、この宇宙ステーションは、自分の概念中に存在する「建築」のカテゴリーにかなりしっくりとフィットする。 解りやすく説明すると、「見た目」がとても魅力的で、ある種の「デザイニー」感を持ち、なおかつ細部にわたっても計算しつくされた感じをかもし出している。 そんな概念中の「建築」で、この一大プロジェクトを形容するのはどうかとも思うが、その印象はあくまでも自分個人のものであってどうしようもない。 どうぞお許しを。
話を元に戻そう。
なぜ「建築」的だと、リアリティーを伴えないとの現象が起こるのかと申しますと、自分でも解りません。 普段、雑誌などで、建築家の作品などを鑑賞するときの感覚と何か関係があるのかもしれません。 実際に触れることの出来る空間を持つ建築物を雑誌などの媒体を通して経験すると、すべてを視覚からの情報に頼ることとなり、建築物特有の「触れる」事を放棄することとなる。 「見た目」がとても魅力的で、ある種の「デザイニー」感を持ち、なおかつ細部にわたっても計算しつくされた感、と先ほど書いたが、これらはすべて自分の視覚のみを頼った感想である。 このような、視覚重視の生活を送っている、情報重視の社会をそのまま受け入れている自分の感覚の「ねじれ」が、このような現象を引き起こしたのかもしれません。
Art of 情報と概念
情報を受け入れ、概念と化す
概念を用いて、情報を処理する
この鎖を断ち切ることはできるのか
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登録日:2006年 09月 19日 18:54:01
宣誓書
先日、テレビで「バットマン・ビギンズ」なる映画を観た。
正直に申しますと、この映画がいつ製作されたのか、どれくらいの興行成績を挙げたのかなどの知識が皆無であるため、ここで張り切ってこの映画について語るのは、この上なく危険である香りがプンプンと漂っているので、ほんの触りだけで勘弁して貰い、先へ進みたいと思う。
「バットマン・ビギンズ」
そのタイトルが示す通りの映画。 バットマンの生い立ちとでも言えば良いのか? 平たい言い方をするのであれば、どのようにしてバットマンが誕生したのかを描いたもの。 もちろん、原作者の産みの苦しみをあらわした作品ではない。 あくまで、フィクションの中での誕生話。 もともとは普通の少年であった、ブルース(この物語の主人公であり、バットマンの正体)がヒーローのモチーフとしてコウモリをいかにして選んでいくかを映画の前半でのメインテーマとなっており、後半はその活躍ぶりをハリウッド映画ならではの派手さとともに思う存分堪能できる構成となっている。 後半部分に見られる映像編集の混乱などには、あえて触れずにスルーさせて貰うとして、自分が触れたい部分はこの映画の前半、バットマンの生い立ちの部分。 この映画の主人公であるブルース少年は、幼年期にコウモリとの遭遇の仕方を間違いトラウマを背負ってしまう。 まあ、あまり気持ちの良い生物ではないので、その気持ちも解からなくも無い(劇中では、両親の死もこのトラウマに絡んでくるのだが、ここでは省略させていただきたい)。 長年にわたってこのトラウマを背負い、克服できずに居たブルース少年にその克服への道を示す渡辺健扮する怪しいキャラも早いうちに登場するのだが、この部分にもあえて触れずにおかせてもらう。 その克服への道とは、自らが恐れるものとの対峙、そして一体化。 ブルース少年にとってはコウモリとの面と向かっての対峙であり、一体化。 そうしてバットマン誕生へと至ることとなる。
この劇中で触れられているこの療法は、実際に行われているようだし、その効果も確かだそうだ。
「なら、なぜここで今更、触れる必要があるのか」との声も聞こえてきそうだが、そこは許していただきたい。 只単に自分に興味が湧いたからとしか説明のしようがない。
このようなケースが他人に起こった場合、「自分にとってはどんなものか?」と、己と比べ、あてはめたくなるのが人間ではないかと思う。 もちろん、自分もそうである。 少し前のブログでも書かせていただいたが、自分はムシやカエルがとても苦手である。 特にムシ、それも幼虫系のウニウニと動く奴が本当に駄目。 その中でも、あの成虫になるととても立派なアゲハチョウの幼虫であるアオムシの大きい奴は自分の天敵と言える程である。 ブルース少年と同じく、幼年期における初対面の仕方がどうも悪かったらしい。 最近では、めっきりとその数も少なくはなっていたが、一時期はよく夢にまで現れて自分を困らせていた。 しかし、そのナイトメアーがここのところ、また力を蓄え戻りつつあるのが現状で、自分にとってはエルム街におけるフレディーのように迫ってくる。 その矢先にこの「バットマン・ビギンズ」を観てしまったものだから、何かしらの運命的なものを感じながら、つい画面に喰いつくように映画鑑賞に励んでしまった。
ここ数日間、この「対峙療法」を実際に試してみようと考えている。 正確にはこの映画を観る少し前からまじめに考えていた。 先ほども書いたとおり、最近、節のいくつもある体をクネクネとさせながら自分の夢に出てくる頻度が少し多くなってきたのが気になっていたので。 特に奴らはここのところ調子に乗ってきているようで、本当に害のあるハチ、それもスズメバチを従えて夢に現れるようになってきた。 いくら夢とはいえ、刺されてはひとたまりも無い。 「冗談にも程がある」とはまさしくこの事である。 しかし、自分には奴らと実際に対峙する勇気がこれっぽっちも持ち合わせては居ないので、ひとつの方法を考えてみた。 こんな感じである。 図鑑などを買ってきて、まずは奴らのことをちゃんと勉強し、その体をしっかり観察してみる。 そして、その体の隅々までを絵に起こし、何かしらの形で立体物を作る。 これを、奴らが自分にとって、「未知の生物」の領域を脱するまで続けてみようと考えている。
もう公の場で公言したのであるから、後ろには引けないし、有言実行あるのみである。
少し怖いし、躊躇している部分も自分の中にはまだあるのだか…
Art of 宣誓書
このブログの場を借りて宣誓します
夢に出てくるアオムシと仲良くなる
仲良くなれなくとも、もう逃げなくても済むようになる
そうなりたい…
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登録日:2006年 09月 12日 17:41:38
のんびり屋さん
【台北/台湾 3日 AFP】台湾には、「交流プログラム」の名のもと、中国から大勢の観光客が押し寄せる。
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(c)AFP/Patrick LIN
■歴訪
もう1年以上も前になるが、自分たちも台湾を訪れている。
当初は、タイに遊びに行く予定で色々と計画を立てていたのだが、台北経由のチケットがかなりのお得感を伴い目の前に提示されたため、2国歴訪へと旅行のプランを変更した。タイを訪問し、台湾へ。いつもよりもちょっとリッチな気分を味わえる旅行となった。
タイは既に経験済みであったため、いつも通りの楽しくヌルイ滞在となった。タイという国の持つ気質として、皆がリラックスし、のんびりしている事は良く言われる事であるし有名な話でもある。自分も今までの経験上、その定義は間違っていないと思っていた。いや、間違いではない。ただし、それは日本との比較を行った場合であり、後に訪れた台湾ときたらその比ではなかった。正直、あそこまでゆったりと流れる時間の存在を知らなかったし、思い出すとなぜだか笑みが浮かんでしまう。
結論から書いてしまうと、色々な意味において、「のんびり屋さん」気質のこの国への旅行はとても良いものであった。
■夜市
性格上、ろくに下調べもせずに乗り込んだ台湾でまず驚いたのが首都である台北の小ささであった。ほぼ街の中央に構える安ホテルに滞在した自分たちは、東西南北すべての方角を制覇した(と思う)。そして、そのほとんどが徒歩。もちろん公共の交通機関も利用したが、目的地への距離を考えると、歩きで十分な場合がその大半を占めていたし、何よりもその途中で出会える様々なものがとても新鮮であった。実はその過程での新鮮な発見や出会いの方が大切だったりもする。
台湾の夜市はとても有名である。もちろん自分たちもその例に漏れず遊びに行った。実際、かなりの期待を抱いて訪れたものの、なんとこれが期待はずれ。あまり面白くなかった。しかし、自分たちはめげずに別の夜市に向かうことを決めた。もちろん徒歩で。もともと晩御飯を目的とした夜市訪問であったため、一つ目の夜市から撤退する時点でかなりの空腹状態ではあったが、気持ちを入れ替え、グッと力を込めて新たな夜市に向けて歩き始めた。少し経った頃、ふと見ると老若男女を問わず、歩道にまでせり出した飲食店で楽しそうに食事をしている光景が目に入った。皆がとても美味そうな鍋料理を食べている。よく見てみると、はたしてそれは自分たちも大好きな羊の鍋であった。二人で顔を見合わせ、値段も調べずに「あうんの呼吸」でそこで食事を取ることを決めた。その店での注文の仕方はあるパターンを持ってシステム化されていたが、何とか見様見真似でクリアすることが出来た。値段の事も有り、一抹の不安を抱えながらの食事になるとも思えたが、食事を始めるとともにその邪念は一気に吹き飛んだ。本当に美味かったのである。結局、色々なものを頼み、思う存分食事を堪能した。
そして、いざ会計へ。
多分、何かの間違いであったのであろう。いや、合っているはずが無い。いくら台湾の物価を考慮してもあの値段はない。原価割れもいいところである。
もちろん、ニコニコ顔で首をかしげながらお店を後にしたのは言うまでも無いが。
ちなみに夜市には再度繰り出し、素敵なおばあさんの営む店でとてもおいしい台南料理をご馳走になった。今となっても、あの時食べた料理が何だったのだか、そしてどんな料理だったのかも説明できないが、とにかく美味かった。夜市の一番端、全然繁盛している気配の無いお店だったが本当に美味かった。余談ではあるが、台湾でのウスターソースの消費量はかなり多い。どこに行っても必ずと言って良いほど置いてある。この夜市で出会ったおばあさんもスッとソースのボトルを手渡してくれた。そして、この調味料が色々なものにしっくりとくる。驚きである。
■空気
かなりの繁華街でも、一本、路を入ると本当にゆっくりとした時間が流れていた。自分の小さい頃に見た日本の景色を思い出すようで何か懐かしかった。親日の台湾、台湾と日本との関係を考慮すると当たり前、と言われてしまうかも知れないが、それだけではどうしても説明しきれない。人間にもともと備わっているはずの「おおらか」な部分を惜しげもなく体現している。そんな空気が溢れていた。人間が生活を営む上で大切なエレメントには色々なものがあると思うが、この国で感じた「のんびり屋さん」感は確実にその1つであると思う。少なくとも自分にとっては、ベスト3に食い込んでくる程の地位を占めている。ふと、立ち寄った中国茶葉を売る店で井戸端会議をしていたおばちゃん二人が自分たちを暖かく迎え入れてくれた時、本当にそれを顕著に感じることが出来た。
あそこまでリラックスして日々をすごすことが出来たなら、結構な頻度を持って訪れる、肩コリからの頭痛に悩まされる日々も減るであろうに。そのために、普段からもっと力を抜いて生活しなくてはならないようだ。
Art of 「のんびり屋さん」
羊鍋屋で食事をしていた人たちの笑顔
夜市で台南料理をご馳走してくれたおばあさんの笑顔
そして、中国茶葉屋でもてなしてくれたおばちゃんたちの笑顔
本当にご馳走様でした
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登録日:2006年 09月 05日 18:06:12
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