「メルトダウン・メルトスルー」発表の裏側にあるもの


■第12回「終焉に向かう原子力」
6月26日、日比谷公会堂にて開催された第12回「終焉に向かう原子力」へと出かけた。
ほぼ5時間にわたる長丁場だったが、その長さに苦痛を感じることは「ほぼ」無かった。
あの年季の入った椅子に腰と背中をやられたことを除けば…。

明治大学で行われた4月下旬の同会では、来場者が多すぎて会場のキャパを大幅に超えたため、今回は公会堂での開催となったという。
何を隠そう、我々も会場入りできなかった前回。
渋々と岐路に就いたのである。
今回はセーフ…というより、逆にかなり余裕があったとのニュアンスがより正確だろう。
特に若い世代が少なかったように思う。
…残念な限りである。

同会は2部構成:(1)浜岡原発の現地報告と、(2)原発および放射能の専門家によるトーク。

浜岡原発については、菅首相が「一時停止」を指示したことで広く知られることとなった。
しかしあくまで「一時停止」なので、注視することが必要であるとのこと。
また同施設廃止を求める訴訟についての経過報告があった。
これまで長く延期され続けたようだが、7月に高裁での公判が再開されるとのこと。
一審では、原告被告共に皆ひっくり返る「びっくり判決」だったようで、これが審議されるようだ。

第2部の専門家によるトークでは、先月NHK・ETVで放送された「ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~」の木村真三氏(元放射線医学総合研究所の研究員)によるチェルノブイリでの現地調査報告行われた。
否が応にも現在の福島と比較してしまい、行政および政治の対応のまずさが指摘された。
また現在でも多くの人が健康に問題を抱えつつ、この汚染された地域での生活を続けていることが伝えられた。
事故後、25年が経過した現在でも。

■「冷却材喪失」では都合が悪い?
次に壇上に立ったのは、元原子炉製造技術者の田中三彦氏。
同氏は福島第一原子力発電所での事故について、発表された公式データを元に検証を進めた。
今回は1号機に的が絞られた。
正直、「進行・段取り」に大問題があったものの、最終的に田中氏はとても重要な点を指摘した。
事故後、同氏は早くから「冷却材喪失」が起きているのでは、と指摘していた。
「冷却材喪失」とは、ウラン燃料を冷やすための「水」が無くなってしまうことを指す。
それも津波により電源喪失が起こる前、すなわち地震により配管が破損したことにその原因があると氏は推測する。
勿論、発表された公式のデータを元に検証をした上で。

しかし、これは政府および東電にとっては大問題。
あくまで「悪さ」をしたのは「想定外の津波」であり、地震そのものによるダメージは限定的だったハズなのだから…。
東電の賠償スキームのためにも、また各地の原発再稼動のためにも事態は「想定外」でなくてはならない。
万が一、地震への対策が不十分だったとしても、それが表にでることは絶対に許されないのである。

■「メルトダウン・メルトスルー」発表の裏側にあるもの
そこで彼ら(東電・政府)はどう対応したのか?
田中氏によると、メルトダウン、メルトスルーといった、これまでタブーとされてきた事象について、自ら認める行動を取り始めたというのだ。
それも事故直後には既に起きていたと。

この事象は早ければ早いほど、東電・政府にとっては好都合だという。
というのも燃料冷却の失敗を説明する際、その原因を配管の破断ではなく、あくまで電源喪失によるものと結論づけることができる為だ。
するとどうであろう、彼らがメルトダウン及びメルトスルーを認めたことについて、到底「潔い」などと賞賛することはできないだろう。
「自分たちが描いたシナリオに整合性を持たせるため、敢えてそうしただけ」―田中氏は主張する。
国際原子力機構IAEAにも同じく伝え、「既成事実」を作ろうとしたのだ、と。
所謂アリバイ作りに近い感じなのだろう。

更に驚くことがまだある。
既に発表されたデータの中には、どうやらこの「シナリオ」にそぐわないものがあるようだ。
それら一部データについては、「正確なものではない」と東電は位置づけをしているらしい。
このデータとは事故後の冷却水レベルを計測したもので、ココに来てなぜだか「不正確」なものになってしまったようだ。

検証するにあたり、事故発生直後の観測データが重要な鍵となりうるのは想像に容易い。
しかし東電はこれらデータの存在を否定し、そこだけぽっかりと穴が開いているのが現状である。
そして今度は、既発表のデータを「不正確」として引っ込める。


…キナクサイ感じを受けるのは私だけでしょうか?

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登録日:2011年 06月 27日 15:46:22

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