チーフデザイナーの引退問題

<F1>M・シューマッハ、新車でテスト走行を行う

【バルセロナ/スペイン 26日 AFP】F1・バルセロナテスト4日目。フェラーリ(Ferrari)のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)は新車248F1でテストを行った。ミハエル・シューマッハは78周を走行し1分16秒907の8番手タイムをマークした。(c)AFP LLUIS GENE

AFPBB News


 2006年シーズン限りで引退が確実視されるチーフデザイナーのロリー・バーンであるが、それを見越したフェラーリはドライバーズとコンストラクターズの2冠を達成した一昨年型のF2004から、バーンの後継者に目されている技術部主任のアルド・コスタへそれまでバーンが担ってきたチーフデザイナーの職務の段階的な移管を行ってきた。

■後継者コスタにかかる重圧

 移管プログラムの第2ステージと言われた昨シーズンのF2005は、バーンの仕事をほとんどコスタが代行したといってもいいものであったが、結果として「惨敗」に終わったシーズンでもあった。2006年のニューマシンである"248"(仮称)も引き続きコスタがデザインチームを取りまとめて完成させたものであるだけに、王座奪還は「バーン後継者」であるコスタに課された至上命令であろう。

■空力時代を支えるもう一人のキーマン

 空力面においても、ジョン・イリー(マクラーレンへ移籍したニック・トンバジスの後任として2003年末にルノーから移籍してきた)が空力チーフとしてコンセプト段階から腕を振るった2作目となる。フロントウイング中央にある特徴的なダブルデッキ型の補助ウイングは昨年型から継承されたものであり、イリーの空力デザインのアイデンティティーとなっている。惨敗に終わった昨シーズンと同じコンセプトでフロント周りの空力処理を行っていることからも、風洞実験データに裏付けられた迷いのないパッケージであることがうかがえる。

■皇帝M・シューマッハとの契約の行方を決めるもの

 近年特に、マシンのパフォーマンスがドライバーとの契約交渉において大きな比重を占めるようになっている。"248"のパフォーマンスは今年いっぱいでフェラーリとの契約が満了するエース、ミハエル・シューマッハーの移籍/引退問題にも発展するだけに、"248"のデザインチームにかかった期待と重圧は想像を絶するものがあっただろう。

■2007年以降もバーン頼み?

 その一方でフェラーリはオプションを広げる「保険」をかけたようだ。2006年末に引退するバーンを引き止め、発言力はあるが負担と責任が大きく軽減される「コンサルタント」のポジションを創設して2008年まで引き続きチームの技術部門に留まってもらえるよう工作したようである。2006年以降は目まぐるしく動く第一線の現場からは距離をおき、より長期的なスパンで行われる先行開発プロジェクトに関与していくことになるだろう。テクニカルディレクターのロス・ブラウンはフェラーリ残留を表明しているものの来期のポジションに関してはいまだ不透明な部分を残しており、2006年のフェラーリはテクニカルスタッフの人事でも忙しいシーズンになりそうだ。

コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 02月 04日 17:07:58

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2006年 02月 >



1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28



プロフィール
久慈 護
(男)
■現在の職業:図書館職員。
■経歴:米国留学中にパイロットライセンス取得(ME+Inst.)。商船大学を経て、東大先端研で英国モータースポーツ工業を研究。
■得意ジャンル:英国モータースポーツ工業史、「のりもの」全般。IT。スタジオジブリもの。
■ひとこと:キャリア形成や自己実現において、「個」の力だけの徒手空拳でどこまでできるのか、ということに大変興味があります。
■連絡先:kuji_f1@yahoo.co.jp
■原稿依頼はお気軽にご相談ください(^^)
最近のトラックバック
お気に入りリンク
検索