Paul White Draughting Ltdについて

<F1>バルセロナテスト2日目、ハイドフェルド 2番手タイムを記録 - スペイン

【モンメロー/スペイン 29日 AFP】F1、バルセロナテスト・2日目。BMWザウバー(BMW Sauber)のニック・ハイドフェルド(Nick Heidfeld)は、72周を走行し2番手となるベストタイム1分17秒159を記録した。(c)AFP/CESAR RANGEL

AFPBB News


 スーパーアグリの2007年用マシン、SA07のデザインはシルバーストーン近くに拠点を置く“Paul White Draughting Ltd(以後PWD社という。)”の元でデザインが進行中であるという。


 マーク・プレストン率いるスーパーアグリのデザインチームが2006年シーズンを通してSA06とSA06Bの設計・開発に集中できたのは、裏を返せば2007年用シャシーの開発をポール・ホワイト率いるコンサルティング集団がバックアップしていたからである。そのコンサルティング集団がつい最近“Paul White Draughting Ltd”として会社組織になった背景には、スーパーアグリがFIAやF1コンストラクター各チームに対して行っていた、ホンダの2006年用シャシーを2007年にスーパーアグリが使用する許可を求めた働きかけが決定的に行き詰まったということ、つまり、2007年シャシーを自力で開発せざるを得なくなったことが大きく関係しているだろう。

■ポール・ホワイトのプロフィール
 SA07デザインの中核をなすポール・ホワイトとはどのような人物だろうか。ホワイトの名前が始めてメディアに露出したのは1992年のジョーダン192のデザイナーの一人としてクレジットされたときだろう。ジョーダンは華々しいデビューを飾った1991年シーズンに、翌年のシャシー開発(192)のためにデザインスタッフを強化して倍の6名とした(といってもたったの6人である!)。その中の一人がホワイトで、192のボディワーク・デザインの50%はホワイトがやったと、当時のチーフ・デザイナーであったゲイリー・アンダーソンが言っていた。ちなみに、少々信じ難いが、前年の191の頃はカーボンファイバーのレイアップ(積層作業)までアンダーソン自身がやっていたという本人のコメントがある。

 ジョーダンの後はベネトンでマーティン・ブランドルのレース・エンジニアをやったり、ザウバーにも在籍したことがあるとのことであるが、残念ながら手元の資料でその情報の裏を取ることができない。明らかなことは、2004年にトヨタに加入し、R&D部門、つまり現行シャシーのシーズン中開発を担当するチームに加わり、翌2005年はTF105開発のプロジェクトリーダーだったことである。2005年いっぱいでトヨタを離れ、2006年はスーパーアグリの2007年用シャシー、SA07の開発コンサルタントとなっていたというのは冒頭で述べたとおりである。

 まだ根拠に乏しいが、PWD社は黒幕にホンダの存在が見え隠れする戦略的な「シャシーデザインのトンネル会社」と見られている向きもある。つまりトロ・ロッソのSTR01がレッドブルのRB01シャシーそのものであることの合法性について降ろされたFIAのマックス・モズレーの解釈が参考になるだろう。曰く、ジャガーがレッドブルに買収される過程の中で、その後レッドブルRB01となるシャシーの開発は第3者である外部のデザイン・コンサルタント会社に委託されていた。つまりRB01に関してはレッドブルがコンコルド協定の第3条項が規定する知的所有権を有していたわけではないため、トロ・ロッソが第3者からRB01の知的所有権の譲渡を受けることは可能であるというものであった。もちろんこの解釈には突込みどころが満載なのであるが、このようなトンネリングを可能にするためにトンネル会社を設立したのではないかという憶測があるのである。

 しかし過去の、ホンダやその前身のBARにあったいくつかの事件から考えると、FIAに対して挑戦的な態度を取ることは賢明ではないので、タイトルを狙うホンダがそのようなリスクをとるとは考えにくい。

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登録日:2006年 12月 11日 23:32:07

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プロフィール
久慈 護
(男)
■現在の職業:図書館職員。
■経歴:米国留学中にパイロットライセンス取得(ME+Inst.)。商船大学を経て、東大先端研で英国モータースポーツ工業を研究。
■得意ジャンル:英国モータースポーツ工業史、「のりもの」全般。IT。スタジオジブリもの。
■ひとこと:キャリア形成や自己実現において、「個」の力だけの徒手空拳でどこまでできるのか、ということに大変興味があります。
■連絡先:kuji_f1@yahoo.co.jp
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