Red Bullチーフデザイナーの離脱

<F1・バレンシアテスト3日目>ライコネン、トップタイムをマーク

【バレンシア/スペイン 1日 AFP】F1・バレンシア合同テスト3日目。マクラーレン(McLaren)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)は、120周のテスト走行を終え、この日トップとなるベストタイム1分09秒423をマークした。(c)AFP JOSE JORDAN

AFPBB News


マクラーレンがRed Bull(以後RBと呼ぶ)のチーフデザイナーだったロブ・テイラーをヘッドハントしたが、正確に言うとテイラーはRBと同じオーナーが所有することになった昨年までのミナルディ、現スクーデリア・トーロ・ロッソ(以後STRと呼ぶ)に「人事異動」させられていた。RBとしてではなくSTRのチーフデザイナーとしてこのシーズンオフを過ごしていたのである。

■ルノーからロブ・マーシャルの加入
 RBはこのシーズオフに大規模な技術部門の補強を行ってきたが、その中でも4月に加入することが発表されているロブ・マーシャルの存在が、テイラーをSTRに押しやった一番の要因であろう。マーシャルは昨年のチャンピオンチームであるルノーのシニア・デザイナーであり、また、RBの現テクニカルディレクターであるマーク・スミスがルノーの元チーフデザイナー(2004年末まで)であった関係もあって、マーシャルはスミスの良き右腕となることは間違いない。

■ジャガー末期と新生Red Bullを支えたデザイナー
 テイラーはアロウズのHead of Vehicle Designとして、デザイン部門の実務上のリーダーであったが、2002年の夏頃アロウズが破産した後、ジョン・ラッセルの後任として当時低迷していたジャガーのチーフデザイナーとして招かれた。アロウズもジャガー同様コスワースV10エンジンを使用していたため、設計ノウハウを「輸血」できる即戦力と評価されたからである。ジャガーが2004年終了後にRBに売却された後も残留し、昨年プライベートチームとしては上々の成績であるコンストラクターズランキング7位(34ポイント)を獲得したRB1をデザインした。

■マクラーレンでコフランと再合流
 STRへの「異動」は当然不満であったろう。間もなくマクラーレンに移籍し、「シニア・デザインチーム・リーダー」という肩書きで、マクラーレンのチーフデザイナー(Head of Vehicle Design)であるマイク・コフランの部下となる道を選んだのだ。実はテイラーはジョン・バーナードのデザインオフィス(FDD~B3テクノロジーズ)とアロウズに在籍した時期、その両方ともコフランの部下であった。そういった意味でコフランこそがテイラーの力量の一番の理解者と言える。

■大物デザイナー/エンジニア獲得の報が続く中で
 もうひとりRB内での人事の行方が気になるのが、現チーフ・エアロダイナミシストのベン・アガサンジェロウである。テイラーより早く、2001年の末にはベネトンからジャガーに加入し(マーク・ハンドフォードの後任)、テイラーともにジャガー末期から新生RBを支えたエンジニアである。しかしRBはマクラーレンのチーフ・エアロダイナミシスト(Head of Aerodynamic Development)であるピーター・プロドロモウを1月に獲得しているため、相対的なポジションダウンは避けられない。楽観的な推測としては、アップデートが完了して本格的に稼動を始めたばかりのベドフォードの風洞2号機もあり、RBとしては実績のあるエアロダイナミシストを手元に抱えておきたいはずである。一説にはこのシーズンオフのヘッドハンティングでは「現在の年俸の50%増」を最低条件に提示していたRBであるから、アガサンジェロウに残留を決意させる手段はあるはずである。

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登録日:2006年 03月 03日 13:28:00

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プロフィール
久慈 護
(男)
■現在の職業:図書館職員。
■経歴:米国留学中にパイロットライセンス取得(ME+Inst.)。商船大学を経て、東大先端研で英国モータースポーツ工業を研究。
■得意ジャンル:英国モータースポーツ工業史、「のりもの」全般。IT。スタジオジブリもの。
■ひとこと:キャリア形成や自己実現において、「個」の力だけの徒手空拳でどこまでできるのか、ということに大変興味があります。
■連絡先:kuji_f1@yahoo.co.jp
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