MF1 Racingが風洞エンジニアを獲得
<F1 第6戦・スペインGP>M・シューマッハ フリー走行1回目で2番手につける - スペイン
【モンメロー/スペイン 12日 AFP】F1第6戦・スペインGP(Spanish Grand Prix)・フリー走行1回目。フェラーリ(Ferrari)のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)は、コースを4周し1分16秒099の2番手タイムを記録した。(c)AFP/DAMIEN MEYER
MF1 Racingはどうやら本気で風洞のアップデートに着手するようである。というのも、ウイリアムズの風洞2号機建設プロジェクトに携っていたエンジニア、トニー・ライセンスを近頃獲得したからだ。ライセンスはウイリアムズに移籍するまではジョーダン(現MF1 Racing)のエンジニアであったため、出戻りともいえる。
■ウイリアムズの新風洞建設に携わる
ウイリアムズが風洞2号機の建設計画をスタートさせたのは2002年であった。同年9月には風洞建設のプロジェクトリーダーとしてミナルディからジョン・デイビス博士を迎えている(末尾でデイビス博士の近況について触れます)。ライセンスもおそらくその時期にジョーダンからウイリアムズに移籍していたものと思われる。100%モデルも使用可能で、実際には60%モデルが使用されるウイリアムズの風洞2号機が完成して調整を受けた後、設計/開発のために稼動を始めたのは2004年のシーズン末からシーズンオフの辺りであると思われる。
■風洞開発プログラムの中断
風洞のアップデート自体は好ましいことであるが、アップデート作業が始まるとその期間は風洞が使用できなくなるということが大きな問題となる。空力開発プログラムにとっては致命的とも言える。新車開発のための風洞試験と、現在のマシン開発のための風洞試験が同時にできなくなるわけである。テクニカルディレクターのジェームス・キーは今年の7月から8月にかけてアップデートを行い、9月にはサービスを再開したいと語っている。また、アップデート期間中は他企業の風洞をレンタルする形で乗り切りたいとしている。
■どこの風洞を借りるか?
現在のM16は自社風洞だけでなく、イタリアのダラーラの風洞も使用して開発が行われたものである。風洞を借りるとすれば、すでにM16の開発で実績のあるダラーラの風洞が一番の候補であろう。キーによると現在風洞は一日18時間/週6日のペースで稼動している。ダラーラがシャシーを供給しているカテゴリーはほぼダラーラ製シャシーの寡占状態か、あるいは独占供給かという状態であるのは確かであるが、一方で開発しなければならないシャシーが多種に渡るので、7月から8月という重要な時期に長期間風洞をレンタルする余裕があるかどうか。仮にMF1 Racingがダラーラ風洞を借りることができたとしても、現在のようなペースでは開発できないことは間違いない。
■風洞のアップデート内容
現在40%モデルを使用しているMF1 Racingであるが、今回のアップデートでは50%モデルを使用可能にするという。また、設備自体はそれ以上のサイズのモデルをテスト可能なものにするという。この風洞は旧ジョーダン時代にも一度アップデートを行っている。96年末にマーチ系のエアロテック社から風洞を買収した際、33%から40%風洞にアップデートしている。この作業も前述のデイビス博士が担当したものである。
一方で、風速に関しては現在の最大40m/sから変わらない模様である(将来的には60m/sにしたいとは言っていた)。最大風速の点で他チームの風洞より劣っているため、モデルを50%にスケールアップすることで風速のハンデを補い、より正確な開発を行うことができる。
■デイビス博士の近況
ライセンスのウイリアムズ時代の上司、デイビス博士について。ジョーダン、アロウズで風洞のアップデートと調整やウイリアムズの風洞2号機建設と、近年はF1界きっての風洞スペシャリストとして評価されていた。ウイリアムズの新風洞がサービスインする前後の2004年の11月頃、ウイリアムズを離れて独立し、ドラゴンフライ・テクノロジーという企業を立ち上げた。
最近は身体障害者のためにギヤシフトやブレーキをアシストするシステムを製作している。
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登録日:2006年 05月 19日 17:13:26
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- 久慈 護
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- ■現在の職業:図書館職員。
■経歴:米国留学中にパイロットライセンス取得(ME+Inst.)。商船大学を経て、東大先端研で英国モータースポーツ工業を研究。
■得意ジャンル:英国モータースポーツ工業史、「のりもの」全般。IT。スタジオジブリもの。
■ひとこと:キャリア形成や自己実現において、「個」の力だけの徒手空拳でどこまでできるのか、ということに大変興味があります。
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