顔といきざま


余暇があるときには、新しい映画よりむしろ古い映画を好んで見ることが多い。子供のころから白黒映画とか、カラーになりたての映画などをよく選んでみていたように思う。今もそのまま。新しい映画でも面白いものももちろんあるけれど、画像が懲りすぎていたり、複線を張りすぎたりしているものが多いので、私にとって忙しい日常の息抜きには向かない。

昔の映画はストーリーの骨格が単純でわかりやすいために、感覚を無理に盛り上げなくても自然に理解できるので見ていてあまり疲れない。ぼんやりと、あるいは子供のころのように、純粋に古きよき時代のスターたちの美しいステレオタイプにすっかりとはまって、その少々ゆるやかな非現実性を楽しむのだ。

ところでそんな私でも、60年代から70年代にかけての映画は子供の時にあまり見ていなかった。(たぶん大人=親にとって、その時代のものは子供には向かないものが多いと判断したのかも)これらの時代の映画を楽しめるようになったのは30代になってからだ。

60年代の映画は、面白いというより興味深く映る。特に女性の髪形と、男性のスーツのシルエットは流行というものがどれだけ人々に影響を及ぼしているかよくあらわしている。そんな時代を映す「セックス・シンボル」、ブリジット・バルドーとソフィア・ローレンもいまや70代の半ば。寄る老いの中に見出す女の輝き。彼女たちの生きざまはどれだけ顔に刻まれているだろうか。男性と女性では、彼女たちに対する見方も違うだろうけれど。

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登録日:2009年 09月 29日 10:46:18

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福嶋 美香
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◆経歴:ふくしまみか
ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。千葉県八千代市在住。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり、日本や海外で活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。近況などは上記「ブログ」のリンクからどうぞ。
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