スウィートなスイーツ

<ジャパン・ファッション・ウィーク>シアタープロダクツ、新作を発表 - 東京

【東京 4日 AFPBB】9月4日、第3回目となるジャパン・ファッション・ウィーク(JAPAN FASHION WEEK)が世界に先駆け開幕した。初日には、シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)が新作を発表した。フワフワとした素材使いやペールカラーをベースにしたコレクションは、まるで甘いお菓子をイメージさせる。モデルの演技やショーの演出など、ストーリー性を重視した構成が観客を楽しませた。(c)AFPBB/KEN SHIMIZU

AFPBB News


週末、読売新聞の紙面で「百貨店で買える 秋のイチ押しスイーツ」と題した記事を見た。高島屋は「和栗のモンブラン」、三越が「吉廼家おとぎ草子(月見)」、大丸が「カシスモンブラン」、伊勢丹は「葡萄とローズマリーのケーキ」、西武が「栗のロールケーキ」。どれも和洋折衷な雰囲気を漂わせる名前で、栗やブドウがこの秋の注目株とのことである。お菓子の名前やデザイン、素材なども、アパレル・ファッションと同じでトレンドがあり、それはそれで、四季折々の素材を楽しむ日本のよさと思えば楽しいものだ。
・・・

日本のお菓子は見た目も決め細やかで美しい。口当たりはなめらかで繊細、甘さは控え目、パッケージもこっている。デパ地下などの少々高級なお菓子たちはもちろん、スーパーやコンビ二にも趣向をこらしたお菓子たちが並ぶ。

そうした世界トップクラスとも誉ある日本のお菓子たちだが、もともとは外国からやってきて、後に日本的に手が加えられたものが多いのは周知のとおり。小麦粉の焼き菓子や乳製品関係のお菓子はとくにそうである。

いくら元祖だからといって外国で口にするお菓子が、日本人にとって本当においしいとは限らない。しかし見方をかえれば、「元祖」なだけあって、逆に素朴な味わいを楽しめるものは多い。

例えば私が慣れ親しんだイギリスは、「気取らない」お菓子の王国だ。特においしいのは小麦粉系。形もぶかっこうで、小麦粉そのものの味がする。フランス産ケーキのようにフンワリしていないことがほとんどである。ケーキだよ、といって出されたものが、日本人にとってはクッキーのように思えることも多い。

イギリス人はクッキー(のような形をしているもの)を総称してビスケットと呼んでいる。日本で有名なマクビティーのダイジェスティブビスケットをはじめ、とにかくいろいろな種類がある。日本のおせんべいのようなものだろう。

そうしたお国柄の中で、私はある日イギリスで「抹茶入り」クッキーをつくってみた。反応はいかがなものか。はじめ「なんだこの緑のビスケットは??????」とイギリス人から不審がられた。でも一度口にして、「かなりおいしい!一体なにがはいっているのか????」とお世辞ヌキに喜んでくれた。ほどよい甘みとほどよい苦味。抹茶クッキーは日本ではもうおなじみだけれど、実際西欧人の口にもピッタリ合うらしい。日本人としては嬉しい限りである。

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イギリスでは、小麦粉とバター、コレさえあれば一丁前のものが焼ける。神経質にレシピを測ることなく、目分量。卵がなくてもOKである。スコーンなどがいい例だが、そのちょっとした発展型で一般家庭で簡単につくれるひとつがジャムタルトだ。

小麦粉を「テキトウに」ボウルに入れ、バターも「テキトウに」さっくり練り合わせ、丸いおせんべい型のクラストをつくる。円周にそってへりをもちあげてお皿型に。そこに、ジャムをボテッと入れ込んで、200度くらいのオーブンで、様子をみながら「テキトウに」焼く。焼き目がついていい頃合と判断されるころに、火からあげる。

すると、見た目は悪いけど素朴で味わいのあるジャムタルトができあがる。あついうちに、サクサクと食べる。日本のように、型をとって、飾りをつけて・・・なんて面倒くさいことはしないのが、かえっていい。(とはいえ、そうした大雑把で素朴なお菓子の国から帰ってくると、日本という繊細で洗練されたお菓子の国ぶりに素直に感動する・笑)

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ところでここ数年、お菓子や甘味はスイーツと呼ばれるようになってきた。誰が言い始めたのかはわからない。語源は英語でsweets、つまりお菓子・甘味である。

日本語表記にしてなぜこれが「スイーツ」であり「スウィーツ」でないのか不思議である。外来語→カタカナ表記の日本語の一般的なルールとしては、スイーツは、むしろホテルのsuit roomスイートルームなどにあてられるべき言葉だ。

時々、ホテルのパンフレットなどで、スイート・ルームがスウィート・ルームと混同されているのを見かける。ホテル用語ではスイート・ルームsuit roomが正しい。まぁ、スウィートであれば結局「ステキなお部屋」という意味になるからどちらでもかまわないかもしれないが・・・。

とにかく、スイーツはお菓子の別名としてすっかり市民権を得てしまっていて、いまさら訂正の余地もなさそうな感じだ。

英語のスイーツといえば、なんとなく生クリームとイチゴを想像する。フランス語のパティスリーは砂糖のかかったクロワッサンやショコラ系、イタリア語のドルチェはクリーミーなひんやりジェラート系・・・といったようにイメージするものが微妙に変わってくる。

店によっては、「当店ではお菓子はスイーツではなくドルチェと呼びます。イタリアのものですから」と、わざわざご丁寧に主張してくれたりする。ささやかだかけっこう重要なブランド・マーケティングでもある。それはそれで、柔軟に対応して楽しんでしまうのが日本のお国柄。

私個人はお菓子という意味でスイーツという言葉を使うのはなんとなく気恥ずかしい。「お菓子」とか「甘味」という言い方のほうが、断然好きである。でも、昨今ではスイーツとしたほうが甘味フリークのアンテナに響くそうだから、これまた甘いお話である。

カテゴリー[ 食べ物・飲み物 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 20日 09:20:14

コメント

お国によってお菓子も様々ですね。
お菓子に限らず食べ物の味付けや姿かたち或いは
食材の混合や組み合わせもそれぞれの歴史や文化や気候などとも
関連し研究素材として興味がつきませんね。

バラエティに富んだ食べ物、芸術の領域までいっている
盛り付け、正に日本食はその極地と見受けられます。和食に
限らず世界の食べ物が一流のコックの手で自由に口にできる
日本。幸せな国に生まれたことをありがたき事としみじみ
感じる今日この頃です。

ガンジー @ 2006年 10月 15日 10:39:00

気候とお菓子の関係はけっこう重要だなぁと思っておりますよ。
イギリスでおいしいと思える甘いお菓子が
日本だとなんと「まずい」と感じてしまうことがあるほどで。
(まぁ、フランスやベルギーのものでしたら
そんなことはないのかもしれないですけど・・・笑)

持論としては、土地のものを土地でたべるのが
一番おいしく、またぜいたくなものである、ということです。

mika @ 2006年 10月 23日 14:05:51

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ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。千葉県八千代市在住。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり、日本や海外で活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。近況などは上記「ブログ」のリンクからどうぞ。
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