ファッション・マニエリズム(2)
07年春夏ミラノコレクションで見るトレンド:大きなバッグでコントラストをつけるー東京
【東京 10月1日 AFP BB News】
9月23日から8日間に亘り開催されたミラノコレクションも無事30日に閉幕した。
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<その2> ユニフォーム文化小論。
日本の「若い」女の子は世界で一番ファッションにお金をかけるという。おしゃれでもあるという。最近は女の子だけではなく男の子もかなりファッションに気を使っている様子。流行は時代の気分を反映するものとして、ときに目をはなせないものを生み出す。でもそれが行き過ぎると、どうにもこうにもユニフォーム化しがちなのが日本である。果たして、流行つまりファッショナブル=オシャレであるのかどうか――。
…
英語でざっくりといえばユニは統合、フォームは形状だ。「僕は青いハンカチは持たない」といって独立独歩の個性派を気取っても、彼らが集まればその場の空気はやはりユニフォーム化へとむかう。類は友を呼ぶとはよくいったものである。
どんな店でもブランドでも、大体「イチオシ」というものがある。ときにはそれを「捻出」して「トレンディ」「先端」といわしめたりもする。メーカーやショップにとっては他との差別化ポイントとしてのトレンド打ち出し術である。
たとえば写真の「デカバッグ」。ブランドのイチオシだそうである。確かにインパクトはある。でももしこれがはやりすぎたらやはりそれもまたユニフォーム化の道へすすむ。中になにをいれるのかも、やはりナゾのままである。
***
ユニフォームといえば、学生服やスポーツのそれが典型である。それにもやはり、流行がある。長かろうが短かろうが話題になるのにかわりはない。ミニスカ制服が「エースを狙え!」の時代から返り咲きする前は、「不良」だとか「スケ番」とかいわれたお姉さま方が、相当ながいスカートをはいていて、これまた教員たちは長さ対策に奔走していたものである。
そうおもうと、ひきづるほどのスケ番スカートも平成にはいってからのパンツを隠すこともできない超ミニスカ制服もたいしてかわらない。ちなみに私は、この超ロングスカートがすこしずつ超ミニスカートへと移行しつつあるころに高校生だったので、スカートの長さは膝丈で収まっていた。ユニフォームはこうやって細胞分裂し、そして一定数をこえるとまた平常ユニフォームへと帰還していくのである。
そういえば、バブル崩壊しばらくしてブリーチヘアがおしゃれといわれたりしたことがあった。それが加熱してブロンドどころか白髪ブリーチまで登場。でもそれは短命で、ブリーチだとあまりに「下品」というので20~30代の幅広い層の間で、一時期「上品に」髪を染めることが一時期に流行した90年代。マロン色だの、クリームティ色だの、キャラメル色だの、ビスケット色だのといささか微妙すぎる商品名の髪染液が売れに売れた。
多種多様な髪色・髪質の人々に囲まれたイギリスから帰国したときに、この様はかなり異様であった。このころに会う日本人の女の子のほとんどが息をあわせたように髪を染めていて、まるでヘルメットのようにみえたからである。
そのとき、理不尽にも高校時代に「茶色いから黒く染めなさい」と先生いわれた私のオリジナルの髪が、ものすごく黒く感じられた。そしてそのころ数人から、「“外国にいっていたのに”髪の毛が黒いんですね」という言葉をいただいた。外国にいくと多くの日本人が髪を染めがちなのかどうかはわからないが、とにかく私はユニフォームの枠から逸していたようだ。
***
日本では時代に乗ってしかるべき、そうでなければ「格好悪い」「イケてない」という焦燥感が次から次へと生まれるようできている。(もちろん、それにまったく興味がない人々もいるが、1億3000万の人口の中での比率を考えればそれは少数派だろう)。
短命の流行を「はしか」と形容する人がいる。そして日本は「はしか産業」のオンパレードなのである。日本のユニフォーム化は一過性の羨望と所有欲の具現化かもしれない。コンセンサスのとりやすいお国柄ゆえの現象といえる。
日本は穏やかで、忙しい。平和でのどかなのだが、同じくらいせせこましく追い立てられることもある。そうした不可思議さが日本産業経済の原動力の一部にもなっている。たまたまあるファッション関係の出版社の社長さんと話をしていて、その社長さんが長年の経験をもとにこんなことをおっしゃっていた。「結局、ファッションの発展には一般消費者の虚栄心が何よりも不可欠なんですよ」。「はしか産業」も塵も積もれば山となるというわけか。否定しがたいお言葉である。(その3へ続く)
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登録日:2006年 10月 17日 09:22:21
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ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。千葉県八千代市在住。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり、日本や海外で活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。近況などは上記「ブログ」のリンクからどうぞ。
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