ノゾキミ

この数カ月、実家近くにあるわりと大き目の近所の公園がお色直しをするというので、その周囲が白い壁で覆われるようになった。高さ5,6メートルはあるだろう白い鉄板は、公園の四方を囲んでいる。はじめそれが現れたときは視界が遮られて、ずいぶん圧迫感を感じたものだけれど、数週間もすると慣れてしまった。その白い壁、四隅の一部が透明になっていて、公園の中が今どのような状態になっているの見渡せるようになっている。あたりを歩く大人たちや、その公園で遊ぶのを心待ちにしている子供たちが、なんのきなしに足をとめて思わず「のぞき見」をするその心理は、年齢性別を問わずほぼ同じのようだ。入ってはいけませんと言われると余計見たくなる。見れる部分が少ないともっと見たくなる。好奇心はそうした単純なメカニズムから刺激されることも多い。

白い壁の向こうでは、連日のように工事の車が入っている。住宅地が造成されてから数十年の間、長らく愛されてきた公園の姿が瞬く間にがれきの藻屑になり、いまやそれらさえもリサイクル業者などに運びだされて無味乾燥とした平地になりつつある。桜やけやきなどの、樹齢が高いいくつかの古木をのぞいては、それまでそこに生きてきたものは人為的になぎ倒され、うち崩されたコンクリートなどが山をなす。

これから公園は、向こう1年くらいかけてすべてまっさらにしてから新しいデザインに生まれ変わる。新たに植樹もして、バリアフリータイプの公園と体育館を普請するのだという。掘り起こされた土の中から出てきたミミズなどをめがけて、がれきまみれの公園に何羽かの野鳥が舞い降りて餌をつついていた。

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登録日:2012年 02月 14日 17:01:31

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福嶋 美香
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◆経歴:ふくしまみか
ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。千葉県八千代市在住。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり、日本や海外で活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。近況などは上記「ブログ」のリンクからどうぞ。
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