ガンダーラ・ハウスの由来
【ソウル/韓国 24日 AFP】24日、ソウルのショッピングセンターで、真っ赤なコートを身に着け、猿が流暢にスケートを楽しむ。これはアニマルショーのプロモーションの一つとして催されたイベントで、スケート場を訪れた人々を楽しませた。(c)AFP Jung Yeon-je
「ガンダーラ・ハウス」って一体何だろうと偶然にも表題を見てこのブログを訪れてくださった方、ありがとうございます。「ガンダーラっていうけどイマイチ何だかわからないよ」という方のために、ここでは「ガンダーラ・ハウス」についてちょっとお話しましょう。まず、写真の凛々しいおサルさんの雄姿を見て「サンタクロースみたい」ではなく「孫悟空みたい」と思った方は、最近始まった香取慎吾主演のテレビドラマ「西遊記」にはまっている方かもしれません。そして「ガンダーラ」と聞いて、「あ、それって聞いたことがある」とピンと来た方は、おそらく70年代の「西遊記」にはまっていた方ではないでしょうか。
...
ここでお話するのは、昔の「西遊記」のほうです。エンディングテーマのサビの一節に「Gandhara, Gandhara, They say it was in India...」というのがありました。「ガンダーラ・ハウス」の「ガンダーラ」はそこに由来しています。
子供のころ、「西遊記」は楽しみにしていたテレビ番組のひとつでした。堺正章や西田俊之、岸辺シロー、それに夏目雅子らそうそうたるメンバーによって構成されたドラマなのですが、そのころは幼いですから、俳優たちの名前も知らず、ただあの荒唐無稽なわかりやすい冒険譚と中国のコスチュームが気に入っていたのでした。
やがて大人になりしばらく西遊記のことは忘れていました。ですがあれから20年もたったある日のこと。イギリスに留学中、友達から「Monkeyってドラマを知ってる? 日本人がつくったものなんだけど」ときかれました。曰く彼が十代のころにイギリスで放映していて、毎回楽しみにしていたということ。
詳しく聞いてみると、それはどうも子供のころによくみたあの「西遊記」であるらしいことがわかってきました。「せっかくだから、もう一度みてみよう」という話になり、その友達は早速、アマゾンで「Monkey」の中古ビデオを入手してきました。
そのビデオではまぎれもなく境正章版孫悟空が軽快なおサルさんぶりを発揮していました。(そこでMonkeyが堺正章、Pigが西田俊之、Sandyが岸辺シローであったことをあらためて知ってびっくりしたのですが・・・)。
そのときに見た「Monkey」はすべて英語の吹き替え判です。夏目雅子の吹き替えが妙に甲高い声であったのが気になりましたが、当時の荒唐無稽さは日本語版とかわらず、素朴で手作り感のある特撮とストーリー展開に笑いがとまりません。ビデオを見て以来、しばらくGandhara Gandhara~と、あのメロディが仲間内の口からなかなか離れませんでした。
実際、インドの北西部、パキスタンの北部のあたりにあるガンダーラは、歴史・地理的に、人種や思想、宗教、文化、芸術の交流点として重要な位置にありました。「西遊記」のエンディングテーマの歌詞のなかでは、ガンダーラはどこか理想郷をおもいしのぶような感じで歌われています。聞いていると、古今東西、そんなところがこの世のどこかにあってもいいなぁなどと思ってしまいます。現実になかったとしても、すくなくとも夢を見るのだけは自由です。
このブログが始まるとき、表題をなににしようか考えました。学生時代にはバブル時代の華やかさを指をくわえてみていて、社会人になったときにはすでにバブル崩壊、景気が悪い悪いと世の中がめいっていた時期に20代を送り、そしていま。いろいろな世界の人々との交流が深めながらも新たな発見の繰り返し、そして世の中「いいこと」とおもって失敗したり、「わるいこと」とおもって成功したり、あるいはもちろんその逆も。そんなことがいくらでもありえることをつくづく感じています。
そこでなぜかGandharaとうことばが頭にうかびました。海外と日本を行ったりきたり、西へ東へふらふらしている私が、「ブロガーです」などといって世の中に対して偉そうなことを言うわけでもなく、また世の中でおこっていることに、すぐに白黒つけることは危険だし、難しいこと。そのかわり、国や地域を問わず、人の気持ちや世の中にある出来事を、私なりにできるだけ無理せずに正直に見たり感じたりできるささやかな場所にしたいと思いました。それが「ガンダーラ・ハウス」の始まりです。
カテゴリー[ ガンダーラ・ハウスについて ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 02月 20日 13:31:33
コメント
肩のこらない解説楽しく読ませてもらいました。自由奔放に、しかし、あるところではしっかりとした思想をも披瀝して、中身の濃いものにしていってください。これからの記事を楽しみにしてます。
Y.F. @ 2006年 03月 28日 15:25:10
ありがとうございます。
日ごろの仕事に追われて、自分の考えることを
表現したいとおもっても
ついつい先延ばしにしてしまいがちな私ですが
こうした文明の利器を利用して、
探究心を育てていく場を持つことで
また次なる創作の糧につながれば
いいなぁとおもっています。
今後ともご教唆のほどよろしくお願いします。
mika @ 2006年 03月 29日 01:58:48
コメントを追加
Trackback
この記事に対するトラックバックURL:
- プロフィール
- 福嶋 美香
- 紀行エッセイ リスト
- アートギャラリー
- ブログ
- ◆経歴:ふくしまみか
ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。千葉県八千代市在住。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり、日本や海外で活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。近況などは上記「ブログ」のリンクからどうぞ。
- 最近のエントリー
- [03/31] 100円ショッピング
- [02/14] ノゾキミ
- [12/30] ひらけごま あご関節症日記 第5話
- [11/04] ひらけごま あご関節症日記 第4話
- [10/02] ひらけごま あご関節症日記 第3話
- [09/11] ひらけごま あご関節症日記 第2話
- [08/27] ひらけごま あご関節症日記 第1話
- [07/18] 手書きのススメ
- [06/22] 季節はずれのウグイス
- [05/01] ロイヤル・コレクション
- 月別アーカイブ
- 2012年 03月 [1]
- 2012年 02月 [1]
- 2011年 12月 [1]
- 2011年 11月 [1]
- 2011年 10月 [1]
- 2011年 09月 [1]
- 2011年 08月 [1]
- 2011年 07月 [1]
- 2011年 06月 [1]
- 2011年 05月 [1]
- 2011年 04月 [1]
- 2011年 03月 [2]
- 2011年 02月 [1]
- 2011年 01月 [1]
- 2010年 12月 [1]
- 2010年 11月 [1]
- 2010年 09月 [1]
- 2010年 08月 [1]
- 2010年 07月 [2]
- 2010年 05月 [2]
- 2010年 03月 [1]
- 2010年 02月 [1]
- 2010年 01月 [2]
- 2009年 12月 [1]
- 2009年 11月 [1]
- 2009年 09月 [1]
- 2009年 08月 [1]
- 2009年 06月 [5]
- 2009年 05月 [1]
- 2009年 04月 [1]
- 2009年 03月 [1]
- 2009年 02月 [2]
- 2009年 01月 [1]
- 2008年 12月 [2]
- 2008年 11月 [3]
- 2008年 10月 [2]
- 2008年 09月 [1]
- 2008年 08月 [2]
- 2008年 07月 [1]
- 2008年 06月 [1]
- 2008年 05月 [2]
- 2008年 04月 [1]
- 2008年 03月 [2]
- 2008年 02月 [1]
- 2008年 01月 [3]
- 2007年 12月 [4]
- 2007年 11月 [1]
- 2007年 10月 [2]
- 2007年 09月 [3]
- 2007年 08月 [1]
- 2007年 07月 [2]
- 2007年 06月 [1]
- 2007年 05月 [2]
- 2007年 04月 [3]
- 2007年 03月 [4]
- 2007年 02月 [5]
- 2007年 01月 [6]
- 2006年 12月 [5]
- 2006年 11月 [5]
- 2006年 10月 [6]
- 2006年 09月 [5]
- 2006年 08月 [5]
- 2006年 07月 [6]
- 2006年 06月 [4]
- 2006年 05月 [5]
- 2006年 04月 [5]
- 2006年 03月 [6]
- 2006年 02月 [6]
- 検索