こどもの幸福論
【ピュータービューレン/オランダ 3日 AFP】嵐で水位が上昇したワッデン(Waddenzee)海沿いで前週末、アザラシの子ども40頭以上が打ち上げられているのが発見された。
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(c)AFP/EVERT
最近、「公園に遊具を取り戻す運動がすすめられている」というニュースを見た。遊具は危ないというので、最近どんどん取り払われているのだが、その遊具を取り戻そう、という運動である。そういえば実家の近所の公園にも、数年前までコンクリートの築山があった。滑り台やかくれんぼの場として公園の中心的な遊具だった。
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それが、突然工事の人々がやってきて簡易フェンスを取り巻き始め、特殊な機械で騒々しく築山を消し去ってしまった。そこは私の散歩コースだから、その築山の変遷具合はよく観察できた。やがてコンクリートの築山に代わって登場したのは、プラスチック製のやすっぽい遊具が申し訳なさそうにひとつだけ。
ほかの遊具が置かれるのならばまだいい。その敷地から何もなくなってしまうのではいかにも寂しい。でも、そうした公園もけっこうあると聞く。子供にとって広場はもちろん、遊具はわくわくする、想像力と運動能力をきたえてくれる公園のランドスケープだ。それを危険だ、危険だといって跡形なくすべて取り除くだけ取り除いてしまったら、一体あとに何が残るだろうか。確かに危険だと思われるものは、注意深く再検討しなければならないだろうが、すべて取り除くだけが子供にとって最高の選択であるのかどうかも考えたい。
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最近、ユニセフが先進国における子供の成育環境についての調査を発表した。それによると、第一位はオランダほか上位に北欧諸国が多く、ダービー賞にアメリカ、そして最下位はイギリスだった。日本は調査のための情報不足とやらでランクアップされていない。
幸福の度合いなど人それぞれなので、その調査結果がすべて正しいとも思えない。そして当然ながら、最下位になったイギリスではちょっとした物議になったようである。確かにイギリスの子供は、ものがないわけでも、食べ物がないわけでもない。親がいつも子供をみている。教育も熱心のようである。けれども、ユニセフいわく最下位である。熱心な親ならことさら信じたくない調査結果だろう。うのみにすることはなくても、ビリッケツになるにはそれなりの理由があるだろうから、イギリス人はイギリス人で色々検討していくに違いない。
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最近の日本の事情をみていると、遊具を一方的に取り除いたり、やれ物心つかないうちからお受験といったりと、なんだか子供たちも難しくて必要以上に忙しい状況の様子。もちろんすべてがそうというわけではなくて、多分、一部の傾向が目立って浮きだっているだけなのだろう。けれども、やがては日本もよくある英国の子育てのように、子供の笑顔が“あまりに過敏な”保護の対象となる日がやってくるのでは、と思ってしまうときがある。
そうしたら公園にさんぜんと輝いていた遊具は取り戻せない。子供を危険や犯罪から守ってあげることは大人の当然の義務だが、無より有を、束縛よりもけじめある自由を、過度な安全よりも情操のある冒険を。そうしたのびのびとした環境も忘れずにいたい。子供はそうした自然と倫理の中で自由に遊び、学びやがて大人になっていけばいい。しかしそれも、理想論でしかないのだろうか?
どんな動物でも、無菌状態のまま育ったら、その枠からはずれたときに生き残れなくなる。
大人が子供にとってよかれと思ってしていることが、子供にとってすべてよいわけでもない。モノはあまりなかったかもしれないけれど、比較的自由に野生的に遊びまわることができた自分の子供のころを懐かしむ。
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登録日:2007年 02月 21日 12:13:46
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- プロフィール
- 福嶋 美香
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- ◆経歴:ふくしまみか
ライター/ジャーナリスト。東京生まれ千葉育ち。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、コピーライター、新聞記者を経てフリーランスとなる。現在日本と英国を中心に活動中。詳細・近況などはNEWSリンクからご覧ください。
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