インチとセンチ

「ぴったりの靴が見つからない!」長身は悩みの種 - フランス

【パリ/フランス 29日 AFP】フランスでは、約200万人もの‘長身の人’が生活している。
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(c)AFP/ PORNCHAI KITTIWONGSAKUL

AFPBB News


外国に来て困ることのひとつに、色々なものの単位が日本とは違うことがある。今手元に定規があるが、この定規には片側がセンチメートル、片側がインチの単位が刻まれている。

インチと比べてみると、センチはとても繊細に見える。

1センチがせいぜい

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位の幅なのに比べて、1インチは

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くらいである。センチで女性か子供の人差し指1本分のところ、インチでは3本分かくらい。ずいぶんな開きだ。

一般の人々が生活の基本に取り入れている一つの単位が、こうも違うと、モノを見る目、測る手も変わってくるのだろうなと思う。実際、これにはかなり確信がある。
・・・

日本人はもともと細かなところに目配りが効き、小さなものをこちょこちょとつくるのがうまい。手先が器用である。一方、どこと特定はできないものの、ある国の人はものを測ったりつくったりするときに、あらゆる尺度が大雑把になりがちな場合がある。

なかにはその大雑把さが、大胆さや合理性であったり、質実剛健さであったりして好まれる場合もある。外国製の電気製品だとか自動車、家具、服装、家の企画などにも如実に表れてくるものだろう。(道路の幅は、単位というよりは国土の事情により違うようである)。平均身長や身体の幅、体重なども、心地よいと思える単位と微妙に関係しているかもしれない。

日本で「ヘクタール」の単位を農地ではかろうじて適用しても、宅地ではいまひとつピンとこない。でもアメリカにいけばそのヘクタールが当たり前のように「流通」している。

でも、もしも日本人がインチで生活したら、物事は1.3倍くらい大雑把になるかもしれないとも思う。(そういえば日本でもテレビのサイズはインチだが、私は依然としてぴんとこない。テレビを見ないせいもあるけども・・・)

あるいはインチで育った上に元来大柄な人々にとってはセンチはきわめて「ちっちゃい」単位に見えるかもしれない。とはいっても、最近ではミリメートルが世界スタンダードになるとかならないとか、という話を最近耳したばかりである。

***

日本人はなぜ麺類に「バングル」をつけるのかと、最近とあるイギリス人から質問された。1わ、2わときれいに小分けされているのが、素晴らしいアイデアであると思ったそうだ。質問の主は、日本の麺類の「バングル」は、量を測ったり、カロリー計算をしたりするのに便利であると感心していた。

しかしなぜこうした便利なシステムが、スパゲティにはないのだろうか、と私たちの話題は東京ではなくローマの方に発展した。スパゲティに、「わ」の数量があってもいいのではという話だ。

あってもいいだろうし、実際にすでに販売はされているのかもしれない。

しかし、同じ品質、同じ重量、同じブランド、同じ製造年月日で、バラになったスパゲティと束になったスパゲティが並んでいたらどちらがいい?と聞かれたら、私は言葉に困る。束になっているスパゲティをまともに見たことがないから、それを目にしたら一体どういうリアクションをとるか想像できない。

スパゲティの束のパッケージが市場に売れるのか売れないのか、それは原産国のイタリアよりも、むしろパッケージを企画する諸外国の事情によるだろう。あるいは仕掛け人がいれば瞬く間に当たり前になるのかもしれない。

それにしても日本の麺類の「わ」の数量システムについての話題の折には、日本がいかにこまかな部分に意識的にか無意識的にか、伝統を貫いていることを改めて知る。だが、私はそうした日本の束になった麺類を美しく、便利で繊細だとは思うが、また袋にどさっと入って、束にならず、袋の中である程度自由に動き回れるスパゲティもまた、大らかでいいではないかと思う。

***

さてセンチとインチ。あるいはフィート。キログラムにポンドやストン。外国にあって、私はいまだにこの数値の変換がうまくできない。長さも重さもぱっとイメージとして浮かばないのだ。それでも気に病むことなく適当に過ごしている。幸い、こうした違いはちょっとした話題提供にもなる。今後どの単位がいわゆるグローバルスタンダードになるのかは分からないが、一般の生活レベルではあーだこーだと張り合う対象でもなかろう。ようはものの目安の話であるからして。

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登録日:2007年 05月 12日 04:08:30

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福嶋 美香
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◆経歴:ふくしまみか
ライター・ジャーナリスト・エディター。東京生まれ千葉育ち。玉川大学文学部外国語学科(現比較文化学科)を卒業後、広告制作会社、新聞社勤務を経てフリーランスとなり各誌に寄稿。現在は日本と英国を中心に活動中。「ガンダーラ・ハウス」は気軽なエッセイ集です。お問い合わせや近況などは、上記Informationリンクからどうぞ。
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