ファッション・マニエリズム(5)
【東京 18日 MODE PRESS】レジ袋の消費抑制を目的として発売されたアニヤ・ハインドマーチ(Anya Hindmarch)のエコバッグ「I'm not A Plastic Bag」が、7月18日から(一部7月14日)日本で限定発売される。
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<その5> ベジタリアンなものたち。
よくある通勤バッグとやらは、私には小さすぎる。かといって男性用のビジネスバッグは、重く、フォルムもなめらかさに欠けて、使いづらい。とにかく、仕事柄、ノート、ペン、カメラやレコーダー、各種資料などをざっくりと入れられて、1~2泊の出張にも対応し、それを携えてオフィスなどに赴いてもそれなりにしっくりとカジュアルになりすぎず、動きやすく(時にはそれを抱えながら駆け足ができて)、突然の雨風にも耐えうる気軽な価格帯、しかも仕事道具のノートとペンが出し入れしやすい大き目のバッグが必要なのである。
・・・
英国でふと「バッグ」を買おう、という気になった。格別お目当てのブランド品もないので、中堅プライスの店をはしごしては自分にとって使い勝手のいいバッグをくまなく探した。多少流行の要素が入っていると楽しいけれども、それにしたってどんなに歩いても、女性用のバッグのコーナーに並べられているものたちは、ごてごてとメタリックな装飾が過剰で、ひきずりそうなほど長い、あまり実用的でないストラップがついている。そしてサイズが小さすぎるか、家出でもするのだろうかと思えるほどばかでかいが、あるいは目が飛び出るくらい高いブランド品かと、とにかく今の私のお望みをかなえてくれそうなものが見当たらない。
物色していて気になったのは「デザインバッグ」と呼ばれているバッグたちのほとんどが、合成皮革によるものであること。ここ数年ひたすらこの傾向が強い。一昔前までは、けっこうどこもリアルレザーのバッグを出していたのに、いまではどこもかしこも合成皮革のバッグたちばかり。そのうえに値段はけっこう高い。こうした傾向はおもにイギリス企業により展開されているいわゆるハイストリート・ショップでのこと。
ただでさえ£高で、とてもじゃないけれどもちゃちでぎらぎらした合成皮革の流行り物に心を寄せられない。それならそれで、つくりがちゃんとしたナイロン系でどうだろうと探しても、これも不思議にスポーツカジュアルやアウトドア系以外に見当たらず。一方、インポートを多く扱うショップではちゃんとしたリアルレザーのバッグも置いているので、そこでなにかめぼしい一点ものはないだろうかと物色していると、売り場のすぐ近くで、2人の20代前半くらいの女の子が、その連れ合いにこんな話をしている。「あたしはベジタリアン・バッグじゃないとだめ」と。ベジタリアン・バッグとはつまり合成皮革製のバッグということ。真のベジタリアンであれば肉は食べもしないし、持ちもしないというわけね。
一体全体、イギリスのハイストリート・ショップの数々で、大量の合成皮革のバッグが高いお値段で販売されていることは、それだけ需要があるからということなのだろうか。製造販売側は中国で安く大量生産できるようになったこのご時勢を利用してもうけをたんまりと出そうと貪欲に画策している結果だからなのだろうか。
「ベジタリアン・バッグ」をお求めの女の子たちは、足がいかにも蒸れそうな合成皮革の「ベジタリアン・シューズ」についても話題を咲かせている。本来ベジタリアンであったなら、皮に似せた合成皮革自体も使うべきじゃないのかなぁ、合成皮革製品をつくった人々が実際に肉を食べたりしていたらどうなるんだろう。それにしたって、そこは主義主張がまかりとおるイギリスのとある街角。日本もいつか、合成皮革製品が動物にやさしいベジタリアンなものたちと呼ばれることはあるんだろうか・・・などと思いをめぐらし、結局は何も買わず、ウインドーショッピングに終始するわがショッピング道。
<その6につづく>
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登録日:2007年 09月 19日 01:03:53
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- ◆経歴:ふくしまみか
ライター/ジャーナリスト。東京生まれ千葉育ち。玉川大学文学部外国語学科を卒業後、コピーライター、新聞記者を経てフリーランスとなる。現在日本と英国を中心に活動中。詳細・近況などはNEWSリンクからご覧ください。
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