シュナン・ブランとディディエ・ダギュノー

ロワールワイン普及へ、ソムリエ田崎氏に聞く - 東京

【東京 25日 AFP BB】フランスのロワール(Loire)地方のワインの普及を目的とした「第1回ロワールワイン コンセイエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート・コンクール」が、20日と21日の2日間にわたって開催された。
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(c)AFP BB

AFPBB News


 ロワール川はフランス中央部から大西洋に注ぐ、 約1000kmの大河。流域では、上流・中流・下流それぞれで特徴的なブドウが栽培され、赤・白・ロゼ、辛口・甘口、スパークリングetc.と、ありとあらゆるワインが作られている。フランスワインについて勉強を始めたとき、一番苦労したのがこのロワールだった。
 ロワールワインと聞くと、私の頭には2つの名前が浮かぶ。Chenin Blanc シュナン・ブランとDidier Dagueneau ディディエ・ダギュノーさん。


*シュナン・ブラン=ダシ

 シュナン・ブランは白ブドウの名前。特にロワール地方で、バラエティ豊かなワインとなる。その種類は、辛口から半甘口、そして貴腐ワインを含む甘口まで、またクレマンなどスパークリングワインまでという幅広さ。
 花のような香りやリンゴの蜜っぽい味わいなど、どぢらかというと甘口のものに出会うことが多いが、私が好きなのは、きりっとした辛口。フルーティーな中にミネラル感があるようなのが好きだ。このミネラル感、シュナン・ブランに関しては、ダシのような“うま味”を感じるのは私だけだろうか。アサリの澄まし汁の底のほうの香りというか、磯+ダシのイメージ。そうしたダシのきいた和食や、ほんのりとバターのきいた魚介の料理(ロワール川流域ということで川魚料理でもいいかも)と合わせていただきたい。


*ディディエ・ダギュノー=異端児そして天才

 フランスの白ワインについて好みを訊かれたら、シャルドネならドメーヌ・デ・コント・ラフォン、ソーヴィニヨン・ブランならディディエ・ダギュノーさん、と答えるのが私の定番になっている。
 ロワール上流にPouilly Fume プイイ・フュメというAOCがある。ソーヴィニヨン・ブラン100%で作られるもので、そのプイイ・フュメの最高の作り手といわれるのがディディエ・ダギュノーさんだ。もともと彼は、プイイ・フュメの名門「ジャン・クロード・ダギュノー」家の長男として生まれたのだが、家を飛び出し、モトクロスのレーサーとして活躍した後、ローヌ、ボルドーでワイン作りについて学び、1983年に自分の名でワインを作り始めたという型破りな作り手だ。
 私が特に好きなのは、彼のワインの中でも別格とされる「SILEX シレックス」。シレックスはフランス語で「火打石」の意。プイイ・フュメはもともと石灰質土壌が特徴で、さらに“フュメ=燻す”という名から分かるように、この土地のブドウで作ったワインには、どことなく燻し香が出ることでも知られている。また、シレックス用のブドウが作られる畑には、実際に火打石の成分が含まれているという。そうした土壌から生まれる、しっかりとしたミネラル感が、ソーヴィニヨン・ブランの特徴であるハーブ香と、グレープフルーツの白い部分のような甘苦い香りと味わいをより複雑に、より深みのある味わいに引き上げるのだと思う。
 このシレックスを初めていただいたときには、あまりの味の複雑さ・奥深さに、私の中で感動の嵐が吹き荒れた。それまでディディエ・ダギュノーという名前は知っていたものの、どんな人なのか詳しくは知らなかったので、家に帰ってから彼について調べたのを覚えている。そして見つけた聞きしに勝る破天荒な容姿・・・。これくらいの“はじけ具合”がないと、非凡なワインは作れないということかしら・・・そんなことを思った夜だった。

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登録日:2006年 07月 28日 02:07:22

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プロフィール
成田美友
(女)
ambrosia
ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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