自らの命を絶つということ
【モスクワ/ロシア 6日 AFP】ロシアでは毎年6万人が自殺しており、リトアニアに次いで世界第2位の自殺大国となっている。
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(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV
この夏、肉親2人の死を受け止めなくてはならなかった。2人とも長く闘病生活を送っていたが、いつも笑顔をたやさず、病気の自分のことは二の次にして、何よりも私たち家族のことを大切にしていた2人だった。彼女たちは最期の最期まで一生懸命に生き抜いた。1人は母で、まだ58歳だった。その無念は想像に余りある。
病気に蝕まれた体は痩せ細り、少しでも体力をつけるための食事は飲み込むのも苦しいという状態で、もはや苦行のひとつでしかなかった。呼吸器の病だったため、ちょっとしたことで息ができなくなってしまう。だから食べたくても食べられない、笑いたくても笑えない、泣きたくても泣けない。母は子供のように無邪気な人で、この15年間、家にいても病院にいても、彼女の周りから笑い声が絶えることはなかった。つい、母が大病を抱えていることを忘れてしまうほどだった。今思えば、その笑顔の影で、どれだけの涙を流していたのだろう。どれだけ不安な夜を過ごしていたのだろう。母はこの15年間、毎日毎晩、休むことなく病気と闘い続けていたのだ。
この半年で病状が急変した。いつしか彼女の顔から笑顔が消えてしまった。私たちが当たり前のようにしている呼吸。彼女はそのためにすべての神経を集中させ、脂汗を流しながら呼吸を整えなくてはならない。病室では、とてつもなく重苦しい時間がじっくりと、そしてゆっくりと流れてゆく。
冒険心にあふれていた母は旅行が大好きな人だった。が、そんな彼女の最期の望みは「歩きたい」、ただそれだけだった。ベッドの上に起き上がるのがやっとで、自分の足で立ち上がることすらままならない。その悔しさに涙する母の姿が忘れられない。彼女はもっともっと生きたかった。もっともっと生きたかったのに生きられなかった。
*世界の自殺者数
一方で、生きられるのに生きていられない人たちもいる。もちろん、止むに止まれぬ事情があってのことだと思う。2000年、世界で約100万人の人が自殺で命を落としたという。40秒に1人の割合だそうだ。この45年間で自殺者の割合は6割増。これまでは男性の高齢者の自殺率が高いのが一般的だったが、現在は若い人たちの自殺率の高さが目立ってきているという。自殺の理由としては人生に対する絶望感や薬物などの誤用による精神的な不調・病気によるものが9割を占めるが、その理由は社会的要因が複雑にからみあったものであるため、一概にまとめることは難しい。
記事中に、自殺者数が世界で一番高いのがリトアニア、次いでロシアとある。実際の数字を比べてみた。
国によってデータを得た年が違うのだが(1984~2005年のいずれか1年)、WHOのHPにある統計によると、各国の人口10万人中の自殺者数で、男性の自殺者が一番多いのはリトアニアで74.3人(2003年)、順にロシア69.3人(2002年)、ベラルーシ63.3人(2003年)。女性の場合はスリランカが16.8人(1991年)とトップ、次いで中国14.8人(1999年)、リトアニア13.9人(2003年)となっている。日本は男性が35.2人、女性が12.8人(いずれも2002年)で、女性はリトアニアについで世界で4番目に自殺率が高い。日本は、主要先進国の中で自殺率が一番高いという話も聞いたことがある。
*個人的所感
自らの命を絶つということには、すさまじい恐怖が伴うのではないだろうか。その恐怖を味わってもなお、その道を選ぶということは、やはり生きられるのに生きていられない“何か”があるんだろう。
私は生きられる限り生きていたい。母の生き様を思えば、生きられるなら生きていなくてはいけないと思う。母の分まで一生懸命に生きよう。
※数字は「World Health Organization」の"Suicide rates per 100,000 by country, year and sex (Table)"を参考にしました
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登録日:2006年 10月 06日 20:06:25
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- プロフィール
- 成田美友
- (女)
- ambrosia
- ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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