2006年 03月

チーズ *どこから来てどこへ行くのか*

チェスターでチーズ転がし大会が開催される - 英国

【チェスター/英国 15日 AFP】チェスター・フード・アンド・ドリンク・フェスティバル(Chester Food and Drink Festival)の開会を飾るチーズ転がし大会が15日に行われた。写真は5年目を迎える大会でチーズ転がしに興じる、チーズ名産地のスティルトンやランカシャーやチェシャーの代表たち。チーズ転がしは200年以上の伝統を誇る行事。(c)AFP/Paul Ellis

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 チーズを転がすレースといえば、イギリスはGloucester グロースターのCheese Rolling Festivalが有名だ。「Double Gloucester ダブル・グロースター」というハードタイプチーズの産地で、直径30cm、重さ約3kgもあるそのチーズをCooper’s Hillという丘の頂上から転がし、人々がそれを追いかけて急な斜面を駆け降りるというもの。多くの参加者はチーズに追いつくことができず、あきらめて歩いて下ってきたり、勢い余って丘を転げ落ちてしまったり。時には見物客のほうにチーズが転がってしまい、それをよけようとして丘の下に落ちてしまう人もいるなど、毎年けが人が出ることでも有名だとか。勝者には、ともに丘を駆け抜けた(?)チーズが贈られる。このレースは数百年以上前から続くといわれており、起源には、夏を祝う宗教的イベントだった、または牛の放牧権をめぐってチーズを転がして勝負をつけたことに由来するなど諸説あるようだ。


*世界のチーズの実情

 国連のFAO(Food and Agricultural Organization)の数字を参考にしようとウェブサイトを見てみたところ、まず、ひと口に“チーズ”といっても、牛乳(さらに脱脂乳か否かに分けられる)・羊乳・山羊乳・水牛乳、いずれを原料にしたものなのかというように細かく分かれていた。日本では山羊乳のものはシェーブル(フランス語で“山羊”)タイプとして知られるが、独特の香りと酸味が苦手という人も多く、あまりメジャーではないかもしれない。水牛乳製はイタリアの「Mozzarella di Bufala Campana モッツァレラ・ディ・バファラ・カンパーナ(“Bufala”は“水牛”の意)」が有名。意外と知られていないのは羊乳でできたチーズが多く、その中には日本でもメジャーなものも含まれていることだ。例えば世界三大青カビチーズのひとつといわれるフランスの「Roquefort ロックフォール」や、イタリアのハードタイプチーズ「Pecorino Romano ペコリーノ・ロマーノ」、スペインのセミハードタイプチーズ「Queso Manchego ケソ・マンチェゴ」も羊乳製。とはいえ、量・知名度ともに突出しているのは牛乳製チーズだろう。ということで、今回は牛乳製(脱脂乳製は含まず)チーズと羊製チーズを見てみることにした。 いずれも金額による順位で2003年の数字。

*牛乳製チーズ
   輸入額: 1位 ドイツ 2位 イギリス 3位 イタリア 4位 ベルギー 5位 フランス
   輸出額: 1位 フランス 2位 ドイツ 3位 オランダ 4位 イタリア 5位 デンマーク 

*羊製チーズ
   輸入額: 1位 アメリカ 2位 ドイツ 3位 オマーン 4位 イタリア 5位 イギリス
   輸出額: 1位 イタリア 2位 フランス 3位 ギリシャ 4位 キプロス 5位 ルクセンブルク

日本は、牛乳製チーズの輸入額で7位に入っている。牛乳製チーズの順位はほぼ思ったとおり。羊製チーズで意外だったのは輸出額にキプロス、ルクセンブルクという日本ではなかなかそのチーズにお目にかかれないような国の名が入っていたこと。


*日本で“チーズ”といえば・・・

 その昔、日本でチーズといえばプロセスチーズが主流だった。プロセスチーズはハードタイプやセミハードタイプのナチュラルチーズを原料に、それらを加熱して溶かし、混ぜ合わせて作られる。加熱によってカビや酵素などが死んでしまうため、ナチュラルチーズのように熟成することはないが長期保存が可能になるなどのメリットがある。
 今から25年ほど前は、ナチュラルチーズは基本的にプロセスチーズの原料用として輸入されていた。オランダのハードタイプチーズ「Gouda ゴーダ」などが多かったに違いない。だが現在では、プロセスチーズの原料用として輸入されている量よりも、直接消費用として輸入されている量のほうが多くなっている。2005年度のナチュラルチーズ全体の輸入量は208,317t、そのうちプロセスチーズ原料用は69,686t、直接消費用は138,631t。直接消費用に関しては、その輸入量は25年前の約7倍になっている。
 小さいころ給食などで食べたプロセスチーズ独特の歯ごたえや香りが忘れられず、今もチーズが嫌い・苦手という人が結構いる。とはいえ、そういう人に限って、ナチュラルチーズを試すや否や、チーズ好きに変身したりもする。私はチーズが大好きだ。嫌いなチーズはないといってもいい。が、昔はウォッシュタイプのチーズが苦手だった。香りはもちろん、見た目もオレンジ色+なんだかネバネバしており、とにかく強烈すぎた。とはいえ、一度はまってしまうと抜けられないのがウォッシュタイプ(だと私は思っている)。昔、通っていたチーズの学校で、ウォッシュタイプの香りは「神様の御御足(おみあし)の裏の香り」と称されると聞いた。今ではすっかり、その香り・味わいの虜である。チーズが苦手な人にウォッシュタイプを最初に勧めるのは勇気がいるが、ショック療法と思えば案外、効果的かもしれない。

※数字は、以下の統計を参考にしました
“KEY STATISTICS OF FOODS AND AGRICULTURE EXTERNAL TRADE” Food and Agricultural Organization of The United Nations
『畜産 国内編2005年度/畜産物の需給動向』 独立行政法人 農畜産業振興機構

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登録日:2006年 03月 27日 17:16:43

ワイン *どこから来てどこへ行くのか*

怒りのワイン生産者たち - フランス

【サン・ジャン・ド・ベダ/フランス 9日 AFP】6日、フランスのワイン生産者たちが抗議運動を行い、サン・ジャン・ド・ベダ(Saint-Jean-de-Vedas)の高速道路上にスペインワインを放出した。
≫続きを読む…
(c)AFP/DOMINIQUE FAGET

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 ワインについて学んだことがある人なら一度は、世界主要国におけるブドウ栽培面積、ワイン総生産量について、その1~5位くらいまでを覚えたことがあるに違いない。激しい順位の変動はなかなかないものの、年によって生産量の1位と2位が入れ替わったりと、微妙な変化が見られる。私が学校に通っていたときは、

 ブドウ栽培面積:1位スペイン 2位 フランス 3位 イタリア 4位 トルコ 5位 アメリカ
 ワイン総生産量:1位 フランス 2位 イタリア 3位 スペイン 4位 アメリカ 5位 アルゼンチン

だった。確か2000年の数字だったと思う。これが現在はどうなっているのかが気になり、フランスのONIVINS(Office National Interproffesionnel des Vins)のウェブサイトで統計資料を閲覧してみた。


*世界のワインの実情

 そこには1996~2001年までの数字が出ており、最新の2001年で、世界全体におけるブドウ栽培面積は7,893,000ha、ワイン総生産量は264,730,000hl、ワイン消費量は227,703,000hl。それぞれの順位は以下のとおりだった。

ブドウ栽培面積(単位:1000ha)
1位 スペイン(1,235) 2位 フランス(914) 3位 イタリア(908) 4位 トルコ(564) 5位 アメリカ(415)

ワイン総生産量(単位:1000hl)
1位 フランス(53,389) 2位 イタリア(50,093) 3位 スペイン(30,500) 4位 アメリカ(19,200) 5位 アルゼンチン(15,835)

ワイン消費量(単位:1000hl)
1位 フランス(33,916) 2位 イタリア(30,500) 3位 アメリカ(21,250) 4位 ドイツ(20,150) 5位 スペイン(13,827)

国民1人あたりのワイン消費量(単位:1000hl)
1位 ルクセンブルク(58.60) 2位 フランス(57.05) 3位 イタリア(53.04) 4位 ポルトガル(46.82) 5位 スイス(42.91)

 ちなみに日本は、栽培面積について数字は載っておらず、総生産量は1,100,000hl、消費量は2,783,000hlで15位、1人当たりの消費量では2190hlで26位だった。


*個人的考察

 やはり、私が覚えていた順位と比べて大きな変化は見られなかった(というか変わっていない)が、統計資料を見ていて気がついたことがいくつかある。まず1996年から2001年までの5年間で、ブドウの栽培面積がヨーロッパで94%と減少しているのに対し、それ以外のすべての地域では増加している。特にオセアニアでは183%と2倍近い数字になっていた。国別でみると、1位のスペインはかろうじて増えているものの、2位のフランス、3位のイタリアともわずかだが減っている。そんな中、著しく増加しているのが中国。5年間で216%と2倍以上増加しているのだ。栽培面積の数字はそのままワイン総生産量の数字にも反映し、やはりヨーロッパでは90%と減少、アジアでは267%と3倍近くになっている(アジア地域については中国の栽培地域について改定が加えられたとの注釈あり)。生産量としては決して多くはないものの、この5年間で日本も163%と増加している。消費量をみても、ヨーロッパではドイツ、イギリス、スイス、ギリシャなどでは増加しているものの、生産量で上位5位にランクインしているフランス、イタリア、スペインでは減少していた。
 各国の詳細な数字については出ていないものの、2002年のブドウ栽培面積、ワイン総生産量・消費量についてのデータもあった。そこに名を連ねているフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、ドイツの6カ国の中で、2001年と比べて増加が見られるのは、栽培面積ではドイツ、生産量ではスペインとドイツ、消費量ではフランス、スペイン、ポルトガル、ギリシャ。生産量が減って消費量が増えているということは、輸入ワインの消費量が増えているということになるのだろう。国内のワイン製造者が伝統を守りながら作り続けてきたヨーロッパのワインが、安く輸入された(といっても必ずしも品質が劣るというわけではない。念のため。)ニューワールド(ワインでいう“ニューワールド”とは、アメリカやチリ、アルゼンチンなどのアメリカ大陸や、オーストラリア、ニュージーランドなどのオセアニアといった比較的新しいワイン産地を指す)のワインに圧されつつあるということか。
 とはいえ、現在も世界のブドウ栽培面積の約50%はヨーロッパにあり、世界のワイン総生産量の約70%はヨーロッパ内というのも事実であり、新旧交代の心配はまだまだないともいえる。消費者としては、従来ワインを造ってきたオールドワールドと、そうしたニューワールドがそれぞれ切磋琢磨して、品質の高いワインをよりリーズナブルに楽しめるようになればありがたい。

※数字はHP「Office National Interproffesionnel des Vins」の以下の統計を参考にしました
”SUPERFICIE DU VIGNOBLE EN EUROPE ET DANS LE MONDE”
“PRODUCTION DE VIN EN EUROPE ET DANS LE MONDE”
“CONSOMMATION DE VINS GLOBALE ET PAR HABITANT”
“La viticulture française dans l'agriculture nationale”

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登録日:2006年 03月 20日 18:22:57

歴史と伝統に裏打ちされた「マイスター」魂

冬季「縫いぐるみ」オリンピック開催 - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 7日 AFP】ベルリン(Berlin)で動物の縫いぐるみオリンピックが開催された。第4回目となる今回のイベントで、子供達と縫いぐるみはスキージャンプとトナカイのレースで新記録樹立を目指して競い合った。写真は5日、愛らしいキリンの縫いぐるみ「Giraffe」をジャンプ台に置く4歳のJohannaちゃん。(c)AFP/MICHAEL KAPPELER

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 “ぬいぐるみ”といえばTeddy Bear テディ・ベアが有名だ。その名は、第26代アメリカ合衆国大統領・Theodore Roosevelt セオドア・ルーズベルトの愛称に由来する。1902年、ルーズベルト大統領がクマ狩りに出かけたが一頭もしとめることができずにいると、同行者が小熊を差し出し、これを撃つようにと勧めた。しかしスポーツマン精神に反するとして、この小熊を逃がしたという。このエピソードにちなみ、1903年に「テディ」と名づけられたクマのぬいぐるみが発売されたのがテディ・ベアの始まりだ。


*シュタイフ社のテディ・ベア

 ドイツの有名なテディ・ベアといえばMargarete Steiff GmbH シュタイフ社のもの。1880年創業で、世界最古のぬいぐるみメーカーともいわれる。シュタイフ社では、1902年にクマのぬいぐるみを製作、翌年には発売したが、ドイツ国内ではあまりぱっとしなかった。しかしこれがアメリカのバイヤーの目にとまり、アメリカへ輸出されると、前述のテディ・ベア人気と相まってあっというまに世界中で人気を博すようになった。ルーズベルト大統領にもシュタイフ社のクマのぬいぐるみが贈られたという。しかしヒット商品には海賊版がつきまとうのが世の常。シュタイフ社のテディ・ベアの名をかたる粗悪な海賊版が後を絶たず、その解決策として用いられたのが、現在もシュタイフ社のトレードマークとなっている「Knopf im Ohr ボタン・イン・イヤー」である。ぬいぐるみの方耳(カメは甲羅に、など例外あり)には、社名の入ったタグが金属製のボタンで留められている。1926年からは、これに加え首から社名の入ったペンダントも下げるようになった。


*ドイツのマイスター制度

 シュタイフ社のぬいぐるみはすべて、今でもなお、“ぬいぐるみマイスター”とでも呼ぶべき職人の手作業で作られている。ドイツの手工業を語る際に欠かせないのが、このMeister マイスターだ。時計、陶磁器の絵付け、楽器、帽子といったいわゆる工芸品はもちろん、電気や配管工事、塗装といった建設・建築に関するものから整形外科や歯科などの技師、パンや菓子の製造、ビールやワインの醸造といったものにもマイスターがいる。というより、2004年に新手工業法が施行されるまでは、94の手工業で、マイスターの資格取得者でないと独立して自分の店を開いたり、後進にその技術と伝統を伝えたりすることができなかった。法改正によりマイスターの資格取得が義務でなくなったのは53業種だが、この53業種についてもマイスター資格をとることはできる。一方、マイスターの資格取得が引き続き義務づけられている(例外もあり)のは41業種。これは技術取得が難しいものや、人の命に関わるものなどが主である。法改正の意図としては、手工業者として開業することを容易にすることで失業者を減らすことのほか、人から人へ伝えられてきた技術を、国際化・IT化に対応してコンピューター化やデジタル技術化することなどが挙げられる。
 マイスターが「親方、師匠」といった意味からもわかるように、こうしたマイスター制度は中世の徒弟制度に由来している。中世ヨーロッパでは、手工業者が業種別にGuild ギルド(ドイツではZunft ツンフト)と呼ばれる同業者組合を作り、行政などに影響を及ぼすほどの力をもっていたが、産業革命以降の近代産業によって衰退。しかしドイツでは、1953年に手工業法として法制化されている。伝統に裏打ちされた技術を何世紀にもわたって引き継ぎ、そして後世に伝えていくマイスターたち。一度は産業革命の産物・機械によって活動の場をせばめられ、今度はグローバル化がすすむ世界の中で存続の危機にさらされている。マイスターの技術によって生み出される手工芸品には味があり、そして愛がこもっている。現代では、それが「質が一定していない」「価格が高い」というマイナス面としてとらえられることがままある。とはいえ、均質化された安価なものだけに囲まれての暮らしは、さぞ味気ないものだろうと想像する。

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登録日:2006年 03月 14日 20:44:16

drink→drunk→drunken

早く酔いの醒めるワイン - フランス

【パリ/フランス 22日 AFP】フランスのワインメーカーPPN SAが開発したワインは、血中アルコール濃度が通常の6倍の早さで(最大値)薄れていくという。写真は21日、パリ(Paris)のワイン販売店で撮影された「安心して飲めます」というラベルが貼られたワイン。(c)AFP/PIERRE VERDY

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 酒を飲むと酔う。そもそも“酔う”とはどういうことかというと、アルコールによって中枢神経の働きが低下し脳が麻痺してしまう(理性が働きにくくなるという意)状態だ。アルコールは胃からその約20%が、腸から約80%が体内に吸収され、血液中に溶けて全身をかけめぐった後、肝臓へと運ばれる。その後、肝臓でADH(アルコール脱水素酵素)によってアセトアルデヒドという物質に分解される。アセトアルデヒドはさらにALDH(アルデヒド脱水素酵素)によって無害な酢酸に分解され、血液によって再び全身をかけめぐり、最終的に水と二酸化炭素となって体外に排出される。アセトアルデヒドは毒性の強い人体に有害な物質で、飲酒時に顔が赤くなったり、動悸、吐き気、頭痛がしたり、二日酔いになったりするのは、このアセトアルデヒドが原因なのだ。
 日本人にはこのアセトアルデヒドを分解するALDHの働きが欧米人などに比べると弱い人が多く、そのためそうした人たちは酒に弱いという。アセトアルデヒドが分解されにくいということだから、この場合の酒に弱いというのは悪酔いしやすいといってもいいだろう。欧米人の場合は、アセトアルデヒドが分解されやすい一方で、ADHの働きが弱いためアルコールからアセトアルデヒドに分解されにくい人が多いという。つまりアルコールの状態で体内にとどまる時間が長いため、アルコール依存症になりやすいということらしい。


*ほろ酔いから酔いどれまで

 どれくらい酔っているのかを知るには、脳がどれくらい麻痺している(酔っている)か、つまり脳内のアルコール濃度がどれくらいかを計ればよいわけだが、これは無理なので、実際には血液中または呼気中のアルコール濃度を測定することになる。簡易的に計算で求めることもできる。アルコールの血中濃度は、飲んだ酒の量(ml)にそのアルコール濃度(%)をかけたものを、体重(kg)に833をかけたもので割るとアルコールの血中濃度(%)がわかるそうだ。
 この血中アルコール濃度の程度で、ほろ酔いなのか、酔っ払いなのか、はたまた泥酔しているのかといった酩酊度が推測できる。血中アルコール濃度が0.02~0.04%は陽気な気分になる「爽快期」、0.05~0.10%は脈拍や呼吸が早くなり始める「ほろ酔い初期」、0.11~0.15%は声が大きくなり始め、ふらふらし出す「ほろ酔い極期」、0.16~0.30%は千鳥足になったり気分が悪くなったりといった「酩酊極期」、0.31~0.40%は何を言っているのかわからない、歩くことすらままならない「泥酔期」、0.41~0.50%は昏睡状態に陥り、時に死の危険さえある「昏睡期」(数値と状態の名称は、アルコール健康医学協会『適性飲酒の手引き』より)。
 実際の血中アルコール濃度は確かではないが、体験したことがある状態から判断すると、私自身「泥酔期」状態まで飲むことがままある。ただ、自分自身は何を言ったか覚えていないものの、後日その場にいた人たちの話を聞く限り、私の見た目は「爽快期」の状態をキープしており、話している内容も普通に理解できる(声の大きさとしては「ほろ酔い初期」レベルだろう)ことが多い。しかも気分が悪くなったり、二日酔いになったりすることはほとんどない。つまりこれはあくまでも目安であって、個人差があるのはもちろん、体調などによっても酩酊度は違ってくるということだろう。時に命を落とすこともあるのだから、酒を飲む際には、量はもちろん酒の種類や体調、または料理とのバランスなどなど、さまざまなことに注意を払わなくてはいけないのだ。


*個人的な課題

 とはいえ、私は生来の酒好き、しかもなかなか酔いがまわらない体質も手伝って、ついつい飲みすぎてしまう・・・。以前、私の飲みぶり・酔いぶりをよく知る人と相談・協議した結果、私はワイン(アルコール度数14%前後)1本分(750ml)のアルコール量(80g前後)であれば「ほろ酔い極期」をセーブできるということがわかった。直後、それ以上は飲まないようにと心がけ出したが、これがなかなか難しい。単純にワイン1本を飲むなら簡単だが、シャンパンやビールなどの食前酒から始まり、白・赤・デザートワイン、スピリッツやカクテルなど食後酒まで楽しむ場合、飲んでいる酒のアルコール度数とグラスの大きさからその量を推測し、その時点でどれくらいのアルコール量を摂取したのかを計算(単なる“かけ算”だが・・・)しなくてはならない。途中まではいい。なぜなら酔っていないから。が「ほろ酔い極期」も末期に近づいてくると、そんな単純な計算も面倒になる。面倒になったときが潮時と、そこで切り上げればよいのだが、すでにアルコールによって気分は高揚、そんな楽しい時間に自ら終止符をうつのは難しい。結果、当初の予定はどこへやら、立派な“酔っ払い”のできあがりだ。私の場合、節度をもって飲酒するには、強い意志と暗算能力の向上が課題である。

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登録日:2006年 03月 06日 17:02:47

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プロフィール
成田美友
(女)
ambrosia
ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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