2006年 03月 20日
ワイン *どこから来てどこへ行くのか*
【サン・ジャン・ド・ベダ/フランス 9日 AFP】6日、フランスのワイン生産者たちが抗議運動を行い、サン・ジャン・ド・ベダ(Saint-Jean-de-Vedas)の高速道路上にスペインワインを放出した。
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(c)AFP/DOMINIQUE FAGET
ワインについて学んだことがある人なら一度は、世界主要国におけるブドウ栽培面積、ワイン総生産量について、その1~5位くらいまでを覚えたことがあるに違いない。激しい順位の変動はなかなかないものの、年によって生産量の1位と2位が入れ替わったりと、微妙な変化が見られる。私が学校に通っていたときは、
ブドウ栽培面積:1位スペイン 2位 フランス 3位 イタリア 4位 トルコ 5位 アメリカ
ワイン総生産量:1位 フランス 2位 イタリア 3位 スペイン 4位 アメリカ 5位 アルゼンチン
だった。確か2000年の数字だったと思う。これが現在はどうなっているのかが気になり、フランスのONIVINS(Office National Interproffesionnel des Vins)のウェブサイトで統計資料を閲覧してみた。
*世界のワインの実情
そこには1996~2001年までの数字が出ており、最新の2001年で、世界全体におけるブドウ栽培面積は7,893,000ha、ワイン総生産量は264,730,000hl、ワイン消費量は227,703,000hl。それぞれの順位は以下のとおりだった。
◆ブドウ栽培面積(単位:1000ha)
1位 スペイン(1,235) 2位 フランス(914) 3位 イタリア(908) 4位 トルコ(564) 5位 アメリカ(415)
◆ワイン総生産量(単位:1000hl)
1位 フランス(53,389) 2位 イタリア(50,093) 3位 スペイン(30,500) 4位 アメリカ(19,200) 5位 アルゼンチン(15,835)
◆ワイン消費量(単位:1000hl)
1位 フランス(33,916) 2位 イタリア(30,500) 3位 アメリカ(21,250) 4位 ドイツ(20,150) 5位 スペイン(13,827)
◆国民1人あたりのワイン消費量(単位:1000hl)
1位 ルクセンブルク(58.60) 2位 フランス(57.05) 3位 イタリア(53.04) 4位 ポルトガル(46.82) 5位 スイス(42.91)
ちなみに日本は、栽培面積について数字は載っておらず、総生産量は1,100,000hl、消費量は2,783,000hlで15位、1人当たりの消費量では2190hlで26位だった。
*個人的考察
やはり、私が覚えていた順位と比べて大きな変化は見られなかった(というか変わっていない)が、統計資料を見ていて気がついたことがいくつかある。まず1996年から2001年までの5年間で、ブドウの栽培面積がヨーロッパで94%と減少しているのに対し、それ以外のすべての地域では増加している。特にオセアニアでは183%と2倍近い数字になっていた。国別でみると、1位のスペインはかろうじて増えているものの、2位のフランス、3位のイタリアともわずかだが減っている。そんな中、著しく増加しているのが中国。5年間で216%と2倍以上増加しているのだ。栽培面積の数字はそのままワイン総生産量の数字にも反映し、やはりヨーロッパでは90%と減少、アジアでは267%と3倍近くになっている(アジア地域については中国の栽培地域について改定が加えられたとの注釈あり)。生産量としては決して多くはないものの、この5年間で日本も163%と増加している。消費量をみても、ヨーロッパではドイツ、イギリス、スイス、ギリシャなどでは増加しているものの、生産量で上位5位にランクインしているフランス、イタリア、スペインでは減少していた。
各国の詳細な数字については出ていないものの、2002年のブドウ栽培面積、ワイン総生産量・消費量についてのデータもあった。そこに名を連ねているフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、ドイツの6カ国の中で、2001年と比べて増加が見られるのは、栽培面積ではドイツ、生産量ではスペインとドイツ、消費量ではフランス、スペイン、ポルトガル、ギリシャ。生産量が減って消費量が増えているということは、輸入ワインの消費量が増えているということになるのだろう。国内のワイン製造者が伝統を守りながら作り続けてきたヨーロッパのワインが、安く輸入された(といっても必ずしも品質が劣るというわけではない。念のため。)ニューワールド(ワインでいう“ニューワールド”とは、アメリカやチリ、アルゼンチンなどのアメリカ大陸や、オーストラリア、ニュージーランドなどのオセアニアといった比較的新しいワイン産地を指す)のワインに圧されつつあるということか。
とはいえ、現在も世界のブドウ栽培面積の約50%はヨーロッパにあり、世界のワイン総生産量の約70%はヨーロッパ内というのも事実であり、新旧交代の心配はまだまだないともいえる。消費者としては、従来ワインを造ってきたオールドワールドと、そうしたニューワールドがそれぞれ切磋琢磨して、品質の高いワインをよりリーズナブルに楽しめるようになればありがたい。
※数字はHP「Office National Interproffesionnel des Vins」の以下の統計を参考にしました
”SUPERFICIE DU VIGNOBLE EN EUROPE ET DANS LE MONDE”
“PRODUCTION DE VIN EN EUROPE ET DANS LE MONDE”
“CONSOMMATION DE VINS GLOBALE ET PAR HABITANT”
“La viticulture française dans l'agriculture nationale”
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登録日:2006年 03月 20日 18:22:57
- プロフィール
- 成田美友
- (女)
- ambrosia
- ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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