2006年 07月

シュナン・ブランとディディエ・ダギュノー

ロワールワイン普及へ、ソムリエ田崎氏に聞く - 東京

【東京 25日 AFP BB】フランスのロワール(Loire)地方のワインの普及を目的とした「第1回ロワールワイン コンセイエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート・コンクール」が、20日と21日の2日間にわたって開催された。
≫続きを読む…
(c)AFP BB

AFPBB News


 ロワール川はフランス中央部から大西洋に注ぐ、 約1000kmの大河。流域では、上流・中流・下流それぞれで特徴的なブドウが栽培され、赤・白・ロゼ、辛口・甘口、スパークリングetc.と、ありとあらゆるワインが作られている。フランスワインについて勉強を始めたとき、一番苦労したのがこのロワールだった。
 ロワールワインと聞くと、私の頭には2つの名前が浮かぶ。Chenin Blanc シュナン・ブランとDidier Dagueneau ディディエ・ダギュノーさん。


*シュナン・ブラン=ダシ

 シュナン・ブランは白ブドウの名前。特にロワール地方で、バラエティ豊かなワインとなる。その種類は、辛口から半甘口、そして貴腐ワインを含む甘口まで、またクレマンなどスパークリングワインまでという幅広さ。
 花のような香りやリンゴの蜜っぽい味わいなど、どぢらかというと甘口のものに出会うことが多いが、私が好きなのは、きりっとした辛口。フルーティーな中にミネラル感があるようなのが好きだ。このミネラル感、シュナン・ブランに関しては、ダシのような“うま味”を感じるのは私だけだろうか。アサリの澄まし汁の底のほうの香りというか、磯+ダシのイメージ。そうしたダシのきいた和食や、ほんのりとバターのきいた魚介の料理(ロワール川流域ということで川魚料理でもいいかも)と合わせていただきたい。


*ディディエ・ダギュノー=異端児そして天才

 フランスの白ワインについて好みを訊かれたら、シャルドネならドメーヌ・デ・コント・ラフォン、ソーヴィニヨン・ブランならディディエ・ダギュノーさん、と答えるのが私の定番になっている。
 ロワール上流にPouilly Fume プイイ・フュメというAOCがある。ソーヴィニヨン・ブラン100%で作られるもので、そのプイイ・フュメの最高の作り手といわれるのがディディエ・ダギュノーさんだ。もともと彼は、プイイ・フュメの名門「ジャン・クロード・ダギュノー」家の長男として生まれたのだが、家を飛び出し、モトクロスのレーサーとして活躍した後、ローヌ、ボルドーでワイン作りについて学び、1983年に自分の名でワインを作り始めたという型破りな作り手だ。
 私が特に好きなのは、彼のワインの中でも別格とされる「SILEX シレックス」。シレックスはフランス語で「火打石」の意。プイイ・フュメはもともと石灰質土壌が特徴で、さらに“フュメ=燻す”という名から分かるように、この土地のブドウで作ったワインには、どことなく燻し香が出ることでも知られている。また、シレックス用のブドウが作られる畑には、実際に火打石の成分が含まれているという。そうした土壌から生まれる、しっかりとしたミネラル感が、ソーヴィニヨン・ブランの特徴であるハーブ香と、グレープフルーツの白い部分のような甘苦い香りと味わいをより複雑に、より深みのある味わいに引き上げるのだと思う。
 このシレックスを初めていただいたときには、あまりの味の複雑さ・奥深さに、私の中で感動の嵐が吹き荒れた。それまでディディエ・ダギュノーという名前は知っていたものの、どんな人なのか詳しくは知らなかったので、家に帰ってから彼について調べたのを覚えている。そして見つけた聞きしに勝る破天荒な容姿・・・。これくらいの“はじけ具合”がないと、非凡なワインは作れないということかしら・・・そんなことを思った夜だった。

コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 28日 02:07:22

“夏将軍” *どこから来てどこへ行くのか*

今世紀で最も気温の高い7月 - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 19日 AFP】気象予報によると、ドイツの20日の気温は、38度まで上昇して今年一番の暑さとなり、7月は全般的に、今世紀で最も気温の高い月になるという。写真はベルリン(Berlin)で19日、帽子一杯の水をかぶって涼むマーロン(Marlon)君(8)。(c)AFP/JOHANNES EISELE

AFPBB News


 80歳を超える私の大家さん曰く、「今年の冬は人生で最高に寒くて長い冬だったけど、今年の夏も人生で最高に暑くて長い夏になりそうだわ」。とはいえ、東京暮らしの長かった私にしてみれば、ドイツ南部の私の住んでいるあたりの夏は、どちらかといえば過ごしやすい。確かに暑い。それは間違いないが、湿度が低いので不快感は高くないし、木陰など日陰部分では心地よい風が感じられる。
 とはいえ、日本ほどエアコン(冷房)が普及していないヨーロッパ。暖房は徹底して完備されているにもかかわらず、私の周りで、自宅にエアコンを備えている家はない。もちろん、これまでは必要なかったからだろう。そんな人たちにしてみれば、この暑さは十分脅威に違いない。東京の夏も年々“ひどく”なっているように思う。この地球温暖化、いったいどれくらい進んでしまっているのだろう。


*世界の平均気温の変化

 日本の気象庁のホームページによると、昨年・2005年の世界の年平均気温の平年との差はプラス0.32℃。この数字は、1891年の統計開始以降、2番目の高さだという。ちなみに1番目は1998年でプラス0.37℃、ヨーロッパの猛暑が騒がれた2003年は、2002年と並んで3番目(プラス0.31℃)だ。長期的観測では、年平均気温は100年で0.66℃の割合で上昇しているそうだ。
 1979年までの約90年間は毎年、マイナスだった平年差が、1980年に入るとプラスに転じ、徐々にその高さが目立ち始めるようになる。また、北半球・南半球ともに同様の推移が見られるものの、北半球のそれは圧倒的に南半球よりも高い。例えば2005年の場合、北半球はプラス0.47℃、南半球はプラス0.16℃。
 
 ちなみに日本の昨年の平年差はプラス0.18℃だったそうだ。世界の平均より遅れること10年、1990年に入ってから平均気温の高さが目立つようになる。平年差が1番大きかったのは1990年でプラス1.04℃、順に2004年のプラス0.99℃、1998年のプラス0.98℃、1994年のプラス0.82℃、1999年のプラス0.76℃。長期的観測では、年平均気温は100年で1.06℃の割合で上昇しているそうだ。

 世界に比べると日本の平年差は低いものの、長期的に見た場合、上昇している程度が高いのが気になる。環境に配慮しないままに突っ走った高度経済成長時代のツケということか。そういえば、経済成長著しい今の中国も、同じような環境問題を抱えていると聞いたこともある。


*2003年の“夏将軍”再び?

 ナポレオンも凍えたモスクワの冬将軍は有名だが、ヨーロッパでは今や、“夏将軍”のほうが恐れられているかもしれない。多くの農作物が被害にあっただけでなく、暑さによる死者をも出すに至った2003年の猛暑。2003年8月10日にはロンドンで37.9℃、12日にはパリで40℃を記録したという。ちなみにロンドンの8月の平年最高気温平均は21℃、パリは24℃で、それぞれ1.8倍、1.6倍の暑さということになる。ヨーロッパ全体でも、8月上旬(1~12日)の平均気温は平年より軒並み高くなった。ドイツでは、南部のシュトゥットガルトで8月9日に最高気温38.1℃を記録、同市の平均気温は平年より9℃高い28℃となった。

 今日のドイツも全国的に快晴だ。最高気温はベルリンの37℃を筆頭に、各地で33~36℃。引用した記事中には、「7月は全般的に、今世紀で最も気温の高い月になる」とある。このまま8月に入ったらどうなってしまうんだろう。2003年の夏将軍を超える酷暑に襲われるんだろうか。このままいけば、いずれヨーロッパでもエアコンは必需品という時代がくるかもしれない。


※数字は気象庁のHPから気象統計情報を参考にしました
『世界の気温と降水量の長期変化傾向』
『日本の気温と降水量の長期変化傾向』
報道参考資料 『ヨーロッパの8月上旬の異常高温について

カテゴリー[ *どこから来てどこへ行くのか* ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 20日 17:43:00

Luebeck リューベック *砂の彫像が立ち並ぶ「サンドワールド」

砂の彫刻イベント「2006年サンド・ワールド」開催 - ドイツ

【リューベック/ドイツ 10日 AFP】リゾート地、トラベミュンデで7月7日から9月3日まで砂の彫刻の展示イベント「2006年サンド・ワールド(2006 Sand World)」が開催中されている。「サーカスの世界」をテーマとした同イベントでは75人余りの彫刻家が砂と水だけを使って作り上げた作品が展示される。写真は8日、同イベントで展示された巨大なセイウチの彫像。(c)AFP/LIJA PETER

AFPBB News


 ハンザ同盟の盟主であり、「ハンザの女王」または「バルト海の女王」とたたえられた町・リューベック。ここで毎年夏に行われる「サンドワールド」は、世界各国の芸術家によって作られた砂の彫像が並ぶ、砂のフェスティバルだ。


*砂・砂・そして砂

 砂と水だけを材料に、彫刻家のアイディアと技術で生み出される砂の彫像。単純なようだが実は奥が深い。
 砂とひと口に言ってもいろいろある。まず、何からできたものかによって分けられ、大きく、オーガニック系かミネラル系に分けられるそうだ。オーガニック系は、サンゴや海に棲む軟体動物、化石などが極めて小さな粒子まで砕けた(分解した)もので、塩分を含む水中(海中)のほうが、よりバラエティに富んだものが見られる。ミネラル系は鉱物や岩などの小さな粒子からなるもので、アルプスなどの山中でよく見られる。

 彫像の高さは使う砂の質によって決まる。1メーターを超えるものを作るには、特別なタイプの砂が必要になる。砂の大きさとその粒子の構造が非常に重要で、そのキーワードは“サイコロが◎ ビー玉は×”。浜辺の砂の多くは、海流などの影響でビー玉のように丸いものがほとんど。こうした砂で彫像を作るのは難しい。つまり前述のキーワードは、角が削り取られていない角張った砂のほうが彫像作りに向いているという意味だ。「サンドワールド」では、アルプスから流れ出すマース川によって運ばれてくる砂を使っている。これは、こうしたミネラル系の砂は、互いに密着しやすい、さまざまな大きさのサイコロのような形をしているためだという。

 高さ16m級の彫像だろうが、1m以下のものだろうが、作り方の基本は変わらない。基本は2つあって、

 1. 湿らせた砂を圧縮しながら層を重ねるようにして大まかな形のブロックを作る。目標の高さになるまで、大小さまざまな形のブロック積み重ねていく

 2. 硬くなった砂のブロックを削って形を作っていく。高いところから始めること

という、これまたいたってシンプルなもの。とはいえ、実際に彫像を削り出すとなったら、相当な神経を使う作業になることだろう。


*「サンドワールド」

 同イベントは毎年10万人以上の観光客でにぎわう。今年は世界12カ国から75人の彫刻家が集まり、約9000トンの砂を使って、2週間かけて作品を仕上げた。期間中は、そうした作品を見て回る以外にも、さまざまなプログラムが用意されている。中には、彫刻家から砂の彫刻について学び、実際に自分で砂の彫刻をすることができるプログラムもある(月曜~金曜/1日2回/所要時間約2時間)。イブニングプログラムと題されたプログラムは、砂の彫像をロマンティックに照らしつつバルト海に沈む美しい夕焼けを眺めながら、もしくはライトアップされて幻想的に浮かび上がる砂の彫像を眺めながらの食事などが楽しめるというもの。また会場内には、「キッズ・ワールド」と称した子供用のスペースも大きくとられている。
 7月7日~9月3日まで行われ、開園時間は日曜~火曜は午前10時~午後11時、金曜~日曜は午前10時~午後12時。

 私も仕事で8月初旬に会場を訪れる予定にしている。これまでリューベックの町自体、訪れたことがない私だが、ハンザ同盟・海・歴史、この3つのキーワードをもとに、その魅力を十分に味わってきたいと思う。

カテゴリー[ HHoG ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 14日 16:55:18

"FIFA WM" 公式ボール: その名も“チームスピリット” 「Teamgeist」

<06サッカーW杯>決勝のカードが刻印された黄金色のチームガイスト公開 - ドイツ

【ドイツ 6日 AFP】06サッカーW杯・決勝、イタリアvsフランスの一戦を控えて今大会公式サプライヤーであるアディダス(adidas)社が、決勝戦のみに使用される黄金色の「Teamgeist(チームガイスト)」に対戦カードが刻印されたものを公開した。(c)AFP

AFPBB News


 今回のワールドカップの公式ボールは、アディダスの「Teamgeist チームガイスト」が使われている。ドイツ語でGeistはSpirit=魂の意味。デザインからは、いわゆるサッカーボールのイメージである六角形は浮かび上がってこない。前回大会の公式ボール同様、そのデザインによるというだけでなく、ボールの表面を覆うパネルの数が旧来のものより少ない14枚となり、それらをこれまでとはまったく異なったスタイルで組み合わせることで、完全な球体に近いなめらかさを実現したのだそうだ。決勝戦以外では白と黒を基調にしたものが使われてきたが、決勝では優勝トロフィーをイメージしたという金色のものが使われる。


*ゴールデンボール賞とゴールデンシュー賞

 アディダスは1970年からFIFAワールドカップの公式ボールを担当している。そんな同社が同大会に際して設けている賞がある。Golden Ball Award ゴールデンボール賞とGolden Shoe Award ゴールデンシュー賞。前者は、メディアの投票によって選ばれた最優秀選手に、後者は最多得点を挙げたストライカーに贈られる。前回大会のゴールデンボール賞はドイツのカーンに、ゴールデンシュー賞はブラジルのロナウドに贈られた。ちなみに、カーンはゴールキーパーとして初のゴールデンボール受賞者だった。
 ゴールデンボール賞の受賞候補者はベスト4のチームから選ばれる。今年の候補者は以下の10名。ドイツのバラック、クローゼ、フランスのビエラ、アンリ、ジダン、イタリアのピルロ、カンナバーロ、ザンブロッタ、ブッフォン、ポルトガルのマニシェ。個人的にはフランスのジダンに投票したい。
 今年のゴールデンシュー賞は現在のところ、5ゴールを決めているドイツのクローゼが最有力候補だ。3ゴールで次点につけているプレーヤーのうち、3位決定戦を含めて、これから試合があるのはフランスのアンリとドイツのポドルスキ、2ゴールの中にもフランスのビエラ、ジダン、イタリアのトニ、ポルトガルのマニシェがいる。これは決勝戦まで目が離せなさそうだ。

カテゴリー[ FIFA WM Germany 2006 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 07月 08日 18:08:44

カレンダー
< 2006年 07月 >






1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31




プロフィール
成田美友
(女)
ambrosia
ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
最近のトラックバック
検索