2006年 07月 20日

“夏将軍” *どこから来てどこへ行くのか*

今世紀で最も気温の高い7月 - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 19日 AFP】気象予報によると、ドイツの20日の気温は、38度まで上昇して今年一番の暑さとなり、7月は全般的に、今世紀で最も気温の高い月になるという。写真はベルリン(Berlin)で19日、帽子一杯の水をかぶって涼むマーロン(Marlon)君(8)。(c)AFP/JOHANNES EISELE

AFPBB News


 80歳を超える私の大家さん曰く、「今年の冬は人生で最高に寒くて長い冬だったけど、今年の夏も人生で最高に暑くて長い夏になりそうだわ」。とはいえ、東京暮らしの長かった私にしてみれば、ドイツ南部の私の住んでいるあたりの夏は、どちらかといえば過ごしやすい。確かに暑い。それは間違いないが、湿度が低いので不快感は高くないし、木陰など日陰部分では心地よい風が感じられる。
 とはいえ、日本ほどエアコン(冷房)が普及していないヨーロッパ。暖房は徹底して完備されているにもかかわらず、私の周りで、自宅にエアコンを備えている家はない。もちろん、これまでは必要なかったからだろう。そんな人たちにしてみれば、この暑さは十分脅威に違いない。東京の夏も年々“ひどく”なっているように思う。この地球温暖化、いったいどれくらい進んでしまっているのだろう。


*世界の平均気温の変化

 日本の気象庁のホームページによると、昨年・2005年の世界の年平均気温の平年との差はプラス0.32℃。この数字は、1891年の統計開始以降、2番目の高さだという。ちなみに1番目は1998年でプラス0.37℃、ヨーロッパの猛暑が騒がれた2003年は、2002年と並んで3番目(プラス0.31℃)だ。長期的観測では、年平均気温は100年で0.66℃の割合で上昇しているそうだ。
 1979年までの約90年間は毎年、マイナスだった平年差が、1980年に入るとプラスに転じ、徐々にその高さが目立ち始めるようになる。また、北半球・南半球ともに同様の推移が見られるものの、北半球のそれは圧倒的に南半球よりも高い。例えば2005年の場合、北半球はプラス0.47℃、南半球はプラス0.16℃。
 
 ちなみに日本の昨年の平年差はプラス0.18℃だったそうだ。世界の平均より遅れること10年、1990年に入ってから平均気温の高さが目立つようになる。平年差が1番大きかったのは1990年でプラス1.04℃、順に2004年のプラス0.99℃、1998年のプラス0.98℃、1994年のプラス0.82℃、1999年のプラス0.76℃。長期的観測では、年平均気温は100年で1.06℃の割合で上昇しているそうだ。

 世界に比べると日本の平年差は低いものの、長期的に見た場合、上昇している程度が高いのが気になる。環境に配慮しないままに突っ走った高度経済成長時代のツケということか。そういえば、経済成長著しい今の中国も、同じような環境問題を抱えていると聞いたこともある。


*2003年の“夏将軍”再び?

 ナポレオンも凍えたモスクワの冬将軍は有名だが、ヨーロッパでは今や、“夏将軍”のほうが恐れられているかもしれない。多くの農作物が被害にあっただけでなく、暑さによる死者をも出すに至った2003年の猛暑。2003年8月10日にはロンドンで37.9℃、12日にはパリで40℃を記録したという。ちなみにロンドンの8月の平年最高気温平均は21℃、パリは24℃で、それぞれ1.8倍、1.6倍の暑さということになる。ヨーロッパ全体でも、8月上旬(1~12日)の平均気温は平年より軒並み高くなった。ドイツでは、南部のシュトゥットガルトで8月9日に最高気温38.1℃を記録、同市の平均気温は平年より9℃高い28℃となった。

 今日のドイツも全国的に快晴だ。最高気温はベルリンの37℃を筆頭に、各地で33~36℃。引用した記事中には、「7月は全般的に、今世紀で最も気温の高い月になる」とある。このまま8月に入ったらどうなってしまうんだろう。2003年の夏将軍を超える酷暑に襲われるんだろうか。このままいけば、いずれヨーロッパでもエアコンは必需品という時代がくるかもしれない。


※数字は気象庁のHPから気象統計情報を参考にしました
『世界の気温と降水量の長期変化傾向』
『日本の気温と降水量の長期変化傾向』
報道参考資料 『ヨーロッパの8月上旬の異常高温について

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登録日:2006年 07月 20日 17:43:00

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プロフィール
成田美友
(女)
ambrosia
ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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